後輩を連れて転職する話(現在進行形)

こんにちは。一昔前のバンドマンのおじいさんです。

「今更noteとか、いったいどうしたの?」

と、疑問を感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、今回わざわざnoteを書いてみようと思ったのは、"転職"が大きく関わっています。

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終身雇用が崩壊した今、”転職”など珍しくも何ともないご時世ですが「後輩と一緒に同じ職場に転職(しかも”出戻り”)」という体験をした人は、なかなかレアだぞ…と思ったのでnoteに記録してみようと思い立ったのです。

今回は、初めてのnoteへの投稿という事で不慣れなのですが、いくつかのセンテンスにまとめて記録をしていこうと思います。

また、所々ぼかして書いていますので、その点はご了承ください。


2018年冬、今の職場に転職してきた(僕が)

29歳の頃、僕は人事コンサルタントの仕事をしていました。

それまでは、いわゆる”採用担当”として学生の採用窓口の仕事をしていましたが、【もっと人事について学びたい(…ついでに給料もアップしたらいいな)】という理由で転職をし、採用コンサルタントとして2年弱、給与計算のアウトソーシングの部署で約半年弱、自分なりに必死に働いてきました。

とは言え、コンサル出身者はわかるかもしれませんが、所詮”コンサル”なんてただのガヤ芸人的立場でしかありません。(もちろん、それを割り切れる人もいますし、割り切れている人ほど成功している気がしますが)

もっと自分の仕事の成果(採用人数や質)が、会社の成長にダイレクトに直結しているようなダイナミズムを感じられる仕事がしたいという想いを抱き、転職を考えていた29歳の冬、現職のA社からオファーを頂きました。


新しい仕事に燃える。

”前職での知見を活かし、新卒採用や研修制度をイチから作って欲しい”

ということで、A社では入社直後から学校訪問や就活イベントなどで日本全国を飛び回り、その合間に研修プログラムの立案、社内制度の導入に奔走したりと、体力的にはしんどいものの毎日楽しく働いていました。

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 ↑ 出張中、名物を食べる暇もなかった。

オーナー社長の元、本社も少人数で運営されており、人事担当も自分1人。加えて、もともと採用が難しいと言われる業界で、本格的な採用活動も始めて。「この会社で、今までの経験を生かしてステップアップしてやろう!」と、当時は燃えており、店舗からも多くの協力をしてもらい、順調に採用人数も増えていきましたし、まだまだ未整備な中小企業ながらもスタンスに共感して入社してくれる学生も増え、手ごたえを感じていました。


風向き、めちゃくちゃ変わる。

ところが、2019年の夏ごろから風向きが変わってきました。

新卒・中途の採用でコストが発生することは、今後一切禁止
めんどくさい社員がいるから、何とかして辞めさせて欲しい(即日で)

上記のような話が、社長から指示として降ってくるようになりました。

「社員に対して、受けさせるべき研修や教育をせずに、”何となく扱いずらい”という経営者の個人的な感情で退職に追い込むのはどうなのか?」

「会社は人で成り立っているのに、人がメインのサービス業において、教育や定着に対しての施策をしないのは、会社としてマズイのでは?」

社長に近いポジションで仕事をさせてもらっているので、コストダウンはしかたのない部分だとわかっている反面、社員の教育や定着という観点で、どうしても納得できない部分があり、この半年間で何度も上司や社長と話をさせてもらいました。

そもそも、「研修や教育をやりたい」と言っておきながら、「釣った魚には一切エサなんてやらねえぜ!」的な豹変ぶりは一体何なんだ!?とつい声を荒げてしまったこともあります。

ただ、サラリーマンなので、やはりトップの決定には従うしかありません。

2~3週間実施予定だった春の新人研修も、たった1日に短縮する(!)という決定もあり、特にこの2~3か月はどんよりした曇り空のような、モヤモヤが晴れない中で仕事をしていました。

それに追い打ちをかけるように、やはり社長に直接意見をした事がマズかったのか【スーツの色がおかしい(ただのネイビーやんけ)】【カバンがビジネスバックじゃない(普通のビジネスバッグです)】【整髪料を付けている(いや、みんな付けてんじゃん)】という、仕事とは全然関係がない、よくわからない理由で社長から個人攻撃を受ける事もだんだんと増えていき、僕の心の中のモヤモヤも倍増。

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 ↑ めちゃくちゃ普通のビジネスバッグだよね?そうだよね?

この環境では長く働くことは叶わない。

秋ごろにはようやくその事に気づき、転職サイトに登録したり、昼休みには転職エージェントとの電話面談を重ねたり、完全に退職する事を決意していました。

新卒入社した会社(B社)の上司(Xさん)とは、自分が新卒でB社に入社してから4年ほど勤め、その間のほとんどを上司と部下として過ごし、退職後もプライベートで連絡を取り合う間柄だったので、「またB社に戻ってこないか?」ということで人事総務課のマネージャーとしてのオファーを受けましたが、一度退職してしまった手前やんわりと断りを入れていました。


後輩、セクハラされる(されている)。

”他部署のえらい人からセクハラをされていて困っている”

そんな昨年末、仕事の都合で入社1年目の後輩(女性)と外出し、空き時間に入ったカフェで一息ついていると、唐突にそんな相談をされました。

どうやら、直属の上司に何度も相談したものの、セクハラの相手が社内の”違う部署のえらい人”という立ち位置故に、手出しができないという結論になり、困り果てた末に採用担当の自分に話すしかなかったようで、彼女のメンタルも、その時点でだいぶ疲弊している事はすぐにわかりました。

ただ、色々と話を聞いている中で「もう少し距離を取れば相手も飽きそうだな…」と感じたため、自分が先走って動くのは得策ではないと思い、解決につながるような具体的な行動をとることはできませんでした。

一生懸命就職活動をし、地方の大学から上京してきた後輩に、本来あってはならない苦労をさせてしまっている事を思うと、採用担当として本当に残念な気持ちになり、後輩には、ただ「申し訳ない」としか言えませんでした。


僕と後輩、濡れ衣を着せられる。

そんな2019年も終わり、2020年仕事初めにとんでもない事が起こりました。

昨年末、後輩からセクハラの相談をされた際に、外出中ということもありそのまま2人で直帰をしたのですが、社内の”えらい人(セクハラおじさん)”が

「直帰して、2人でいかがわしい所に行ったのでは?」

という、とんでもない事を社内で言いだし、僕の事を前々から目の敵にしている社長にも伝わってしまい、メチャクチャ叱責されるという事件が起こったのです。

色々と事実ベースで説明をし、この際だからと後輩に対して”違う部署のえらい人”からのセクハラの件も話しをしたものの、完全に聞く耳を失った社長からは信じてもらえず、謝罪と始末書・減給を要求され、もはや受け入れざるを得ませんでした。

後輩もこの件で呼び出されましたが、処分はなし。

ただ、セクハラを受けたこと・相談した事が原因になって、社内で一騒動起こしてしまったことで『もう社内に居場所がない、近いうちに退職する事に決めました』と後輩自身も自責の念に駆られていたので、僕自身が処分を受けたことについては、要らぬ心配を掛けてしまうだけだと思い、話はしませんでした。

上司からは「こういう社内政治も今後のためにいい勉強になったよね」とかメチャクチャなことをほざいていましたが、「”無実の罪で人を陥れる社内政治”なんか死んでも勉強したくねえよ…」とあきれ返ると同時に「日本も銃社会だったら良かったのに」と、この日の仕事帰り、心からそう思いました。


頭を抱える。

上司や社長から呼び出された後、涙が止まらない後輩を連れての帰り道、やはり後輩の退職の意思は固く、「社会人1年目を、まっとうな環境でやってみたかった」という言葉を聞いて、自分自身も申し訳なさが溢れて泣きそうになりました。

自分は過去2回の転職を経験したので、ある程度”人事”というキャリアの軸も見えているし、履歴書や職務経歴書の作り方も理解しているつもりです。(というか、不測の事態に備えて定期的に更新しているのですが…)

ただ、後輩にとっては初めての転職活動。しかも理由は仕事以前のもの。

いくら相手が悪いとは言え、あがり症で、おまけにメンタルがボロボロの後輩が、この後の就職活動もスムーズに進められるとは思えませんでした。

後輩に”こんな会社に入社させてしまったこと、力不足でセクハラをどうにもできなかったことは本当に申し訳ない、転職に向けて自分が力になれることはできる限り何でも手助けをする”という事は伝えたものの、「職務経歴書を添削する」とか「転職エージェントを紹介する」ぐらいしか出来ないよな…どうしよう…と、後輩が帰った後、駅のカフェで頭を抱えました。


(前の前の会社の)先輩に相談する。

そんな時、僕が新卒で入社したB社の上司のXさんから連絡がありました。

「転職活動落ち着いた?」

という他愛もないLINEでしたが、会社で起こった事実と「後輩が退職するので力になりたいが大したことができなくて困っている」という相談をさせてもらいました。

Xさんと直接会ったり、電話で話したり、僕自身が新卒~若手の頃にB社で経験した記憶(当時は割とブラックだった)も思い出したりしながら導き出したのは【後輩に、転職先としてB社を紹介する】という事でした。

理由としてはこんな感じでしょうか。

若手の成長環境がある(割と若い人に事業の重要なところを任せる)
理念経営をしているので、そこから外れた変な人が少ない(辞めていく)
後輩のやりたい仕事(専門系)でポジションが用意できそう

そんな経緯で、Xさんと後輩と自分の3人で会って、話すことになりました。


出戻ることを決意する。

今回、後輩に対しては、”こんな会社があるよ”という紹介だけしようと思っていました。

結局、本人が希望しなければミスマッチにもるという事もありますが、大変な経験をしたこともあってか、後輩が次の職場に求めるものが「セクハラがない職場で働きたい」という「え、それなの?」という答えでした。(職場に求めるものが、自己実現とか知的欲求ではなくて”生存欲求”みたいなものになっているのには、本当にキツかったんだな…と感じてしまいました)

そんな現状から、少し視野を拡げて「こんな仕事がしたい」とか「こういう知識を身に着けたい」という”生存欲求”以外の部分でしっかり会社を見るという、至極当たり前の部分を取り戻して欲しいと思ったからです。

実際、Xさん・後輩・自分の3人で会っていろんな話をしましたが、その中で自然と自分も【B社に戻るべき理由】が棚卸しされていくのを感じ、一度はお断りをしてしまっていましたが、退職後はB社へ入社する(出戻る)という結論に至りました。

有難いことに、人事のマネージャーポジションで、現年収も最大限に考慮してもらうなど、本当に色々と気を遣っていただいての出戻りです。

後輩もB社に強く興味を示してくれ、選考に進む事が決まりました。実際に入社するかどうかは後輩自身が決めますが、入社するのであれば、また一緒の職場で働くことになります。(後輩がそれをどう思うかはわかりませんが)

次こそは、後輩に対しても、それ以外の人たちに対しても、きちんと成長できるような健全な環境を提供できるようにしていきたいと思っています。


最後の関門、”今の職場を退職する”ことについて

次の職場は決まりましたが、退職する事についても考えなければいけません。今回、社会人として本当にどうかと思うのですが…「退職代行サービス」を使うつもりです。

「なぜ退職代行を使うの?」という理由はこんな感じ。

就業規則の3か月縛り(無視してもOKだが文句は確実に言われる)
役割上の制約(採用担当なので退職を4月以降まで引き延ばされそう)
会社の体質(嫌がらせなども過去あった。というか、今まさにされてる。)
経営者との距離の近さ(家族経営で良くも悪くも距離が近い)

上記のような問題があるので、抵抗はあるのですが「退職代行サービス」を使ってみようと思っています。


退職代行サービスにも違いがあるらしい。

東京駅前総合法律事務所さんの退職代行サービスを使う事にしました。

ただ、自分でネットを調べてみましたが「企業がやっている退職代行」「弁護士事務所がやっている退職代行」の2種類があるのですが、利用するのであれば、圧倒的に後者の「弁護士事務所がやっている退職代行」を使ったほうが良さそうだぞ!という事です。

何と、残業代・慰謝料・退職金の請求は弁護士にしか認められていないようで、「弁護士資格のない人(企業)」に退職代行をお願いした時にやってもらえるのは【退職の意思を伝える】というむちゃくちゃシンプルな事だけ…らしいのです(※僕の理解では)

なので、実際に退職代行を使ってみてどうだったか、何が起きるか?という事についても、後日改めてまとめてみようかと思います。

ただ、やっぱり「社会人としてどうなの…?」という後ろめたさはありますので、本当にやむを得ない事情がなければ、”立つ鳥跡を濁さず”って感じできちんとした手順を踏んで退職するのが一番ですので、そこはよろしくお願いします(笑)

長くなりましたが、また追記できることがあれば書き足していきますね。


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