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カメコ自己批評#1

2021年はアイドルカメコというより生まれて初めてカメラを触った年であり、試行錯誤しながらガムシャラに撮り続けることが出来た、とても充実した1年だった。どうすればもっと面白い写真になり、推しやファンの心を動かすことができるだろう?という原点は忘れてはいけないと思い、今回の文章を書くに至った。

2021.07.07 =LOVE 佐々木舞香さん

初めて納得のいく写真が撮れたという思い出の1枚。ライブのストーリー性と空気感が詰め込まれているものが理想だと考えているが、やはり時の運も絡むもので、すべてが偶然上手くいったと思う。

この日の座席は横アリの最後方ブロック上段で、メインステージが肉眼ではほぼ見えず、バックステージを見下ろすのがやっと…という場所だった。新曲発表でボルテージが上がった状態でのアンコールで、また七夕ということもあって、短冊を飾るという演出でメンバーがバックステージに集合した。

勿論アリーナ席の方がお客さんは多数で、なかなかこっちを見てくれない状況の中、一瞬だけバックステージを振り向いたメンバーを捉えることができた。

ライトの具合、大きなステージの空気感、そして佐々木舞香さんの「野外ライブ」という夢がこのあとのサプライズ発表にて速攻で叶うというニュース性もあり、自分の中でとても印象深いものになった。

やはりライブは水物で、その時その空間でしか味わえないものがある。そういった空気感とストーリーを1枚に収めて、余すことなく伝えるというのも醍醐味のひとつであるし、この日から強く意識するようになった。

2021.10.09 「イコノイフェス」 =LOVE ≠ME

初めての屋外でのライブ撮影。突然の大雨に見舞われる中、魂のパフォーマンスを見せてもらった伝説のライブだった。夜のシャボン玉演出はとても綺麗で、山の空気までも映し出すような美しさだった。

横一列に整列する並びの綺麗さもあり、また手前側の≠ME本田珠由記さんの不安、緊張、悦び…あらゆる感情が入り混じった表情がこのステージに立つことのスケール感として伝わってくる。

アイドルライブの写真は綺麗な被写体を余すことなく伝えるべく、寄りで撮ることが非常に多いが、無理に寄っても情景が伝わりにくい画角や距離であれば、あえて引いて状況を説明できる写真にしようと思った。

2021.10.15 ≠ME 冨田菜々風さん

メジャーデビュー1年目の冨田菜々風さんは「絶唱」という言葉が相応しかった。命を削らんばかりの歌声で、最高潮に乗った時のパフォーマンスは圧巻だった一方、いつか壊れてしまうんじゃないかという怖さもあり、目が離せなかった。

「薄明光線」という曲はまさに命を削って歌い上げるパフォーマンスが魅力であり、冨田菜々風さんの魂の部分を絶対に撮りたいと思っていた。この1枚は絶唱の瞬間ではなく、歌い上げたあとに一瞬ふと見せたある種の"隙"の部分である。この隙にこそ人間性が詰まっているのではないか。

背後のスモークが冨田菜々風さんの魂や気迫そのものであり、糸のように張り詰めた緊張感まで伝われば良いと思った。

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