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【連載版】Change the World 第7話〜どんな自分なら好きなんだろう【無料】

あなたはどんな自分になりたいでしょう。第6話で語った「好きになるとうまくいく法則」に則ると、あなたは「その自分」を好きになればうまくいくということになります。

もっと楽に生きたいという夢を抱いている人は多いでしょう。ならば「楽に生きる自分」を好きになるといいのです。そんなのは簡単だとあなたは言うかもしれませんが、知らず知らずのうちに「そんな自分」を嫌っている場合があります。

「そんな自分」を好きか嫌いかは、「そんな他人」にどんな感じを受けるかですぐにわかります。例えばこんな場合はどうでしょう。あなたが「何の不安もなく楽に生きたい」と願っているとしましょう。それを叶えている(ように見える)人に対して、あなたはどんな印象を持つでしょうか。

より具体的に考えてみましょう。あなたがお金持ちになって楽に生きたいと願っているとします。そしてそんなあなたから見て、楽に大金を稼いでいるように見える人がいるとしましょう。さて、あなたはその人にどんな感じを持つでしょうか。

楽に大金を稼ぐという中には、あなたにとっては狡いとか汚いといった印象を抱く方法もあるかもしれません。あなたはそんな風に大金を稼いでいる人に対して反感を抱かないでしょうか。つまり、その人のことは好きではないのではないでしょうか。

あなたが反感を抱いたり、嫉妬したりする人はどんな人物でしょう。権力者でしょうか、お金持ちでしょうか、怠け者でしょうか、あるいはそれらを複合させた怠け者なのにたまたま権力の座にありお金に困っていない人でしょうか。

実はそういう人が、かつて僕の人生のごく身近なところにいたのです。僕はその人物を嫌っていました。世襲によってたまたま権力の座にあり、自分は仕事をせず、特段これといった能力もなく、それでいて立場を利用して楽に高額な給料を受け取っていた人物です。

心の中では、もっと楽にお金を稼ぎたい、そして何の不安もない生活がしたい。そう思いながらも、実際にそのように生きている人に対しては反感を抱いていたのです。反感というより「アイツばかりいい思いしやがって」という怒りに近いものであったように思います。

あるとき、自分はそのような生き方をする人を嫌っていることに気付きました。「好きになるとうまくいくの法則」に則れば、僕はそういう人物にはなれないということになります。でもどうでしょう。僕の願いは、正しくそのような「楽に大金を稼ぐ人物」になることだったのです。

口ではお金持ちになりたいと言いながら、お金持ちに反感を持っていてはお金持ちにはなれません。幸せになりたいと言いながら幸せな人に嫉妬していては幸せな人にはなれません。あなたが嫌だと感じる人物にあなたはならないし、なれないという実にシンプルな原則があるのです。

どんな人に対してあなたが反感を抱いているのかをよく観察してみるといいでしょう。その中に、本当は羨ましくて仕方ないと思っている人物も含まれているはずです。犯罪者や奇行を繰り返す人にはなりたくないと思う人が大半だと思います。なぜあなたがそういう人にならないのかというと、そういった人を嫌っているからなのです。

この場合、あなたが犯罪者になることはうまくいきません。故にあなたは犯罪者にならないのです。同じ理屈がお金持ちにも当てはまります。お金持ちを嫌っていたら、お金持ちになろうとしてもうまくいかないのです。

この世界はさながら見本市なのです。あなたは、この世界に溢れている人や物から「なりたい」や「欲しい」といった品を見つけ出して、そうなったり、それを手に入れたいと思うでしょう。ならば、それらに対して反感を持たないことです。

もしあなたが今、お金のことで悩んでおりお金が欲しいと思っているなら、自分の奥底にあるお金に対する反感をチェックしてみるといいでしょう。お金に対して嫌な印象を持っていたり、お金持ちに対して羨望や嫉妬を持っていることは間違いありません。だからといって、それらは無理に覆そうとしないことも重要です。

奥底にあるものを覆すことには困難が伴います。真逆の感じ方に即座に変えることは、直ぐには出来ない人の方が多いのです。いきなり嫌いを好きに変えることは難しいでしょう。憎い相手を愛すに持っていくことは困難ではないでしょうか。だから覆そうとしない方がいいのです。

あなたがやるべきことは、まず嫌いな感じを引き剥がすことです。好きになれとは言っていません。あくまでも嫌いを引き剥がすのです。好きを高めるよりも、まずは嫌いを薄めていった方が簡単なのです。

お金持ちになりたいなら「お金持ちな自分」を好きになるといいでしょう。かといって「貧乏な自分」を嫌いになる必要もありません。矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、それでいいのです。

なぜお金持ちになりたいのかを考えてみてください。それは「貧乏な自分」が嫌だからではないでしょうか。ということは「貧乏な自分」は嫌いで「お金持ちな自分」が好きと思っているわけですが、裏を返せばお金持ちという条件を満たさなければ、自分のことを好きにならないということでもあります。

どんな自分でも好きでいる。たとえ貧乏だろうと不幸だろうとです。この自分に対する寛大さ、大らかさは非常に重要です。何度も言いますが、自分を好きでいると自分がうまくいくのです。

お金持ちになりたければ「お金持ちな自分」を好きになりましょう。モテたければ「モテる自分」を好きになりましょう。個別の願望はそうして叶えれば良いのですが、それは面倒だというなら自分を丸ごと好きになるといいのです。自分が丸ごとうまくいくようになるからです。

あなたは貧乏が嫌なのではありません。「貧乏な自分」が嫌いなのです。同様に、不幸が嫌なのではなく「不幸な自分」が嫌いなのです。モテないのが嫌なのではなく「モテない自分」が嫌いなのです。当たり前のように貧乏は嫌だ、不幸は嫌だ、モテないのは嫌だと感じていたと思いますが、全て「そんな自分が嫌だ」だったのです。

貧乏にしても、不幸にしても、モテないのにしても、その出来事自体に問題があるわけではありません。それを体験した自分が嫌なのです。体験せざるを得なかった自分と言った方が正確でしょうか。

「嫌だ」の矛先は出来事そのものに向いていたわけではなく、常に自分に向いていたのです。嫌な出来事そのものが嫌なのではなく、嫌な出来事を体験した自分の不甲斐なさが嫌なのです。信じられないかもしれませんが、貧乏や不幸であること自体は嫌なことではなかったというわけです。

貧乏や不幸にならざるを得ない、あるいはそのような境遇に置かれた自分が嫌なのです。その出来事にガッカリしたのではなく、その出来事を体験した自分にガッカリしたのです。なぜガッカリするのかというと、自分はそのような扱いを受ける程度の人間だと認識してしまうからです。

人に笑われた、人にバカにされた、人にからかわれた、人に軽んじられた。そんなとき、あなたは嫌な感じを受けるでしょう。その嫌な感じは、自分に対してそうした振る舞いをした人に向けられているのでしょうか。それとも、そのような扱いを受けた自分が情けないからなのでしょうか。その感情の矛先はどこに向いているのかを注視してみてください。

愛でもお金でも良好な人間関係でも何でもいいのですが、あなたが何かを渇望しているのなら、あなたは今現在のポジションに甘んじている自分のことが嫌いです。今の自分が嫌だから、進化した何者かになりたいというわけです。

それは愛されるに価する私かもしれません。大金を受け取るに価する私かもしれません。尊敬されるに価する私かもしれないし、丁重に扱われるに価する私かもしれません。

ここで言えることは、あなたがそれらを手にしていないのなら、自分で受け取るに価しないと決めているということです。だからこそ、受け取るに価する人間になろうとします。外見を整えるのも、能力を高めようとするのも、今の自分では受け取れないと思っていることの一端です。

今この瞬間に「○○な自分」がいることを認めるかどうかです。自分がどのような存在かを決められるのは自分しかいません。他人が決めているわけではないのです。もしあなたが不幸だと感じているのなら、それはこの瞬間に不幸な自分が存在することを認めているのです。

瞬間ごとに様々な自分が現れます。あなたが「アイツむかつく」と認めれば、その瞬間にその人のことを憎む、あるいはその人のことが嫌いな自分が現れるし、貧乏な自分を認めれば、その瞬間に貧乏な自分が現れます。

日常を過ごしていて、理由もなく自信が溢れているときもあれば、自信を失っているときもあるでしょう。その瞬間にどんな自分を認めるかによって、どんな自分が存在するかが変化するのです。気分の波は誰にでもありますが、その瞬間にどんな自分を認めているかが気分の波の正体です。

どんな自分が存在するかは瞬間ごとにコロコロ入れ替わります。自分もまだまだ捨てたもんじゃないと感じるときもあれば、自分は本当にダメな奴だと感じることもあるでしょう。このコロコロ入れ替わる自分の在り方が気分の波であり、現実と呼ばれるものです。

お金に関する思考が浮かんだとします。お金に対して自分はどう関係しているでしょう。友好的なのか敵対的なのか、たくさんあるのか、あまりないのか、良いイメージか悪いイメージか。「お金に対して自分はこういう立場にある」ということが瞬時に決まります。逆に言えば、これらの立場は瞬時に変えられるということでもあります。

願望は「このままでは嫌だ」から出てきます。このままでは嫌だというのは「このままの自分では嫌だ」です。今の現実が嫌なのではなく、今の自分が嫌なのです。そこを履き違えてしまうから、現実の方を変えようとしてしまいます。本当に変えたいのは、変えるべきなのは自分の方なのです。

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