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【読切版】Change the World 第10章~確かにあるものを信じて。

あなたは人生において「もうだめだ」と思ったことがあるでしょうか。恋愛関係の終わりを予感したような「もうだめだ」もあれば、脳裏に死がちらつくほどの「もうだめだ」もありますが、その深刻さを問わなければ一度も思ったことのない人は少数派ではないでしょうか。

事態の深刻さが極限まで達した、死を意識するような「もうだめだ」の状態から、人生がV字に回復した人たちは世の中に大勢います。そのとき彼らには何が起こったのでしょう。そして、それを願望実現に応用することはできないものでしょうか。

「引き寄せの法則」や「願望実現」に関する書籍やインターネット上の情報は数多くありますが、その著者やいわゆる「達人」と呼ばれる人たちの中には、生死を賭けた「もうだめだ」という状況にまで追い込まれた人が少なくありません。

少なくないというより、ほとんどがそうだったと言った方がいいかもしれません。そうでなければ必死に願望を実現する方法を模索しなかったでしょうし、結果として悟ることもなかったのではないでしょうか。彼らは生きるか死ぬかの瀬戸際で、何を見て何に気付いたのでしょう。

「あなたには世界最高の価値がある」そう言われて「当然そうですね」と答えることが、今のあなたにできるでしょうか。あなたが今どんなレベルの「もうだめだ」を感じていたとしても「あなたには世界最高の価値がある」。これはただの気休めではありません。

あなたはきっと謙遜して「そんなことない。自分よりスゴイ人は世界にいくらでもいるよ」と言うでしょう。ならば、あなたはなぜ他人によって、あるいは現実によって傷付いたのですか?あなたは自分の価値が傷つけられたと感じたから落ち込んでいるのではありませんか?

あなたは「世界最高の価値がある」はずの自分が、大切に扱われなかったことに対して落ち込んだり、怒りを感じたりするのです。その反面、あなたは「世界最高だなんておこがましい。自分にはそこまでの価値はない」とも思い込んでいます。

あなたの「自分にはそこまでの価値はない」という思い込みが、あなたから見れば「不当な扱い」を受ける原因なのです。その一方であなたは、自分には価値があることにも気付いています。もしあなたが本当に自分のことを価値がないと思っているのなら「不当な扱い」に対して怒ったりしないでしょう。心の底では「自分は不当な扱いを受けて当然なほど価値がない」とは思っていないのです。

他人からあなたに投げ掛けられた言動や態度。あるいはあなたの身に起こった理不尽な出来事や不運な現実。それに対するあなたの怒りや苦しみが深ければ深いほど、意外にもあなたは自分のことを高く評価しているのです。「こんなにも価値のある私が、なぜこんな目に遇わなければならないのか」というわけです。

厄介なのは、あなたは自分自身の価値に気付きながらも、それを認めることが悪いことであるように信じ込んでいることです。先程の質問をもう一度繰り返してみましょう。

「あなたには世界最高の価値がある」そう言われて「当然そうですね」と答えることが、今のあなたにできるでしょうか。

自分には価値があり、最も愛するに値する人物。それを認めることは、自分大好きな自己中心的人物のようだし、自信過剰野郎な感じがするし、勘違い野郎な感じがするし、そもそも何だか自分を褒めているみたいで恥ずかしい感じがする。

あなたは自分に価値があることを知っていながら、それを認めることを拒み続けてきたのです。そのくせその価値が傷つけられると途端に怒り出します。そうして周囲にイライラを撒き散らしたり、一人でガックリとうなだれるぐらいなら、むしろ勘違い野郎で結構だから素直に自分の価値を認めた方が良いと思いませんか?

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