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ジュニア育成のためのテニスコート考察Vol.6 ハードコートがない!?「解決策」の確認

皆さん、こんにちは。
「Change Court」記者のtakableです。

 この記事では、日本のサーフェス(テニスコートの種類)とジュニア育成の関係性について調べていきます。(2022.04.13現在)
※記事をより簡単に読んでいただくため表記に独自のルールを利用しています。

 今回の記事は、Twitterで繋がらせていただいた、「九州のパパさん」より「九州各地にハードコートを作りたい」、「九州にハードコートがない!」、「デコターフのハードコートを…!」という声を伺いました。
 そこで、今回は日本のテニスコート事情を一緒に確認しながら、下記3点を考察します。

・九州だけではなく日本にハードコートが少ない?
・日本育ちの子どもが将来、世界No1やGSタイトルを獲得するために、ジュニア育成に適したサーフェスはどのサーフェス?
・その他、サーフェスについての課題や解決策は?

 先の記事、ジュニア育成のためのテニスコート考察Vol.5「ハードコートでのプレーをしたい!」の「課題」の確認より、今のテニスコートの施設とコート数が減少しているが、テニス人口が増えている状況下で「どうやったらハードのシェア率を上げることができるのか?」です。

解決策は?

 「どうやったらハードのシェア率を上げることができるのか?」の課題に対する解決策は、下記の3つの行動が考えられます。
①新規にハードコートを「建設」する(土地取得含む)
②現在の施設にハードコートを「増設」する
③オムニコートをハードコートに「改修」する

 「言葉にするのは簡単だよ〜!」、「誰がそのお金出すんだよ〜!」、「オムニ好きなのに切り替えないでよ〜!」そんな声が聞こえると思います。

 先の考察により、日本のジュニア育成にはハードでの育成(練習や試合の環境)が大切だと確認しました。
 そこで、今回はサーフェスを利用する、「大会運営」、「施設」、「大会参加者」の3つの層の課題と解決策を考察します。
 この3つの層がサーフェスの正しい知識を基に、サーフェスの利用や建設・増設・改修を行うことが、今回の課題に対する解決に近づきます。

3つの層の課題と解決策の整理

・大会運営

 大会運営はハードがジュニア育成の環境として必要と感じている方も多いと思います。でも、「ハードで大会が開催しにくい…」、その原因は、ジュニア大会開催の施設は地方自治体の施設が多く「オムニならスケジュール通り試合を消化できる」という認識です。この理由は、下記3点です。

①16面以上あるハードよりもオムニを持つ地方自治体の施設が多い
②自治体の管理するコートは他の行事予定が埋まりやすく、雨天によるスケジュール変更が難しい
③オムニなら雨天でも開催ができる

 上記により、大会運営の課題は、「ハードではスケジュール通りに大会を終えることが難しい」です。
 先の記事により、雨天の影響はハードもオムニも条件は同じですので、大会運営の解決策は、「地方自治体の施設がハード数を増やす」です。


・施設

 「民間事業者」と「地方自治体」の施設が、どのような理由でサーフェスを選択しているのかを確認します。選択理由に対する区分を下記4つに区切り一緒に確認します。

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①民間事業者

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 民間事業者のサーフェス選択理由は、区分では利用者(リクエスト)と施設(コスト)が選択の理由です。この中で注目したい部分は、推奨(レコメンド)でオムニが「テニス協会からの推奨」が40%に対してハードは2.7%、「強化・育成の観点から」はハードが29.3%に対しオムニは2.2%になっています。

 この結果から、民間事業者で「ジュニア育成・強化」を行うテニスクラブはハード、ジュニアの育成・強化よりも「テニスを楽しむ」がテーマのテニスクラブはオムニであると考察できます。

②地方自治体

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 地方自治体のサーフェス選択理由は、関与なし(インタレスト)と利用者(リクエスト)が選択の理由です。この中で注目したい部分は、ハード、オムニ共に選択理由が「わからない」が一番多いことです。
 また、施設(コスト)や推奨(レコメンド)は少なく、どちらのサーフェスも「強化・育成の観点から」が低くないっています。

 この結果から、地方自治体はサーフェスに関して特に興味がなく「利用者の要望(リクエスト)が多いサーフェスを選ぶ」ことが考察できます。

 2種類の施設とサーフェスの選択理由を比較して考察した結果、施設は「サーフェスに対する正しい知識と興味が少ない」が課題です。施設の解決策は、「施設と利用者に対して正しいサーフェス知識の共有」です。

・大会参加者

 今回の考察で利用する大会参加者の定義は、大会に出場する選手(子どもたち)と、父兄や指導者・コーチの方々を指します。
 12歳以下の大会に出場する大会参加者の1人や少人数の方々が「オムニじゃなくってハードがいい!」と主張しても、変更が難しいです。
 大会参加者の課題は施設にお願いをしても「利用者(リクエスト)が少数のため、施設に対して意見が通りにくい」です。
 大会参加者の解決策は、「施設の管理者・責任者にハードの必要性を納得する材料を伝える」ことです。
 

考察のまとめ

・課題の整理

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・解決策の整理

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 以上の考察により、3つの層の「課題」と「解決策」の整理をしました。結論として、「どうやったらハードのシェア率を上げることができるのか?」に対する解決策は、「大会参加者が施設と利用者に対して正しいサーフェスの知識と必要性を伝えること」です。
 その中で、話が一方通行になるのではなく、お互いのテーマ(共通認識)を確認しながら、一緒にハードのシェア率を高めていくことが大切です。

テーマ(共通認識)!?

 今回は、「大会運営」、「施設」、「大会参加者」の3つの側面から課題と解決策を確認しました。
 その対象となる施設は、面数が8面~16面以上のコートを建設できるパワーのある民間事業者、または地方自治体とその施設を利用する「利用者」に対してサーフェスに対する、正しい知識の共有が大切です。

 「俺はジュニアのことなんて関係ないなぁ〜。」、「今まで通りオムニがいいんだよ〜。」、「ハードじゃ怪我しちゃうよ〜。」このようなご意見もあると思います。

 テニスを通じたテーマのゴールは「テニスを通じて活動的な人生を過ごす」ではないでしょうか?
 
 このテーマに対して、子どもたちが「怪我をして悲しんでたり」、「県代表になったのに地区大会や全国大会で勝てなくって悔しかったり」、「テニスが嫌いになったり」することを願うことはあってはいけないと思います。
 施設の回答が「わからない」が多数であったり、要望している側の知識の不足により、今後テニスをプレーする方々が「テニスによる影響で活動的に人生を過ごすことができない」というきっかけを作らない為にも、サーフェスに関する正しい知識を身につけ、今後のテニスの発展につなげていくことが必要ではないでしょうか?
 
 小さい地域から、子どもたちを一緒に育て、テニスを通じたコミュニティを形成し、テニスを通じて活動的な人生を過ごすきっかけ作りを目指しませんか?
 僕の故郷では、野球の松井秀喜さんが甲子園→プロ野球→MLBへで活躍をしました。松井さんの活躍は子どもだけでなく、大人にも活力を与えてくれました。それは、石川県だけではなく日本全体、そしてアメリカにも浸透しました。

 松井さんは野球の例えですが、自分たちの地域から世界で活躍するテニス選手が生まれて「誇らしくなったり」、「次の試合が楽しみになったり」、「次の新しい選手を期待したり」することは素敵ではないでしょうか?

 テニスをプレーする以外にもテニスを通じて、人生は活動的になっていきます。「テニスを通じて世界どこでも活動的に人生を過ごすきっかけづくり」というテーマを持って皆さんと一緒にハードコートのシェア率の向上ができると嬉しいです。

 ジュニア育成のためのテニスコート考察は以上です。次の記事は「ジュニア育成のためのテニスコート考察まとめ」を記載します。


〜CC(Change Court)について〜
 CCは、テニスのジュニア育成に関する問題や課題を解決していくための考察記事です。
 「うちの地区こんな問題があるんですが…」、「これは正しいのかなぁ!?」、「これってどうしたらいいでしょうか?」そんなテニスのジュニア育成に関する悩みや課題を解決できるきっかけを皆さんと一緒に考察します。
 

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