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ジュニア育成のためのテニスコート考察Vol.5「ハードコートでのプレーをしたい!」の「課題」の確認

皆さん、こんにちは。
「Change Court」記者のtakableです。

 この記事では、日本のサーフェス(テニスコートの種類)とジュニア育成の関係性について調べていきます。(2022.04.06現在)
※記事をより簡単に読んでいただくため表記に独自のルールを利用しています。

 今回の記事は、Twitterで繋がらせていただいた、「九州のパパさん」より「九州各地にハードコートを作りたい」、「九州にハードコートがない!」、「デコターフのハードコートを…!」という声を伺いました。
 そこで、今回は日本のテニスコート事情を一緒に確認しながら、下記3点を考察します。

・九州だけではなく日本にハードコートが少ない?
・日本育ちの子どもが将来、世界No1やGSタイトルを獲得するために、ジュニア育成に適したサーフェスはどのサーフェス?
・その他、サーフェスについての課題や解決策は?

先の記事、ジュニア育成のためのテニスコート考察Vol.4オムニとハードコートの「概念」の確認により、オムニとハードの意識の整理をしました。

 まずは、前回の記事より「概念」とオムニとハードの選択の理由です。

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 上記の結果、オムニ3メリットは必ずしも正しいとは限らないことが理解できました。では、今後「ハードコートでのプレーをしたい!」と思った時の「課題」は何か?を皆さんと一緒に考察します。


ハードコートでもテニスをしたい!けど、、、近隣に、、、


 今回は、上記の「けど、、、近隣に、、、」の部分を「課題」として考察します。

「けど、、、近隣に、、、」が発生するケース
①ハードコートがない
②ハードコートの数が少なく利用されている(予約で埋まる)
③スクールやクラブにハードコートがあるが、レッスン利用のみ、またはコート代が高い。

 ここから、子ども達(12歳以下)とテニスをしたい!と思った時、利用するテニスコートは、民間事業者(テニスクラブやスクール)、地方自治体(県営や市営)の施設にあるテニスコートと仮定して考察します。今回も伊達さんの著書(2018年のデータ)を中心に、データを抜粋しCC独自の解析を行います。

日本のテニスコートのサーフェスのシェア率

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※日本全国の施設とコート数ではありません。今回は施設数とコート数の全国的な割合をざっくりと確認するために利用しました。

 上記の表より、施設ではオムニ率が50%を超え、ハードとクレーは同等のシェア率であることが理解できます。

 下記表はオムニ、ハード、クレーの1施設に対するコート面数の表です。

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 ハードを借りたいと思った時に、ハードの面数で一番割合が多いのは、2面(32.3%)の240面であるのに対して、オムニは6~10面が(23.5%)で1,362面で5倍以上面数が違ってきます。

※6~10面、11~15面、16~20面のケースは正確なコート面数がわからないため、ミニマムの面数で算出しました。
(例)6~10面は6面、11~15面は11面、16~20面は16面で算出

 この数値から考えられることは、近隣にハードがあっても1施設で2面に対して、オムニは1施設に6~10面あるためコートを借りやすいことが考えられます。

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 施設とコート数をまとめた表を上記に作成しました。上記の表より、オムニが3サーフェスで一番普及率が多く施設数では56.8%、コート数では65.1%で1番多いことが理解できました。ハードとクレーのシェア率はほとんど変わらないことが確認できました。


いつからオムニが主流になったのか?

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 まずは、4つのサーフェスがいつ頃から利用されたのかを調べました。ハードは情報が見つかりませんでした。(ご存知の方いらっしゃいましたら教えてください!)
 
 オムニは日本の住友ゴムが1980年代に開発した商品です。サーフェスの中で最も後発である1980年のオムニ開発以降どのように、オムニが日本のテニスコートのシェア率約50%を達成したのか確認します。

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 上記の表は2001年の経産省の「テニス場の概況」を参考に作成しました。(赤マークは最大値、青マークは最小値)オムニは発売から10年でのシェア率は18%でした。今から30年前の1990年代以前はハードコートが日本の主流だったことが理解できます。そこから9年間でシェア率はハードコートとオムニがほぼ一緒になりました。
 オムニが日本のテニスコートの主流になったのは、2000年以降であると確認ができました。

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 2001年と2018年のテニスコートのシェア率を比較すると、この17年間でオムニが12.2%増加したのに対して、ハード17.4%、クレー5.4%とシェア率が減少しました。
※「その他」は、2000年頃から室内のカーペットが増えたことが要因です。

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 上記の表からすると、「オムニが増えただけで、ハード減ってないんじゃないのー?」と思われると思います。

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 上記の表より、日本のテニスコートの面数、施設数共に減少していることが確認できます。
 その結果、下記3点が考えられます。
①ハードやクレーのコートの施設が減少している
②ハードやクレーの改修時期にオムニに切り替えている
③オムニから他のサーフェスに切り替える施設は少ない

課題の整理

 今回の記事の目的である「課題」を整理します。施設やコート数が減少しているのに対して、テニス人口は増えています。この結果、サーフェスに関係なく、テニスをしたいと思った時に、「コートが借りれない」という課題が発生します。

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 この状況で、オムニが発売され40年でシェア率は50%まで伸び、ハードとクレーは20%減少しました。
 この結論として、今回の課題は今のテニスコートの施設とコート数が減少しているが、テニス人口が増えている状況下で「どうやったらハードのシェア率を上げることができるのか?」です。

 次の記事では、この「課題」に対してCC独自の解決策をみなさんと一緒に考察します。


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 CCは、テニスのジュニア育成に関する問題や課題を解決していくための考察記事です。
 「うちの地区こんな問題があるんですが…」、「これは正しいのかなぁ!?」、「これってどうしたらいいでしょうか?」そんなテニスのジュニア育成に関する悩みや課題を解決できるきっかけを皆さんと一緒に考察します。
 

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