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ジュニア育成のためのテニスコート考察Vol.4 オムニとハードコートの「概念」の確認

皆さん、こんにちは。
「Change Court」記者のtakableです。

 この記事では、日本のサーフェス(テニスコートの種類)とジュニア育成の関係性について調べていきます。(2022.3.30現在)
※記事をより簡単に読んでいただくため表記に独自のルールを利用しています。

 今回の記事は、Twitterで繋がらせていただいた、「九州のパパさん」より「九州各地にハードコートを作りたい」、「九州にハードコートがない!」、「デコターフのハードコートを…!」という声を伺いました。
 そこで、今回は日本のテニスコート事情を一緒に確認しながら、下記3点を考察します。

・九州だけではなく日本にハードコートが少ない?
・日本育ちの子どもが将来、世界No1やGSタイトルを獲得するために、ジュニア育成に適したサーフェスはどのサーフェス?
・その他、サーフェスについての課題や解決策は?

 先の記事、ジュニア育成のためのテニスコート考察Vol.3 「ハードコートがない!?の真の原因」の確認より、オムニ3メリットは、「身体の負担」、「天候を考慮」、「利用者の要望」でした。このオムニ3メリットをハードコートと比較(対比)して確認することで、両方のコートに対する「概念」をみなさんと一緒に確認していきます。

 現状の意識として、オムニ3メリットとハードの比較表を下記に作成しました。 

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 この概念が違っていたら大変だー!?と感じるでしょうか?、「別にびっくりもしないけど、オムニ好きだしこれからもオムニ使っていくよー!」、「ハードも使ってみようかな」、「もっと早く知っておけばよかった…」など、今回の考察結果によって、オムニやハードの特性を理解した上で、「コートを利用をしている」と「していない」では、お子さんの育成や普段のプレーが少し変化すると思います。

今回の考察

 ハードに対して「デメリット」を感じる方のご意見を勝手にフィクション化して考察します。以前の記事(「無理無理オジサンとtakable対話編~無理無理からモチベーターへ~」)、で登場していただいた、無理無理が口癖の無理無理おじさん、通称「オチさん」と僕の対話形式で確認していきます。(お名前同じ方、申し訳ございません!イメージとしてご利用させてください!)

「テニスコート対話編」


〜設定〜
 6月下旬の梅雨時期に先輩のオチさんと翌日テニスを予定しています。コート予約を頼まれていたのですが、いつものオムニがとれず、ハードになってしまったという電話をしている設定です。

〜Chapter1〜 "天候"
オチさん:「え〜!?明日ハード?いつも通りオムニにしてよ〜!」

Takable:「オチさん、申し訳ないです!いつものオムニ取れなくって…」

オチさん:「この梅雨時期で雨降ったらできないじゃんかよ〜!しかもハードなんてオムニより熱いだろ〜!」

Takable:「そうですよね〜。梅雨ですし、ザーザー降りじゃ厳しいですが、雨上がればハードならすぐにできます!そして、オムニとハードって熱さあんまり変わらないらしいですよ?」

オチさん:「無理だよ無理〜!ハードは雨降ったらできないし、オムニより熱いょ〜!」

Takable:「なぜか、そういうご意見の方多いですよね〜。先輩どの程度の雨だったら明日テニス中止にします?」

オチさん:「ん〜どうかなぁ〜。ザーザー降りだったら中止かな?パラパラ、ポツポツくらいならやるだろ〜」

Takable:「そこの判断ってグレーゾーンで難しいですよね〜?」


・テニスを中止にするか悩む雨量のイメージ

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参考リンク

 上記の表より、 「0~3ミリ」の雨量がグレーゾーンだと思います。0~3ミリも幅広いなぁ〜と思いますので、下記を参考にして考察します。
 外でテニス可能な雨量は「1ミリ」の「地面は少し濡れるくらい、傘を刺さなくても我慢できる程度」と仮定して、CCでの総称をポツポツと表現をして話を進めます。

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Takable:「ポツポツ雨だとオムニの方ができるかもしれませんが、ハードでもできますよー!気温も高いので地面に雨が当たってもすぐ乾きます!」

オチさん:「そんなことねーだろ〜!オムニの方が水捌けいいに決まってんじゃんか〜!芝だもん!」

 Takable「僕もそう思ってたんですが、カナダ住んでた頃、ハードだったんですよ〜。ポツポツ位の天候だと、テニス仲間が水切り持ってきて、雨上がったら水切ってプレーしてたんですよ〜。ハードって水さえ切ってしまえば普通にプレーできたんです。オムニは絨毯のように雨を一旦吸い込んじゃうので、ザーザーぶりの後のオムニは水溜りできたり乾くまで時間がかかりますが、ハードって水溜りができても”必殺水切り”で水を切ってしまえば、すぐ乾きます!」

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ハードコートの雨対策「必殺水切り」

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オチさん:「なるほどねぇ〜。まぁ水を切っちゃえば、ポツポツ雨ならハードもできるってことね!でもさぁ〜、熱さがあるじゃん、太陽光反射して熱いだろー!オムニは照り返しもないし涼しいじゃん!」

Takable:「そうなんですよね〜僕もハードって熱いんだろうなぁ〜って思ってたんですよ〜!夏場とかハードから、もやもや陽炎出ますもんね〜」

オチさん:「そうだろ〜!ハード無理だよなぁ〜!やっぱオムニだよ〜!」

Takable:「そうだと思ってたんですけど、まさかのオムニもハードもあんまり熱さ変わらないみたいですよ!?」

・地面の表面と体感温度の算出

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 体感温度 = (気温+床温度)÷2で算出しました。ハードの分析結果はなかったので、コンクリートとアスファルトで比較をしました。実際はコンクリートやアスファルトの上に樹脂を3~6層程度塗るので暑さはオムニと同等またはそれ以下が考えられます。


オチさん:「えぇ〜信じられないけど、意外な結果だなぁ〜。」

Takable:「そうなんですよ〜。炎天下では熱中症があるのでテニス中止した方が安全ですが、雨でも熱くても、ハードでテニスできますよ〜!」


〜Chapter2〜 "身体の影響"
オチさん:「天候はそうなんだろうけどさっ!でも、身体の影響もあるじゃん!オムニは適度に滑るし、芝だから身体の負担も少ないでしょ!やっぱオムニだよ!ハードは硬いし、滑らないし、ボールは跳ねるし身体の影響大きいじゃん!怪我したくないしなっ!」

Takable「みなさんそう言いますよねぇ〜!意外とその概念少し違ってたらどう思います!?」

オチさん:「そんなことないだろ〜。オムニは身体に優しいって誰でも知ってるよ〜!」

・スポーツ活動を行う上での傷害の発生要因の整理

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 サーフェスでの怪我の要因は、人工環境による外的要因です。サーフェスの影響により、下記の傷害が発生するリスクが高いです。

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 サーフェスの滑りやすさの観点から、スポーツに関係なく下肢への損傷が半数を超えます。下肢(かし)の傷害を減らすには、滑りにくい環境(グリップが効く)のサーフェスでプレイをすることが解決になります。
 この結果、オムニの滑りやすさは「身体に影響がないとは言えない」ことがわかってきます。

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オチさん:「まぁ、ハードでもオムニでも怪我はするってことでしょ!そりゃスポーツやるんだから怪我はつきものよ〜!」

Takable:「そうなんですよ〜!オムニもハードも、どっちも怪我するときはします!疲労も蓄積します!そもそも、オムニもハードも基本的に構造は似ているみたいですよ!」


〜Chapter3〜 "オムニとハードの構造や原料"

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 オムニもハードもシューズやボールと接触する最後の表面部分が違う構造になっています。人工芝も合成樹脂ですので、オムニとハードは樹脂の種類の違いだと確認できます。
 それぞれの厚さは、オムニの芝は19mmまたは25mm、ハードは1mm~2.5mmです。厚みは違いますが、どちらのコートも「硬い」という性質を持っています。

・樹脂なんてわからないよー?と思う方に、イメージ共有

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オチさん:「なるほどなぁ〜。基本は同じで、表面の樹脂の違いねぇ〜。となると別にハードでもいいけど、慣れてないから不安だよなぁ〜」

Takable:「そうですよね〜!先輩オムニでプレーできてるのでハードでもできますよ〜!オムニって滑るという意識があるから、無意識のうちに、足が細かく動きますが、ハードならもっとダイナミックなプレーできますよ!モンフィスかと思うくらいの動きお願いします!」

オチさん:「一回試してやってみるかぁ〜!」

※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。

-完- 


オムニでのテニスのイメージ

 「スケートリンク」や「凍っている道路」の上で刃(エッジ)やスパイク性のものがないスニーカーでテニスをプレー、または、通路の上に、ワックスや油など「滑りやすい通路」をイメージください。そこを通過するとき、滑ったときどうなるでしょうか?

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ケース①転げずセーフ!
 滑らない、グリップのきく場所を見つけて足を移動させる!セーフ!!!

ケース②足をバタバタさせながら、必死にセーフ!
 滑らない、グリップのきく場所を見つけた!または、そのまま同じ場所で耐えることができた。この場合、下肢意外にも上半身を支える「腰」が怪我する恐れがあります。

ケース③ステーンと転んでしまったー!
 足をバタバタして着地を試みた場合は、上記と同じく「腰」、そして、着地の際に「上半身」を強打することが考えられます。
 足をバタバタせず、足が開脚気味位に転んでしまうことで、「下肢」の怪我につながります。

 オムニはケース②と③のリスクが存在します。この影響で、理想的なフォームでは打つことが難しく、身体の違う部分を使ってしまうことで、怪我に発展していくこともあります。


 最後にまとめます。決してハードだから「身体にいい!」、「怪我をしない!」、「熱くない!」ということではなく、今回のテーマである2つのサーフェスに関して概念整理をさせていただきました。

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 決してハードが悪いということではなく、オムニの影に潜むリスクを少し解説することで、オムニとハードの概念を整理しました。

 次回の記事では、今後「ハードでのプレーをしたい!」と思った時の「課題」は何か?を皆さんと一緒に考察します。



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〜CC(Change Court)について〜
 CCは、テニスのジュニア育成に関する問題や課題を解決していくための考察記事です。
 「うちの地区こんな問題があるんですが…」、「これは正しいのかなぁ!?」、「これってどうしたらいいでしょうか?」そんなテニスのジュニア育成に関する悩みや課題を解決できるきっかけを皆さんと一緒に考察します。
 

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