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性の多様性について声を上げたキャンペーン

6月は、プライド月間(Pride Month)です。

1969年6月にアメリカのニューヨークで起きた「ストーンウォールの反乱」を記念し、LGBTQのコミュニティや文化、歴史を称える月として、プライド月間には世界各地で様々なイベントや取り組みが開催されます。

そこで、まだ梅雨空が続く6月の最終日に、ここ数年の間に性の多様性について声を上げたキャンペーンをいくつかご紹介します。

不要な性別欄、無くす動きへ

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若い世代の労働問題に取り組むNPO法人POSSEと総合サポートユニオンが、性別記入欄によって困難を抱えるセクシュアル・マイノリティの状況を改善し、不必要な個人情報を尋ねる日本の就職活動の「当たり前」を変えるために、今年2月にキャンペーン「履歴書から性別欄をなくそう #なんであるの 」を立ち上げました。8,000を超える署名は、本日6月30日に経産省へ提出され、経産省が「JIS規格」を発行している日本規格協会に行政指導を行うことになりました。なにげない性別欄によって生活が妨げられる同様の例として2019年には投票所入場券の性別記載廃止を求めるキャンペーン「トランスジェンダーが安心して投票できる社会を目指して」が立ち上がり宮城県内の環境改善につながりました。

制服を選べるようにしてほしい

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江戸川区に住む高校生のくろまるさんはトランスジェンダー男性で、中学時代には女子制服のスカートを履かなくてはいけませんでした。「あのとき、制服を選択できる余地があれば、僕の3年間、最初から最後まで苦痛でしかなかった中学校生活の大部分の苦痛は解消されていたことでしょう」と語るくろまるさんは、自分と同じように苦しむ生徒を少しでも減らしたいと願ってキャンペーン「江戸川区の制服を選択制にしてください!」を2020年6月から開始しました。2019年には栃木県のLGBT支援団体「S-PEC(えすぺっく)」がキャンペーン「栃木県内の全中学・高校で誰もが選べる制服を導入してください!」を立ち上げ県知事へ署名提出。栃木県立学校での制服選択制が見事決まりました。他自治体でも成功事例が続くか注目が高まります。

議員の差別発言に声をあげる

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「LGBTの人たちは生産性がない」と雑誌に寄稿した自民党の杉田水脈議員に対して、LGBT当事者の子を持つ家族有志はキャンペーン「LGBT差別を繰り返す杉田水脈議員は子どもたちを苦しめています。自民党は謝罪会見を開かせてください」を立ち上げ、2018年8月に自民党本部へと署名提出を行いました。「私たちの子どもを不幸にするのは、LGBTであることではなく、LGBTに対してこのような差別をする人たちがいるからです。」と発信者は綴っています。2019年には鹿児島市議会でLGBTへの差別発言が行われたことからキャンペーン「鹿児島市議会・自民みらい会派のLGBTへの差別発言の撤回と謝罪・LGBTへの正しい知識の習得を求めます!」が立ち上がりました。

渋谷区「同性パートナーシップ証明書」の実現

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2015年2月に立ち上がった「渋谷区応援!みんなにやさしい日本を目指して、『同性パートナーシップ証明書』を実現してください!Let's take action and make a change starting from Shibuya! 'Same-sex partnership certificate'」は、11,399の署名を集め、同年3月31日、日本初の同性パートナーシップ証明書発行を含む、LGBTQの権利擁護や理解促進を推進する条例案が可決されました
「この条例案成立はゴールではなく、渋谷区にとっても、他の自治体にとっても、日本にとっても、大きな第一歩であり、まさにスタートラインです。これからが本番。より丁寧な運用方法や、LGBTに対する情報や知識の提供など、コツコツ小さな一歩が続いていくことになります」とキャンペーン発信者は可決翌日の4月1日に賛同者に報告しました。

愛する人との結婚を選べる社会に

キャンペーン_·_日本でも同性婚を!だれもが「愛する人との結婚」を選べる社会にするために、私たちの訴訟を応援してください!_·_Change_org

2019年1月に一般社団法人「Marriage For All Japan —結婚の自由をすべての人に」が立ち上げたキャンペーン「日本でも同性婚を!だれもが『愛する人との結婚』を選べる社会にするために、私たちの訴訟を応援してください!」には、3万6,527の署名が集まっています。
コロナ禍のLGBTQやその家族、同僚や友人などの関係者の方々が実際に抱える困難や不安の声を集めるために、同団体が4月に行ったアンケートではパートナーとの関係が保障されていないために、「入院・緊急・万が一の時に連絡がとれるか(家族扱いしてもらえるか)不安」と4割の人が回答しています。
キャンペーン発信者は、「多様な家族のあり方が認められることは、LGBTの人に限らず、いろんな人が、今よりもっと生きやすく、もっと幸せに暮らせることにつながると思っています。」と賛同を呼びかけています。

テイラー・スウィフトが目指すLGBTQを守る平等法の成立

キャンペーン_·_Support_the_Equality_Act_·_Change_org

米国のグラミー賞受賞歌手テイラー・スウィフトさんがLGBTQを差別から守る「平等法(Equality Act)」の米国議会上院通過への支持を集めるキャンペーン「Support the Equality Act」を2019年6月1日に立ち上げました。現在80万近い賛同が集まっているキャンペーンへの署名を呼びかけるミュージック・ビデオ「You Need To Calm Down」がMTV ビデオ・ミュージック・アワードを受賞した際にも「誰を愛するかや性自認に関わらずに誰もが法のもとに守られるべき」と述べたスウィフトさん。故郷であるテネシー州の上院議員に送った手紙をツイッターで公開し、8,500万を超えるフォロワーたちにも自分の州の上院議員へ手紙を送ることを呼びかけました。

オンラインイベント「性のモヤモヤ、コトバにしよう!」を開催

#KuToo 、性犯罪刑法改正、ブラック校則におけるジェンダー差。あるいは、LGBTQへの差別・偏見、男性の育児休業取得、婚姻の平等。Change.orgではこれまでも、「性」に関連したキャンペーンが多数立ち上がってきました。

「性」に関して声をあげるのはなかなか大変です。
 自分の気持ちを身近な人としゃべるのも、勇気がいります。

そこでChange.orgでは、ジェンダーやセクシュアリティ、性をテーマに、互いの気持ちや状況をシェアしながら、変えたい思いをかたちに変える無料オンラインイベント「性のモヤモヤ、コトバにしよう!」を6月20日に開催しました。

これからも一人ひとりの意見や思いが形になり、よりより社会につながるよう様々な企画やイベントを実施していきます。