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#12 ちゃんぬこの走幅跳を考察する②

こんにちは。

修士論文を提出し、発表も無事終了しました。特に不備もなくあっさり提出できて一安心です。

さて、前回はプロフィールを公表する名目で自分語りをさせていただきました。二部構成なのにこんなに間が空いてしまうのはよくない結局(三部構成になったのは秘密)。今回は私がどうやって走幅跳をやっていたかについてです。書いているうちに的外れなことを書いていないかとか、語弊がないかとかで、かなり投稿までに時間がかかってしまいました。かなり主観的でセオリーから外れたようなことを書いている部分がありますが、一選手の理解の仕方や内的感覚のフィルターを同時に味わってもらえたら幸いです。

「楽に走る」ことがスピードを補った

①で晒した通り、私は走るのが遅いです。

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この表だと100mの記録を見ると6m、走幅跳の記録を見ると大体11秒3くらいです。幅跳び選手から見るともうちょい跳べそうかな、という感じはしますが。私はスタートの技術がないので、それを差し引いて実質的な走力が11秒7~11秒8くらいあると考えても、6m40くらい。ではなぜ一般的な期待値以上の記録が出せたのか、それは楽に走る技術があるからだと思っています。

上手に踏み切るには、リラックスした状態で踏切に入る必要があります。なので、よく助走は全力の90%くらいで走れと言われます。私は、これは厳密には本質をついていないと思います。ここで注目すべきは「努力度」だと考えています。

出力より努力度で考えた

努力度はざっくり言うと、その速さで走るのにどれくらい頑張るかです。同じスピードでも努力度が低い人の方が楽に走れるということです。つまり、なるべく低い努力度で自分の100%に近いスピードが出せるようになれば、リラックスした状態でより大きな速度を持って踏切に入れる。

そのためには、無駄な力を使わずにリラックスした状態で速度を出す必要があります。それを身につけるには、200m~300mくらいの距離をいかに楽に走れるか模索しながら走る練習が効きました。私は高校の時300+200+100みたいなメニューが頻繁にあり、なるべくタイムを落としたくなかったので楽に走れるよう常にリラックスを意識していました。それが結果的に今の助走の力感につながっている気がします。

いい姿勢で地面に大きな力を伝える

少ない力感で助走するために、いい姿勢と上から踏む接地を重視しています。基本的に楽に助走するためには、大きな力が出せる股関節周りの力が使えるかが鍵になってくると思っています。しかし、背中が丸まっていたり腰が抜けていたりすると膝を使って地面を押す形になります。これでは思ったより力が発揮されないし、リラックスもできない。

まっすぐの姿勢を意識することで体に効率よく力が返ってきます。一歩一歩パワーポジションを意識することで自然と体が前に押し出される感覚が得られ、楽に大きな力が発揮できます。そして、この押し出される感覚が中間疾走のリラックスにつながってきます。

反対に、この姿勢がしっかり取れないとどうしても走りに力感が出てきてしまいます。あるいは、補助助走で最初の加速のしづらさをごまかしてピッチばかり上がる走りになる場合もあります。リラックスしているけど進まない。

上から踏む接地

そして、地面にしっかり力を伝えられる抜けない接地も効率的な力の伝達に必要だと思います。地面をしっかりと押すためには、つついたり引っ掻いたりする接地では力を加えられない。私はしっかりと上から踏んでそこに乗り込んでいく接地を大切にしています。

フォアフット接地やフラット接地と呼ばれるものがあります。どちらがいいかについて、個人的には、力を加えやすい位置で決めるのがいいのかなと思います。ただ、どちらにせよ「上から踏む」意識は同じだと思っています。フォアで力をかける接地と、つついたり引っ掻いたりする接地は別物だと思います。私はどちらかと言うと拇指球あたりで力を加えるのがやりやすいけど、意識はフラットを心がけています。結果的にはフォアで力をかけているけど、フラットに近い踏み方をすることで接地が抜けなくなりました。しっかりはまった時は、傾斜の強いスパイクでも足裏全体で地面を捉えている感覚があって、その助走ができると踏切の乗りもよくなりました。

助走が大切

なんだかんだ、試技の成否は助走で決まります。なので、幅跳びを伸ばそうと思ったら幅跳び選手なりに走りを磨く必要があると思います。私も短距離選手からすれば決していい走りではないし、走りを磨く観点も少ない。でも、世のスタンダードとされるコツを自分なりに掴むことが、走力以上の記録を出すことに繋がったと思います。

長くなりすぎるので、二部構成の予定でしたが三部構成にしたいと思います。本当は助走もまだまだ書き綴っておきたいことがたくさんあるけど、読んでもらうことを目的としているので、ここまでにします。とりあえず次は踏切です。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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