2024/03/23｜望まない非日常に備える
一人暮らしを始めてから約4年、いつかは買わねばと思いつつ後回しにしていたものの一つに防災グッズがある。
いかにも鈍重な見た目のリュック、ずっしりパンパンに詰まった防災グッズたち。いざ災害時に使うには気が滅入りそうなデザインばかりで、しかも高い。楽天でたまに検索してはあまりのイケてなさに絶望し、結局や〜めた、の繰り返しになっていた。
防災グッズはデザインより機能性のほうがはるかに大事なので、使いやすさを譲ってまで「イケてる」を求めたくはない。しかし有事のときでも努めて平常心を維持できたほうがいろいろと捗りそうなので、デザインや開けたときの気分を蔑ろにするのも嫌。
以上の理由で「いい感じの」防災グッズが見つかるまでは保留！と悠長なことを言っていたら、年始に能登が揺れ、ここ数日は関東もしょっちゅう揺れてる（ここまで書いている最中も一度グラッとした）。
いよいよ早めに準備せねば……3.11から何年目とかで今ちょうど需要増えてそうだな……と焦りを感じ出した矢先、今日たまたま銀座の「IZAMESHI Dish」というカフェでお茶をする機会があった。
普通のメニューを出すカフェでもありながら、非常時を想定した長期保存食を店頭販売していて、なかなか興味深く、帰りにいくつか保存食をお買い上げしてしまった。
パッケージの雰囲気はニシキヤキッチンとか無印みたいにおしゃれなのに、どれもこれも3〜5年はもつし、その割にお値段は良心的だ。
そしてなんといってもメニューの豊富さが熱い。
豚の生姜焼きにカレーうどん、ハンバーグ、おもち、ラーメン、おかゆにパンにスープなど、選ぶのもカジュアルに楽しめる。普通におなか減ったら食べちゃってもいいくらいの雰囲気がある。下手したら避難所で酒盛りが始まりそうな缶詰とかもたくさんあった。
右はIZAMESHIのECで売ってた7年保存2L×8本
水ひとつとっても普通の長期保存水とはまるで雰囲気が違い（箱の中身も当然シュッとしている）、しかも右のほうが安かったりする。水の量も保存期間も多いのにお得！ すごい！
考えてみれば災害時だからってカンパンばっか食って口ん中パッサパサにしなきゃいけない決まりはない。しょっちゅう災害が起こるこの国だからこそ、非常時にもうまいものを食えるよういろいろ開発したほうが絶対にいい。納豆やこんにゃくを編み出したあの頃（どの頃？）のフロンティア精神を思い出せ。
家に帰ってきてから「今こそチャンスでは？」と思い、店頭に置いてあってなかなかおしゃれだった防災リュックを楽天でオラッッッと注文した。
細々といろいろ揃ってるぶん涙出るほどたっっっっけえ〜〜〜〜〜。望まない非日常にあらかじめ支払っておく額としては正直かなり痛い。同じくらいの予算でパーソナルカラーと骨格診断も受けられちゃうじゃないか。アイドルのライブなら2.5回分だ。
私は精神的負荷がかかるとトイレが近くなるので簡易トイレをいくつか付け足し、高い高いと呻きながら注文ボタンを押した。
今が年貢の納め時なのだと信じるしかない。届くまでの間、どうか何も起こってくれるなよ。
今日一緒に遊んだ友人は今めっちゃ近所に住んでいて、災害時の避難所も同じなので非常に心強い。
いざというとき彼女におんぶにだっこというわけにゃいかん！と義務感が芽生えたことも、防災リュック購入の十分すぎる後押しとなった気がする。
買った保存食は何かあったら2人で開けようぜと約束した。
何もないに越したことはないが、避難所で食べてたら「こいつらシャレたもん食ってんな」と周りに思われそうなくらい良い買い物をした。
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