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プロダクトマネージャーとしてのHR

Scrum Inc. JapanでHR Scrum Masterとして活動しています、庭屋です。
Agile/Scrumの考え方、マインドをエンジニアだけではなく組織全体に広めることで、良い組織づくりの材料にしてもらいたいと思い日々活動しています。
今回は、人事の人間がより良い人事施策を実行するために「プロダクトマネージャー(以下PdMとする)」やプロダクト開発の考え方を知ると良いと感じているため、今回はLinkedinの記事を翻訳しました。
元記事:https://www.linkedin.com/pulse/hr-from-lens-product-manager-varun-tandon/

従業員中心の効果的な施策を実施するために必要なPdMの考え方

私たちは日々、素晴らしいプロダクトに囲まれています。シンプルなペンからスマートフォン、そして車など。
これらは私たちの生活の本質的な部分の課題を解決したりニーズを満たしたりしています。これらのプロダクトを作る組織は明確な理想とプロセスを持つことによって作られる。組織内のHRの役割も同様です。
HRの機能は良い顧客(HRからすると従業員や潜在的候補者)体験を生み出し、リーダーがビジネスゴールを達成することを支援することです。
もしこの意図が正しく存在するならば、従業員から「人事は何をしているの?」やリーダーから「人事の価値は何?」と問われることはないでしょう。
私は幸運にもTech企業での人事の経験とPdMの経験があります。
PdMの経験を人事業務に活かせば、より従業員中心の効果的な施策を実施することができます。
さらにこのアプローチはビジネスと従業員の力学を素早く変化させ、より関連づけることができるでしょう。

プロダクトマネジメントの学びをHRに適用する6箇条

1:市場を理解する
大抵のPdMはプロダクトを作り始める際、市場を理解することから始めます。市場の理解はプロダクトの戦略と業界のしきたりや顧客の期待に沿った計画をPdMに確認する助けになります。人事で考えると、ビジネスモデルと外部の市場の理解につながります。ビジネスモデルとビジネスゴールを理解するための良い方法として、「ビジネスモデルキャンバス」を描いてみる方法があります。外部市場はビジネスインパクト(テクノロジー,政府/政策,競合)の力や人材市場の様子(人材の需要と供給、人材のモチベーション)の理解につながります。

2:顧客のニーズを理解する
あなたはNetflixを何時間も見ていたことはありますか?どのようにしてNetflixがこのような状況を達成したのか考えたことはありますか?Netflixはこの状況を顧客のニーズ、利用している間の振る舞いを注意深く学ぶことにより達成しました。PdMはユーザーのプロフィール、人柄、モチベーション、理想やペインを詳細に理解するためにペルソナを作成します。人事で考えると、解決法を決める前に従業員や候補者に対してどのような要素を提供するかを理解することは重要です。人事は、直感や市場のベンチマーク、特定の組織のサクセスストーリーに基づいてソリューションを作成していることが多く、ユーザーのペルソナが一致しないため、期待した結果が得られないことがあります。人事が届けられる価値は明確なペインポイントを特定し、対処することで増加させることができます。ニーズとペインポイントを理解するために、以下のツールなどが使われてきました。〜流行の分析、調査、インタビュー、焦点を当てたグループのディスカッション、文脈調査です。

3:プロダクトを開発する
PdMはアジャイルな開発手法(Scrumのような)でプロダクトを作ります。このフレームワークはイテレーティブ(イテレーティブの解説はこちら)にプロダクトを作ります。MVPと呼ばれる製品をリリースするにあたってもっとも基本的な機能単位から作り始めます。MVPはリリース後にターゲットグループにより試用され、フィードバックを得ることにより改善していく。この開発の増分は機能横断的に作成されたチームにより、スプリントのように定められた期間を区切って明確な機能を開発する。これらのチームは毎日の振り返りミーティング、スプリントレビューにより顧客からのプロダクトのフィードバックを受け、レトロスペクティブと呼ばれる仕事の進め方を改善する会議を活用することによって自身のパフォーマンスについて振り返ります。
人事として、そこには大きなチャンスが存在します。人事がデザインしたポリシーとプロセスはプロダクトとして内部の顧客(従業員)に消費されます。人事の作るプロダクトはビジネスと従業員のコラボレーションを描くことができ、イテレーティブにフィードバックを得ながら作成することができます。このことはビジネスのニュアンスの違いに合わせてビジネスラインごとにソリューションを個性的にすることも意味します。例えば、ビジネスサイクルで考えると、技術チームは四半期のゴールを設定しているの一方でファイナンスチームは年間ゴールを設定している。このような機能横断チームで活動することは、ビジネスダイナミクスをサポートをしやすくするために人事の領域に多く触れることによってHRチームをより迅速に変化することができる。Googleやアクセンチュア、GEのようにこのアプローチを実践している組織があります。

4:マーケティングをして製品を販売する
独自のロゴや形式なしにパッケージされたコンシューマー向け製品はありません。iPhoneとGoogle Pixelを取り違えることはありますか?これらの偉大なプロダクトを持つ企業はプロダクトの見た目が顧客に対する強力なメッセージであることを理解しています。同様のことが人事にも適用されます。人事部門が何か新しいもしくは重要な改善、変化をした場合、視聴者を引きつけるために必要なことを全てフォーラムを通じて全力で伝えなければなりません。人事リーダーやHRBPはこのフォーラムで力強いメッセージを組織内の重要なステークホルダーに伝えるという重要な役割を実行します。マーケターが重視するのは、感情的な繋がりを作ること、そして従業員に可決に向けて語りかけることです。機能横断チームでマーケティングのスキルの幅を持つことはこのステージにおいて大きなバリューをもたらします。

5:顧客体験を向上させる
マーケティング活動により新たな顧客を獲得したら、PdMは活性化と定着にも注力します。PdMはプロダクト全体のバリューがシームレスに提供されることに注力します。機能教育や課題解決などの活動や、インタラクティブなデモやチャット、対面サポートなどを提供します。人事として同様の価値を従業員に届け、全てのプロダクトを顧客に使われるようにする必要があります。優れたサービスとは、人事が従業員体験の管理者として人事部を訪れる全ての人に必要なものを煩わしい手続きなしで手に入れられることです。チャットbotのような人事のプロダクトやツールを活用することでオペレーションを効率よく回すことができます。

6:成功指標を測定する
市場に新製品が提供される、または既存製品に新機能が追加されると、PdMはプロダクトのパフォーマンスを追跡し、そこから派生したインサイトを分析する。このインサイトによってPdMはプロダクトを改善する。例えば、一般的な成功指標指標としてダウンロード、ログイン、アプリの活用時間、ヒートマップ、クリック、使われている/いない機能などがあります。その他標準的な測定指標では、人事はプログラムの採用状況などの重要な基準を追跡することにより成功を測定することができます。人事の使うべきもっとも重要な指標として、従業員体験のNPSを測定するというものがあります。

PdMとして人事で活動することは、ビジネスを深く理解し顧客のニーズを評価する、従業員の経験を管理する、分析を活用して製品やサービスを作成することを意味します。上記のようないくつかの側面をピックアップすることが、プロセスを活用して利益を得るための出発点になります。

このコンセプトを聞いてどのように考えたでしょうか?人事はPdMのように考え、従業員と関わることができると思いますか?あなたの考えを聞かせてください。

まとめ

PdMの実施している仮説→ペルソナ設定→製品開発→リリース→指標測定→改善の流れを人事に持ってくるとどうなるか?という記事でした。
感覚的に実践されているチームもありそうですが、プロダクト開発の基礎を知っているとより良い組織づくりに活かせそうと感じています。

感想

自身の英語力向上と、HR×アジャイルな思想(プロダクト開発も)を伝えることも兼ねてやってみました。一度自分で訳してからおかしなところはDeepLにかけてみる、というステップでやってみました。学びにもなるし、日本ではまだこの領域に踏み込んでいる人は多くなさそうなので気が向いたら続けて行きたいと思っています。訳が変、内容についてのご質問があれば自由にコメントいただけると嬉しいです!


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