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HamCup 姫 vs 姫 2

大工VS姫!? ~HamCupをめぐる珍騒動~

第2章:和菓子バトル!匠の技VS姫の感性

HamCupの活動拠点に特設された和菓子作りの会場。緊張感漂う空気の中、maoとあんみつ姫が向かい合って立つ。

maoの姿は、一目見ただけで会場を驚かせた。長く艶やかな黒髪のウィッグは完璧に整えられ、ほのかな花の香りを漂わせている。顔には丁寧な化粧が施され、薄いピンク色の口紅が唇を彩る。まつげはやや長めで、上品な女性らしさを醸し出している。

身にまとうのは、淡いピンク色の着物。桜の花びらが舞う模様が施された美しい一着だ。帯は濃いめの紫で、見事な蝶々結びで結ばれている。足元には白足袋と草履を履き、全体的に非の打ち所がない和装姿である。

唯一違和感があるとすれば、その大柄な体つきと、やや太い指先くらいだろうか。しかし、それすらも彼の真剣な表情と相まって、独特の威厳を感じさせる。

「よし、準備は万全だわ。私こそがHamCupの夜の姫にふさわしいことを、和菓子で証明してみせるわ」

maoの低い声に、会場が静まり返る。

一方、あんみつ姫は華やかな現代風の着物姿で、優雅に立っていた。彼女はmaoを見つめ、驚きと感心が入り混じった表情を浮かべている。

「まぁ、maoさん...素敵ですわ。本当に見事な着こなしね」

なないろが得意げに宣言する。「じゃじゃーん!これが私の最新発明、超高速和菓子成型マシーンよ!」
複雑な機械と配管が組み合わさった奇妙な装置が現れる。しかし、よく見ると一部のパイプから湯気が漏れている。

maoは優雅に眉を寄せる。「これは...大丈夫なのかしら?」彼の声は、普段よりも少し高めだ。

あんみつ姫は目を輝かせる。「すごい!絶対インスタ映えしそう!maoさんも一緒に写真撮りましょ♪」

くべしが説明を始める。「よーし!和菓子バトル、スタート!制限時間60分!テーマは"春の訪れ"!」

maoは凛とした表情で材料と向き合う。「さて、匠の技を見せてあげるわ」優雅に袖を捲り上げ、和菓子作りに取り掛かる。

一方、あんみつ姫はスマートフォンを片手に材料を選ぶ。
「春といえば、桜餅♪...あれ?"さくらもち"が"桜持ち"に変換されちゃった」

ハムりん「作るんだよ、持ち歩くんじゃなくて!」

時間が経過。maoは繊細な桜の花びらを丁寧に作り上げていく。突如、小さな悲鳴を上げる。「あら!餡子が指に...」
慌てて拭き取りながら、優雅さを保とうと必死だ。

あんみつ姫は次々と斬新なアイデアを繰り出す。
「抹茶と桜のパステルカラー和菓子!...あれ?抹茶と間違えて青汁パウダー入れちゃった」

プリン「あの、それ和菓子?それとも健康食品?」

30分経過。突如、なないろの機械から異音が。先ほどの湯気が激しくなっている。
なないろ「あれ?ちょっと様子が...」

突然、機械から餡が噴出。maoとあんみつ姫に降り注ぐ。
会場から驚きの声。「餡まみれだー!」

maoは冷静さを保とうと必死。「こ、これくらいで騒ぐものではありませんわ」しかし足を滑らせ、着物姿のまま転んでしまう。起き上がる姿は、まるで餡塗れの優雅な蝶のよう。会場、笑いをこらえるのに必死だ。

あんみつ姫「やばい!世界初の"体験型和菓子アート"じゃない?」
彼女は機転を利かせ、餡を作品に取り入れ始める。

ハムりん「おいおい、まだコンテスト中だぞ」

残り10分。大混乱の中、二人は必死に仕上げる。
maoからは不格好ながらも本格的な桜餅が。
あんみつ姫からは斬新なアート和菓子が完成。

二人は互いの作品をちらり。
mao(内心)「まあ...あんみつ姫の和菓子、なんだかワクワクするわ」
あんみつ姫(内心)「すごい...maoさんの和菓子、本物の桜みたい」

時間切れの合図。

くべし「はい、タイム!審査の時間だ!」

ほんてぃこママが優雅に歩み寄り、作品を吟味。まず、maoの和菓子を。
「まあ、素晴らしいわ。本物のよう。では...」一口食べる。会場、固唾を飲む。
「...絶妙ね。職人の技が光っているわ」

mao、安堵の表情。ウィッグを直しながら優雅に会釈する。

次に、あんみつ姫の和菓子を。
「なんて斬新!若い世代向けね。味は...」
再び会場が静まり返る。
「...意外!深い味わい。面白いわ」

あんみつ姫「やった~!青汁パウダーが功を奏したかも!」

ほんてぃこママ「さて、勝者は...」
緊張が最高潮に。ほんてぃこママ、じっくりと二つの和菓子を見比べる。
「...引き分けよ」

会場「えぇっ!?」

ほんてぃこママ「どちらも素晴らしいの。伝統と革新、両方がHamCupには必要不可欠だわ」

maoとあんみつ姫、互いを見つめ、複雑な表情。

mao(内心)「あんみつ姫、なかなかやるわ...次は負けないわよ」
あんみつ姫(内心)「maoさんすごい...でも次は私の得意分野!」

くべし「第1回戦は引き分け!次はメイクアップ対決だ!」

mao、表情を引き締める。「メイクアップ...ここが正念場ね」
あんみつ姫、目を輝かせる。「きたー!ギャルの本領発揮!」

会場の隅で、ほんてぃこママが静かに微笑む。手にはビデオカメラ。
「この映像、きっと二人の成長記録になるわ。そして...HamCupの新しい魅力を伝える宣伝材料にもなりそうね」

波乱の3本勝負、第1戦終了。HamCupメンバーたちの期待は高まるばかり。そして、誰も気づいていない。この騒動が、HamCupの未来を大きく変えようとしていることに──。

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