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上書き落書きの教室

あくびは奥歯で噛み潰すし、タイクツの踵は踏み潰すって思ってたコーコーセーのあたしの足にルーズソックスはなかったけれど、なんの根拠もなく無敵だと信じてた。教室に居場所はなかったし、お弁当の時間はユウウツだった。けど朝には、体育館の裏で落書きだらけの上履きをつっかけて、三年後には見事、下駄箱の位置さえも忘れた。ステージの上のグランドピアノに飲み物を並べ一列になっては声を出す。あめんぼってあかいの? らいちょうさむかろかなしかろ。腹筋は誰よりできなかったけど踊るのだけは好きだったよ。くるくる回ってばっかりの、目が回るだけのダンス。時間を忘れて踊ります。ファイブ、シックス、セブン、エイト。映画の冒頭で披露されるそれはあたしが踊るのとは似ても似つかなくて、金髪ショートにレオタードとか笑っちゃうねコーラスライン。幼稚園生の時に習ってたバトンで踊った曲もそこからだっけ。始まりと終わりがつながるってなんか映画っぽいねあたしの半生。いつだって脇役ばかりでもおはよう世界って言ってみたい朝もあるし、都合よく上書きをして、あたしだっていき詩てますよって、書いたらいいよスクールデイズ。

褒められて伸びる子です。 というか、伸びたい。