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稽留流産手術③ 術後2日目、退院

2023年10月3日。
術後2日目。

昨晩は22:00ごろにボルタレンを飲み、日付が変わる前には眠った。
途中で目が覚めることもなく、6:00に起床。
体温、体重、血圧測定。
7:00ごろ、朝食が配膳された。パン2つ、サラダ、スクランブルエッグ、バナナ、ミルミルが出た。
おいしく完食し、食後の子宮収縮剤を飲む。
痛み止めは飲まなくても大丈夫そう。

食事のお膳を下げにいくとき、何人か妊婦さんを見かけた。
もっと切ない悲しい気持ちになるものかと覚悟していたが、思いの外、フラットな感情でいられた。
すべての妊婦さんが、その妊娠が何回目かはわからない。いくつかの悲しい経験を経て、長い長い時間をかけ、今その大きなお腹を抱えているのかもしれない。
そしてその妊娠もまた、出産のときを迎えるそのときまで、幸せな経験になるのか、ごくわずかな確率で悲しい経験になってしまうのか、誰にもわからないのだ。

妊娠、出産は奇跡だ。
私は残念ながら途中で終えてしまったけれど、その一部を味わうことができた。
悲しかったけど、痛かったけど、本当に幸せな経験だった。

8:00。
このあとは退院前の診察に呼ばれるようなので、荷物をまとめて身支度を済ませ、待機している。

昨日はお腹の痛みもあって歩くとふらついたが、今日はもうそれもない。
吐き気も、消失した。
あんなに辛かった胸の張りや痛みも、少し落ち着いてきた。
出血も落ち着いてきたようで、ナプキンには生理終わりかけほどの血液しか付いていなかった。
便器の血だまりも、昨日と比べるとかなり減っていた。
太ももの内側や、股関節周囲に筋肉痛のような痛みがあった。たぶん手術時の体制によるものだろう。
あと、昨日調べてわかったことだが、内服している子宮収縮剤が足の筋肉にも作用してしまうことがあるらしい。なるほど。


着々と、身体が非妊娠時へ戻っていく。

昨日に続き、爽やかな秋晴れだった。
せめてでも天気がよくて良かった。
廊下から、初めて赤ちゃんの泣き声が聞こえてきた。
元気に産まれて、よかった。

まだまだ涙は出てくるが、少しずつ前を向いていかなくては。

9:00
退院前診察に呼ばれる。
内診。
おそらくメインで手術をしてくれた男性医師だった。

子宮に血腫が溜まっているらしい。
胎盤鉗子とゾンデ、と聞こえた。
かつて医療従事者だったためにそれぞれがどのような器具か知っている私は、昨日のラミセル挿入を思い出し、背中にじっとりと汗をかいてしまった。
「痛いですか?ちょっと、昨日の処置がかなり痛かったので、きついかもです」と伝えると、「ちょっとでも痛かったらやめますね」と言ってくれた。

あ、痛い。痛い痛い。
でも昨日のより遥かにマシだな。

子宮の入り口は器具がちゃんと通ってくれたとのことで、数日中に全部血液が出てくれるらしい。
子宮収縮剤をしっかり飲んで、痛みが強ければ痛み止めを。抗生剤も追加。
退院後もけっこう痛いかも、と言われた。
出血も痛みも落ち着いたな〜なんて思ってたけど、まだまだ痛いし出血もあるんかい、とがっかりしたが、仕方ない。

退院後の注意事項

  • 処方薬はきちんと飲むこと

  • 数日は出血・痛みが続くので無理をしないこと

  • 貧血を起こすような大量出血をした場合はすぐに連絡・受診すること

  • 感染予防のため、1週間ほどは湯船に浸からないこと

ひと通り説明を受け、いったん病室へ。
看護師さんが追加の処方薬を持ってきてくれて、飲み方などの説明を受けた。
病室内に忘れ物などがないか、一緒にチェックしてくれた。

9:30ごろ、会計の準備が整ったのでいつでも病室を出てよいと伝えられる。
ナースステーションの看護師さんに声をかけ、退院。

会計では20分ほど待ち時間があった。
約35000円。
思ったよりもかなり安かった。
かかった費用については、また別の投稿でまとめたいと思う。

病院から渡されたタクシー会社一覧のメモを頼りに4件電話してみたが、すべて繋がらず、GOアプリでタクシーを呼んでみる。
アプリはダウンロードしていたものの、あまりタクシーを使わないために未使用であった。
ものの3分ほどでタクシーに乗り込むことができた。
めっちゃ便利。すごい。
どうやらクレカも登録していたらしく、タクシー内で支払いすることはなかった。らくちん。

10:20ごろ、帰宅。
愛する夫が仕事の手を止め、出迎えてくれた。
ハグをして、ちょっと泣いた。

自分のために、家族のために、心と体を休めなくては、と思っている。


次の記事に続きます。


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