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言葉が人をダメにする

はじめてnoteを書く。
自分の気持ちに向き合うこと、言語化すること、相手に伝えることが割と苦手なほうだ。出来ることなら言葉にせずとも汲み取ってくれると私としてはとてもありがたい限りである。でも世の中そう簡単な話ではいかないことが多く、たまには自分の気持ちを言語化してみようと思う。
気持ちもこのnoteも私のものなわけだし。

さて、手始めに幼少期の話しをしてみよう。
家族構成は父、母、兄2人、そして私。表向きは特にそのへんのありふれた家庭だ。ありふれすぎているくらいに。
父は家庭には無関心、自分のことしか考えない、働きたくない、暴言・暴力はないものの、子供をアクセサリーくらいにしか考えていないある種の毒親じみたところがあった。
そんな父と結婚した母は一時離婚はしたものの、母子家庭では子供たちに裕福な生活を送らせてあげれないと、父と再婚。毎日パートに内職に働きづめだった。
今となっては当時の母の苦労が身に染みてわかる部分もあるし、
ストレスの捌け口もなかっただろうと思う。
ただ、幼少期の私は苦痛だった。
周りの友達が旅行に行った、○○ちゃんの家に遊びに行った、習い事や塾の話し。どれも私にはないものだったから。

母の口癖は「うちはうち、よそはよそ」「うちは貧乏やから」

シングル家庭と比べれば裕福だと思われるかもしれないが、
我が家には”父”という名の金食い虫がいたから例には及ばない。
幼少期はそんな家庭が嫌で嫌で仕方なかった。
内容は伏せるが、あからさまな兄妹格差も苦痛だった。



私が家族から呼ばれる名前は本名ではない。

【ぶーりん】【ぶーやん】【ぶー】

当時、母のキーホルダーには『とんでぶーりん』というアニメの豚のキャラクターがついていた。
一応ヒロインだが豚…。
物心ついたときから私はこの呼び名だ。大人になった今も。
確かに幼少期は人より体が大きかった。特に横幅が。
でも私は良い子ちゃんだから嫌な気持ちをグッと胸にしまい続けていた。
家でどれだけデブ、ブスと言われてもなんでもない顔をしている。



母がよく話す冗談にこんな話しがある。

「お母さんは自分のことをブスやって思って生きてきたから、イケメンのお父さんと結婚したんや。一人目生まれてすごい可愛くて、イケメンと結婚して良かったって思った。二人目が生まれてちょっとお母さんに似てしまったけど可愛いなって思った。三人目生まれて自分とそっくりで嫌になった」

脚色なしの原文ママだ。

「お兄ちゃんたちはお母さんから生まれてきたけど、あんたは側溝で拾ってきた」の下りもある。

昔から自分の気持ちを表に出すことが苦手で、
母に褒められたくて良い子にふるまうようにしていた。
兄たちよりも秀でていなければいけないと思っていた。
良い子でいつづけなくちゃ自分に価値がないものだと。

32歳の今はだいぶ大人になった。少なくとも幼少期に比べれば。
当時の母は三人の子供を育て上げるのに必死だったんだろうと、子供のいない私にも想像ができるくらいにはなった。大変だっただろうと。
母も幼かったんだろうと。

ただ私の人間としての根っこの大部分が幼少期に作り上げられているもんだから難儀だ。
頭では理解しているが心がそれに追いつかない。

「自分は周りからデブだ、ブスだと思われている。良い子でいないと周りから必要とされない」

そんな気持ちが心の奥底に眠っているから、時々湧いて出てくるのを抑えなくてはいけない。



家族の話から逸れるが、【言葉が人をダメにする】を書くにあたって
以前知人から言われたことを思い出したので書いておく。

「良い人は所詮良い人で終わりだよ、誰からも選ばれないんだよ」

30代に突入し、長く続いた恋愛ともお別れした頃に言われた言葉だ。
こんなにも確信犯で人を傷つける言葉があることに驚き、
思っていても口に出すのをためらうような言葉をさらりと言ってしまう人が存在することに驚いた。

良い子ちゃんでいたいわけではないけれど、体に染みついてしまったものはなかなか変えられない部分でもあり、的確に私をダメにしてしまう言葉になった。
ある種の呪いみたいなものだ。
特に病んでいなくても(病むこと自体あまりないけど)脳裏をかすめていく。フラッシュバックというやつだ。
そしてしばらく私の心に鎮座してしまう。嫌な言葉だ。

よく「自分が言われて嫌なことは人に言わない」とか「言ったほうは何気ない一言でも相手は傷つくから気をつけなさい」とかそういう言葉を聞く。子供によく言って聞かせるやつだ。大人になると言われる機会はほとんどなくなってしまう。

だからここで言っておこう。

【言葉は人をダメにする】

言葉で人を救うのはすごく難しい。それなのに言葉で人をダメにするのはいとも簡単だ。

言葉は優しく寄り添うものであってほしい。


とりとめなく話を綴ってしまって収集がつかないところもあるけれど、良しとしよう。ここは私のnoteだから。また気が向けばふらりと立ち寄ることにしよう。

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