福島柑橘園の河内晩柑

1935年に熊本県飽託郡河内村で発見された自生種です。
文旦の枝変わりとされていましたが、ゲノム解析によって弓削瓢柑(ゆげひょうかん)の変種ではないかとの説が有力になってきました。

発見地の河内と晩生種であることから、河内晩柑と命名されました。別名として、美生柑、ジューシィオレンジ・・・などなどいくつかの呼称があります。

外観や味から、そして半割にしてスプーンですくうと食べやすいため、和製グレープフルーツとも言われます。

夏にかけて糖度、酸度、果汁量は緩やかに低下し、食感はしゃっきりと変わっていきます。暑い時期だと、とても爽やかな柑橘です。少しほろ苦さもあり、それも河内晩柑の持ち味です。

生成りで夏まで成らせておくと、果皮の色が緑がかってきます。「回青」といい、橙なども見られる現象で、味的にもなにも問題はありません。

果実が大きいため、11月以降ヘタの部分から外れ落下してしまうことも多く、落果防止剤=成長調整剤を散布することが普通です。このため河内晩柑は無農薬栽培に向かないとされますが、熊本の福島柑橘園では、この必須とされる薬剤散布も避け、有機栽培を続けています。

最近の愛媛大学の研究では、オーラプテンという物質が他の柑橘に比べ大量に含まれていると判明。認知症の予防に効果的であると確認されたようです。

福島さん

生産者の福島さんは、有機栽培を目指すために完全にマシン油を使わず、病害虫が集中した枝のみ切り落としたり病害虫を減らすためにみかんの木の形を変えたりして中まで日照が入りやすくするなど、日々の努力を重ね、有機栽培を実現しています。


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