永遠の昨日 ドラマ&小説の感想

テレビドラマ『永遠の昨日』


一言で言うとめちゃくちゃ泣いてしまった。泣きすぎて鼻詰まり酷くて声がおかしくなった。

多分、小説読んでたほうが細かいとこ分かってもっと良いんだろうなとは思ったけど、それでも30分ドラマ(全8話)の割には良くできていたと思う。
特に私は小宮璃央くん(浩一)の演技が好きだった。20歳と聞いて見る前は若干不安はあったけど、自然だし、回を増すごとにみっちゃんを見る目が本当に愛おしそうで、最終話の演技は最高に良かった。
もちろん井上想良くん(みっちゃん)も良かった。頭ではめちゃくちゃ考えちゃうけど中々言葉にはしない、でも訴えたい気持ちがある事は目で分かる。その表情が凄く印象的で、クールを装っても浩一の事になると顔に出ちゃうみっちゃんが好きになった。
お二人とも役に入ってその気持ちを自分に落とし込んで演じてるのが伝わってきて、申し訳ないけど今まで知らなかった俳優さんなので余計に私には“浩一”と“みっちゃん”にしか見えなくなった…(笑)

この作品、設定はぶっ飛んでるけどさすが榎田先生なので心理描写の表現が辛いほど刺さりまくるし、先生の死生観は凄く共感できるなと改めて感じる良い作品でした。
誰かの死なんて悲しいに決まってる、特に大事な人は。それは私もよく知ってる。体が破裂して爆散するんじゃないかってぐらい制御出来ない何かが沸き上がってくる。
ただそれを大声で泣き喚くんじゃなくて繊細に表現されているのが尊くて美しくて苦しかった。

二人にしか作れない愛を、浩一とみっちゃんをこの世に産み出して下さってそしてそれを見守ることができて、関係各所の皆様に感謝せざるを得ない。俳優さんも、監督さんも、音楽も良かったなと思った。
何か思うことがあるとすればこれが1時間ドラマならもっと綺麗に組み込めたのかなとか思うけどそれはしょうがない。
とりあえず私の中で忘れられない作品の一つにはなった。
今回はDMM TVで先見してしまったので、完全版のテレビの再放送でまた泣き腫らしたいと思います。

原作を読んで

あまりに心を動かされたので次の日すぐに文庫本を買いにいった。一気に読むことも出来たけど、きっとまた泣き腫らして何も出来なくなると思って、二日にかけてじっくり読んだ。
小説になるとやっぱりその分みっちゃんのモノローグが増えるので辛さが増した…。心停止しているのに動いて喋っているなんて奇怪な設定ではあるけれど、大真面目に“本当に現実に起こってしまったら”を描いている。
私はどうやったって感情でしか生きられないような人間なので、榎田先生の書く作品の様に心理描写が刺さるとたちまち入り込んでしまって苦しくなる。なのに毎回泣きながら読む。
『夏の塩』『夏の子供』を読んだ時も同じように喉が痛くなるほど泣いた記憶がある。
深い深い愛の話だった。一番好き、だなんてよくある言葉にこんな重みを感じたことない。切ない。
美しいお話でした。


ここからは蛇足ですが、ドラマ見たときは浩一ロスに陥りました。みっちゃんを差し置いてとは思うものの作中のみっちゃんと違って私はまだ三日程しか経ってないのでまぁしょうがないよね。
小宮くんの顔見るだけで泣きそうになったりした。この子の笑顔本当に楽しそうに笑うので、最終話の涙を思い出してその対比で余計にしんどい。
インライの話だと最後の泣きながらの会話は一発OKだったとか、浩一が行ってしまった後の父親との会話はテスト撮影だったけど感情が抑えられなくて泣いたのがOKになったとか、二人とも演じるというよりみっちゃんと浩一としてそのままを撮影した感じがキャスティング最高だったなと思う。
台詞やキャラクターと自分が遠ければ演技をしてもなんとなく薄っぺらい感じがする。特にBLなんて自分が知らない感情を表現しないといけない。それに年もお若いので初めはそんなに期待していなかったしちょっとどうかな?と様子見だった。それがこんなに泣かされるとは思わなかったよね。

これは少女邂逅を見たときもそうだった。あれも不思議な世界感で見たあと大泣きして呆然として、紬のことしか考えられなくなった。
こういう作品は『BL』とか『百合』とか簡単な言葉だけでは片付けたくなくて、感想を書いてしまう。
誰かに向けてというより自己満足に近い。

私にとっての大事な、好きな作品が増えて嬉しい。見てよかったです。

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