失敗vol.1『起業の失敗』


1年前の今日(2014.03.31)、ぼくは若手起業家として華々しくデビューするはずだった。NESというビジネスコンテストで、代表を務めたグループで最優秀賞を獲得。2ヶ月後には、朝日新聞に若手起業家としてインタビュー記事を掲載(もうちょっとイケメンに写真撮って欲しかった 笑)。


NESとは、国内で最大の高校生向けのビジネスコンテストだ(おそらく)。関東を中心とした100名以上の高校生たちがこのコンテストに参加し、約3ヶ月間ビジネスプランを考え、そのプランを実践。最優秀グループに起業資金として100万円が譲渡される(実際には、最優秀チームが3チームあり、賞金は3等分された)。

そして今日は、あの日からの1年を記念し、ぼくの起業にまつわる失敗について綴りたい。また、今後は「失敗のレジュメ」と題して、様々な分野(人間関係、学校、恋愛、仕事、生活習慣)でのこれまでの失敗について考察し、今後の人生設計に活かしていきたい。

というわけで、第1弾。「起業の失敗」について書いていく。いかに箇条書きにまとめ、その下に、さらに具体的なことを述べていく。


【起業の失敗】

1:本気でやりたいビジネスプランではなかった
2:チームを信じていなかった
3:チームを離脱できなかった/途中で投げ出せなかった
4:見栄をはった/嘘をついた
5:現実から目を背けていた
6:おわりに


1:本気でやりたいビジネスプランではなかった

正直に言わせてもらうと、ぼくは自分で提案したにも関わらず、そのビジネスプランを続けるつもりはほとんど無かった。もっと正直に言えば賞金の100万円が欲しかったのである。俗にいう金に目が眩んだというやつだ。

しかし、ここでジレンマ。賞金を獲得するためには「今後も自分は提案したビジネスプランを継続して実践していく覚悟がある」ということを、審査員に示さなければいけなかった。本気でやりたいビジネスプランなんてものは、実際のところ、それを本気でやってみないとわからないものだろう。ただ、ぼくが感じていたのは、このビジネスプランに自分の時間や情熱を注ごうなどとは、現実的に考えることは皆無だった。効率的にプレゼン資料をつくり、それっぽいことをいってその場を凌いだ。

目先の利益に囚われ、自分がたいして興味のないものを続けてしまう、そんな弱い自分の存在をこの時知った。長期的な視野で見たときに、それが正しい行動であったか。じぶんはどうしたいのか?どうありたいのか?賢明な判断と正しい判断には違いがあることをこの経験から学んだ。もちろんお金は大事だが、数ある大事なもののなかで、それはどの程度の順位なのか?一番大切にしている軸はなんなのか?そういったことを考えるようになった。



2:チームを信じていなかった

じぶんでいうのもなんだが、チームには優秀なメンバーが集まっていた。当時は全員高校生だったわけだが、高3と高2が2人ずつ。現在、私を除いたチームメンバーの1人はアメリカのアイビーリーグと呼ばれる世界的な名門大学に通い、もう1人は日本の最難関私大に進学し、最後の1人はお笑い芸人を目指している。

しかし、優秀なメンバーが集まったからといって、優秀なチームが出来上がるとは限らない。そもそもぼくがリーダーだったことに問題があったのかもしれないが、これはまた別の話。割愛。

なんというか、ぼくは自分のチームがあまり好きではなかった。仲が悪かったわけではないが、苦手だった。3ヶ月あるNESのプログラムが中盤にさしかかった頃に、「もし優勝したとしたも、このチームでは続けていくのは難しい」そう感じていた。これは日々のチーム内でのコミュニケーションの歪みが生んだ”直感”であり、それは「このチームのために無理して頑張ろうと思う自分はいない」という”確信”に変わっていた。

結局最後までNESをやり通し、ついには最優秀賞まで頂いてしまった。嬉しさもあった反面、「やっちまったなぁ」と心の中で密かに思っていた。


3:チームを離脱できなかった/途中で投げ出せなかった

2の思いを持ちながらも、自分はプロジェクトを途中で投げ出すことや、リーダーである自分がチームを抜けることに抵抗を覚え、チームを離脱することができなかった。その態度を恥だと思ったし、かっこ悪いとも思っていた。しかし、そういった姿勢を改めるために、今、こうやって文章を綴っている。

ここから先は

2,322字

¥ 300

いただいたサポートは、これまでためらっていた写真のプリントなど、制作の補助に使わせていただきます。本当に感謝しています。