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【消滅都市】キャラクター考察 謎の人物シャルの正体とは?【タロット】

消滅都市に登場するキャラクターの正体や人物像をタロットカードの象徴や象徴から読み解く雑記です。

YouTubeにアップする動画を作っていた際、シャルの正体をぼんやり考えていたので書き記します。不定期ですが、消滅都市のタロットシリーズ動画をYouTubeにアップしていますので、動画も併せてご視聴いただけるとうれしいです。

なお、皇帝のタロットカードはマサヒトのYouTube動画またはnote記事を参考になさってください。

当記事はランキングストーリー『真の英雄』を基に自分の考えをまとめています。

今回シャルの考察にあたって、以下のタロットデッキに描かれた皇帝の背景と象徴を参考に解説しております。

・ウェイト=スミス(ライダー)版タロット
・マルセイユ版タロット
・トートタロット

1.女神と対になる存在とは

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世の中には万物の根本的な原理を『対極』であらわす思想があります。

太陽と月

男性と女性

善と悪 

白と黒 など

"異なる性質を対とみなすもの"


これらはグノーシス主義の根底にある『二元論』と呼ばれるものです。

では、女帝のタロットを受け取ったメシエの対となる存在が誰なのかを考えた場合、

対になる人物は

皇帝のタロットを渡されたマサヒト


・・・ではなく

本来の皇帝の所有者シャルになります。

皇帝のタロットを所持していた人物が誰だったのかを考えると、マサヒトは皇帝の体現者であって本当のタロット所有者ではありません。

これから、シャルがマサヒトに研究の実証と称してタロットを渡す行為を

皇帝本人が他者に君主の権威を譲る行為として話を進めていきます。



先程述べた『二元論』をメシエやシャルに当てはめるなら

異なる性質を対とみなすもの

男性と女性=シャルとメシエ


現実世界と夢の世界=物質世界と精神世界


さらに言い換えて、

仮にシャルとメシエをとして区別する場合

『男神』と『女神』※と言い換えることができます。

※主神を中心に添えた両極端に位置する存在のこと(普遍的象徴を表す用語)

したがって、シャルが皇帝のタロットをマサヒトへ譲渡したとしてもメシエの対にはならず

マサヒト=仮の皇帝
シャル=真の皇帝

だと考えます。


それでは、なぜマサヒトとシャルを比較し仮の皇帝真の皇帝と区別する必要があるのか?

ここからは私の見解と共に古代帝国の慣習を交えて説明していきます。

2.『金枝篇』からみえる君主の在り方

君主や皇帝の在り方を説明する前に、note記事に書いた金枝篇を一部抜粋します。

”社会人類学者ジェームズ・フレイザー氏の著書『金枝篇』を参考に、人類史で残されている世界各地の魔術、信仰、呪術などの民俗学から皇帝という"君主を体現した人物"を考えてみることにしました。
金枝篇の作中には様々な民俗の風習や宗教学の他、君主(皇帝)の継承について書かれたページもあります。
その中で、ある国の逸話が皇帝のタロットを譲ったシャルとマサヒトのストーリーとすごく被ったので、自分の閃きと解釈を信じて動画に詰め込みました。それが“君主の権威を民間人に一時的に譲る”※…という逸話です。
※『金枝篇 第4巻 死にゆく神』一時的な王より”

ジェームズ・フレイザー氏の著書『金枝篇』は文庫本(上・下)も発行され古代帝国の慣習や民俗的な魔術の逸話など、その時代の社会人類学が書かれています。

様々な風習や慣習の記述のなかで、マサヒトとシャルのストーリーに類似していると感じたのはシャム帝国(現在のタイ王国)の伝承でした。

簡単に説明すると、古代シャム帝国では豊穣の祭りが催される3日間だけ国民から代理の王を選出する習わしがありました。
この期間中は代理の王が国の祭事や政治を担い、本物の王は宮殿に籠ってしまいますので、一時的に仮の国王と真の国王が存在することになります。

なぜ豊穣の祭りの間だけ国民から選出した仮の王に国政を任せたのかというと、その時代独特の文化的背景が関係しています。

当時は自然崇拝の風習によって豊穣の神へ豊作の祈りを捧げる文化が根付いていました。
そのため、国王を豊穣神の遣いとして神格化する地域もあり、豊穣祈願の失敗は国王の責任にもなり得たのです。
この失敗や責任から逃れるために一時的に代理の王を立てていたそうです。

ただ、金枝篇に書かれている内容に懐疑的な意見もあり、こういった慣習や伝統が実際に存在したのか証拠がないそうですが、世界には一時的に君主(国王)の座を他人に譲る歴史も語り継がれています。

もし、金枝篇のような歴史があったのなら、シャルがマサヒトにタロットを渡した理由もこういった慣習に似た行為にも受け取れます。

ですので、自分の野望を成し遂げるため一時的に代理の皇帝を立てた結果

マサヒト=仮の皇帝
シャル=真の皇帝

といった区別をさせていただきました。


3-1.シャルの考察について

まずはじめに、皆さまが誤解なさらないようお伝えします。
シャルの正体について、消滅都市の本編のストーリーならびに開発スタッフ様は一切言及しておりません。
公式情報ではありませんので、これから話すのはあくまでも私の見解としてお聞きください。

どれだけユーザー側がシャルとメシエを追求しても消滅都市の物語や運営様たちから言及されない限り、憶測や想像の域を出ることはないと思っています。

ですので、他人の意見や想像と比較して
「これは正しい」
「この考えは間違いだ(解釈違いだ)」
「当たった、外れた」と思われずに

各々の解釈の幅を広げる一つの可能性として意見の違いを楽しんでいただいたり、イメージの参考にしてくださると嬉しいです。


3-2.シャルとメシエは何者なのか?

消滅都市の物語上、シャルはメシエと同じ研究員(タイヨウやツキが所属していた研究部署内?)で元同僚だったとの描写がありました。

下記に記述した通り、もしメシエがイデアから地上に降りる前・・・

つまり、女神だった頃の名前が古代エジプト神話の女神イシスだと仮定するなら、対になる存在をタロットの象徴で読み解くことができます。

シャルの正体を解き明かすには、マルセイユ版やウェイト版タロットだと説明しづらいので、エジプト神話と深く関連性のある『トート・タロット』を用いてお話しします。

これは全くの余談ですが、ウェイト版タロットを制作したアーサー・エドワード・ウェイトは西洋魔術結社「黄金の夜明け団」に所属していました。
同じくトート・タロットを考案したアレイスター・クロウリーもこの魔術結社に所属していた時期があります。
クロウリーは黄金の夜明け団を脱退した後にトート・タロットを制作しており、ウェイト版タロットと見比べると独創的なデザインですが、団体から影響を受けた思想も残っています。


↓それでは、トートタロットの女帝と皇帝を並べて解説します。

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2枚のカードのデザインや色味を見比べてみてください。

それぞれのカードの構図や色合いが対になっているように見えませんか?


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【女帝のタロット】

女帝の背景にのマーク、盾には双頭の鷲が描かれています。女帝の足元には白いペリカンも描かれており、まるで揺り籠のなかにいる雛を守っているようです。
女帝のタロットの色合いは全体的に青みがかっています。

【皇帝のタロット】

一方、皇帝のタロットは全体的に赤みがかった色合いで、背景には太陽のマークや雄羊(牡羊座のシンボル)が描かれています。また、女帝と同じく双頭の鷲が描かれた盾も置かれています。


特徴的なモチーフを挙げてみましたが、女帝と皇帝が対になるカードであることはこれで明らかになったのではないでしょうか?

メシエに関するYouTube動画やnote記事でお伝えしましたが、トート・タロットの女帝に描かれている人物はエジプト神話の女神イシスだといわれています。


では、皇帝に描かれた人物は誰なのか?

この人物もエジプト神話と縁のある神様です。


3-3.シャルの正体とは?

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トート・タロットに描かれた人物をエジプト神話の神と関連付ける際、クロウリー自身が明言しているカードもあればそうでないカードもあります。

それは皇帝のタロットも例外ではありません。
『君主』と位置づける人物が『皇帝』か『法王/教皇』のどちらを指すかで解釈が変わってしまいます。

したがって、エジプト神話に登場する神様が誰かを断言するのは難しいです。

しかし、消滅都市のストーリーを考慮し
さらに私の一解釈として挙げるなら・・・

皇帝=エジプト神話の男神
オシリス説
を提唱したいです。

これには"オシリス神"だと断言できない理由があります。
トート・タロットの皇帝には太陽のシンボルや赤や錬金術であらわす金が強調され、現実的な力と男性性であらわす積極的なエネルギーが描かれています。
これを太陽の象徴と捉える場合は、エジプト神話の神ラーだといった説もあるからです。

ただ、今回は消滅都市の物語を前提にトート・タロットの背景を読みました。
メシエとシャルを関連付けるには、女神イシスの配偶神オシリスと結びつける方が消滅都市の物語に沿っているのではないかと考えます。

つまり、シャルの正体について
元々の皇帝のタロット所有者で捉えた場合
男神オシリスではないかという説になります。

メシエとシャルを女神と男神と区別した話にもどりますが、

メシエ=女神イシス説

シャル=男神オシリス説

実在の天文学者シャルル・メシエの名前を2人に充てている理由も

エジプト神話の女神と男神を意識してペアにしたのであれば・・・

もしかしたら、シャルもメシエと同様にタイヨウによってイデアから地上へ降ろされた霊的存在=神だったのかもしれません。

3-4.シャルの野望とは?

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マサヒトにタロットを渡す際に、シャルが「俺の野望のため」と言ったシーンがありました。

この会話からシャルには皇帝の体現者以上の思惑もあったと見受けられます。

そういえば、エジプト神話には以下の伝説があります。

戦争の神セトは兄のオシリスを策略に嵌めて殺害し、オシリスの体をバラバラにしてからエジプト全土のいたる場所へ投げ捨てた。
オシリスの妻だった女神イシスは悲しみ、バラバラになったオシリスの体を探し集めて遺体に命を吹き込む秘儀を使いオシリスを復活させた。


このように古代エジプト神話には死者を再生・復活させる秘術が伝説として残されています。


もし、エジプト神話の伝説をなぞるなら・・・

シャルが成し遂げたかった野望はタロットシステムの破壊だけではなく、メシエの復活と再生も視野に入れていたと考えられないでしょうか?

仮にイシスがオシリスを復活させた伝説の逆パターンとして捉えることができるなら、死者を復活させる古代エジプトの秘儀を再現&成就させること

これもシャルの思惑の一つだったのかもしれません。

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エジプト神話の伝説によると
イシスとオシリスは配偶者でもあり長男、長女の兄妹でもあるそうです。


最後に・・・

はじめの二元論の話のように、夢と現実を対とみなすならメシエ(夢)の対となる存在はシャル(現実)としてあらわすことができます。

その結果

メシエとシャル→夢と現実

女帝と皇帝→精神と現実の象徴

女神と男神→イシス神とオシリス神

メシエ→女神イシス説

シャル→男神オシリス説

という仮説に辿りつきました。

※今後タイヨウとツキの考察動画でも解説しますが、シャルも霊的存在の神だとするとタイヨウの正体も同様に読み解けます。


トートタロットに描かれている皇帝は太陽神ラー説もありますので、一概にオシリスとは言い切れません。
あくまでもタロットの象徴と消滅都市の物語やメシエと関連付け、シャルも霊的かつ上位の存在だった可能性で考えました。

ただ、消滅都市の設定や物語上ではメシエとシャルの正体について一切言及されていません。

あくまでも可能性のひとつとして参考になさってください。
みなさんの想像力を掻き立てたり楽しんでいただければ幸いです。

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▼よろしければこちらの記事もどうぞ

◆消滅都市に登場するストーリー用語をオカルティズム視点で解説
https://note.com/chamclub/n/n2d1d46a57ceb

◆【消滅都市】タロット&キャラクター考察 メシエの正体【女帝】
https://note.com/chamclub/n/n7a5a3325670d

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