古事記を簡単にわかりやすく解説してみました!
みなさま、こんにちは🌞
古事記は、なんか難しそうだなという印象
がありますが、日本の聖書とも呼ばれ、
日本の成り立ちがストーリーとして書かれた
書物です。
そして、誰かが勝手に書いたものではなく、
国の歴史を書物としてまとめておこうと
政府が行なったプロジェクトから作成
されたものなのです。
日本各地にある神話と天皇の系譜を全て
暗記していた暗記の天才である「稗田阿礼」
と稗田阿礼が喋ったことを「太安万侶」と
いう人物が聞いて、書いてまとめたもの
が「古事記」となりました。
これは、飛鳥時代に始まり、712年に完成
しました。
古事記は、日本語で記された最古の書物だ
と言われています。それまでの書物は、
全て漢文、つまり、当時の中国語で書かれて
いました。
以下に、古事記の内容(ストーリー)を
非常に簡潔に、登場する神様も絞り込んで、
まとめました。
概要だけでもざっくり知っておくと、
その知識が神社へのお参りの際に役に立ち
子どもにも説明できて、ちょっとかっこ
つけられますので、長文ですが、お付き合い
ください。
世界の始まりは、陰と陽、天と地、ドロドロ
の状態の中から最初の神様が生まれ、その後、次々と神様が生まれ、最後に生まれたのが、
イザナギとイザナミという兄弟神でした。
そのイザナギとイザナミが作ったのが、
日本列島です。その日本列島に住む神も
生み出すことにしました。
海の神、山の神、土の神、風の神、など
たくさん産みましたが、火の神を産むとき
にイザナミが火傷をして死んでしまいまし
た。取り残されたイザナギは、悲しみに
暮れた挙げ句、火の神を殺してしまいま
した。
イザナギは、イザナミを追って、黄泉の国
(あの世)に行き、イザナミに「帰ってきて」
と懇願します。
イザナミは、「難しいと思うけど、偉い神様
にお願いしてみるから、ちょっと待ってて」
「でも、絶対に中はのぞかないでよ」と
イザナギを待たせます。
しかし、しびれを切らしたイザナギは、
中をのぞいてしまいます。すると、そこで
見たものは、なぜか腐敗しウジだらけで
すっかり醜く変わり果てたイザナミの姿
でした。
イザナギは、驚きと恐怖のあまり逃げだし
ますが、約束を守らなかったことに激怒
したイザナミは、イザナギを追いかけまし
た。
イザナギは、なんとか逃げ切り、黄泉の国
の出口まで辿り着くと、その出口を大きな
岩でふさいでしまいました。
追ってきたイザナミは、岩越しに、
「生まれてくる者を1日に1,000人殺して
やる」と言い出しました。それに対し、
イザナギは、「俺は、1,500人産む」と反論
することになり、ここで、生者と死者が
分断されることになるのでした。
その後、イザナギは、「黄泉の国怖かったから
身体を清めよう」と身体を洗っていると、
その雫から、新たな神が誕生しました。
それが、アマテラス、ツクヨミ、スサノオ
でした。アマテラスには天の世界、ツクヨミ
には夜の世界、スサノオには海の世界を
を治めるように命じました。
スサノオは、わがままでかなり暴れん坊な
性格で、「ママに会いたいよー」と、暴れ
ていました。それを見ていたイザナギは、
黄泉の国にトラウマがあったため、
「そんなに会いたければ、勝手にしろ」と
スサノオを地上へ追放してしまいました。
スサノオは、せめてお別れの挨拶を
アマテラスお姉ちゃんにしようと思って、
天の世界を訪れますが、アマテラスお姉
ちゃんは、「あの暴れん坊のスサノオが来る
なんて、天を乗っ取ろうとしているのか
しら?」と警戒します。
スサノオもなんとか誤解を解こうとします
が、兄弟喧嘩に発展し、収拾がつかなく
なったので、最終的にゲームでケリをつけ
ることになりました。
ゲームで勝ったのは、スサノオでした。
スサノオは、暴れん坊ですから、本来の
ゲームの趣旨を忘れ、「俺が勝ったんだー」
とはしゃぎ回り、田んぼを荒らし、家畜を
殺し、宮殿も壊し、人身事故まで起こし
ました。
この事態に怒りながらも傷ついてしまった
アマテラスは、洞窟に入り込み、入り口を
岩で塞いでしまいました。
天の神であるアマテラスが洞窟に引きこもっ
てしまったことで、世界は闇に包まれて
しまいました。そこで、神々は集まって、
どうやったらアマテラスを洞窟から出せる
かの会議を開きました。
結論としては、「芸能の神に踊らせて、
そこでみんなすごく楽しそうにしてたら、
アマテラスも気になって外を見に来るだろう」
という案でした。
作戦当日は、芸能の神は踊りで会場をめちゃ
くちゃ盛り上げて、それを見た神様たちは
大爆笑で笑いころげる程でした。
あまりの騒ぎっぷりが気になったアマテラス
は、岩を少しずらして、様子を見ようと
しました。その瞬間、捕まえられて外に
引きづり出されてしまいました。
アマテラスが洞窟から出てきたことで、
太陽の光が戻り、世界は平穏を取り戻す
ことになりました。
その後、スサノオは、天の国を追放され、
地上に降りることになりました。
地上をさまよっていると、一軒の民家を
発見します。そこでは、老夫婦と娘が
泣いていました。
理由を聞くと、ヤマタノオロチという8つ
の首を持つ化け物に、娘を生贄として、
捧げなければならないという事でした。
スサノオは、その娘(クシナダヒメ)を
めちゃくちゃ気に入ってしまい、
「ヤマタノオロチを退治するので、代わりに
娘さんをください。」と言い出しました。
老夫婦は、娘が化け物に食べられるくらい
ならということで、承諾しました。
スサノオは、ヤマタノオロチに大量のお酒
で酔っ払わせて、その隙に一気に首を
切り落とし、退治することに成功しました。
スサノオは、約束通り、クシナダ姫と結婚
し、出雲の国に新居を構え、幸せに子孫を
増やしていきました。
その後、時は流れ、スサノオとクシナダ姫
の子孫であるオオクニヌシの話となります。
オオクニヌシには、兄弟がたくさんおり、
その兄弟全員がヤガミヒメという同じ人
を好きになるという状況になりました。
オオクニヌシは、兄弟の中でもいじられ
キャラという感じだったのですが、
ヤガミヒメから気に入られたのは、
オオクニヌシでした。
それを見ていて面白くないと思った兄弟
たちから、オオクニヌシは壮絶なイジメ
を受け、ついには殺されてしまいます。
その状況を可哀想だと思った天の神に
よって、オオクニヌシは生き返らせて
もらったのですが、また、兄弟たちから
壮絶なイジメを受け、殺されてしまいます。
天の神によってまた生き返らせてもらい
ますが、オオクニヌシはこのままではヤバイ
と思い、先祖であるスサノオが住んでいると
ころに逃げ込みました。
オオクニヌシは、スサノオからも厳しい
試練を与えられますが、それになんとか
耐えたことを認められて、「お前が国を
治めろ」とスサノオから言われ、出雲を
治めることになりました。
その動きを見ていて気になった天の国の
アマテラスは、地上の国を治めているの
がスサノオの子孫であることに納得が
いかず、地上に何回か使いの者を送り、
交渉の結果、オオクニヌシの治めていた
国は、アマテラスのものになりました。
アマテラスに国を譲るときの条件として
建ててもらったのが、出雲大社という
わけです。
その後、アマテラスは、自分の孫である
ニニギに国を治めさせることにしました。
ニニギは、地上に降りると、今でいう九州
のあたりで、サクヤヒメという美女と
出会いました。
サクヤヒメと結婚することになるのですが、
お父さんから姉ちゃんもよろしくね、
と言われたからという理由で、サクヤヒメ
の姉のイワナガヒメとも一緒になること
になりました。
ニニギは、イワナガヒメが好みのタイプ
ではなかったので、イワナガヒメを
追っ払ってしまいました。
しかし、お父さんが姉妹を一緒にさせた
のには意味がありました。
サクヤヒメは、桜のように華やかだが、
桜のように命は短命、イワナガヒメは、
容姿は醜いが岩のように長く栄える、
という意味があったのです。
ニニギは、容姿だけに気を取られ、
イワナガヒメを追い出してしまったので、
それがきっかけとなって、神様が持つ
不死の能力が剥奪されることになって
しまいました。
ここが神から人への変わり目と言われて
います。
そして、ニニギとサクヤヒメの子孫で
あるイワレビコの話に移ります。
初代天皇が誕生(神武天皇の即位)する
ことになります。
イワレビコは、「この地はご先祖様が治めて
下さっていた、この良い流れを広めるべく
東にも進出しよう。」と考えました。
そうして、大和(今の奈良県)を目指しました。大和まで進んでいき、そこを治めて
いた勢力と戦って、苦戦を強いられますが、
最終的には勝つことになりました。
イワレビコは、戦いに勝利し、そこを治めるべく、大和を都にして暮らすことを宣言した
ので、この時にイワレビコは、神武天皇に
即位したと言われています。
つまり、日本の初代天皇は、イワレビコだ
と言われています。
そこから時は流れて、10代後の崇神天皇の
時代へと進みます。
その時代は、疫病が流行り、植物は枯れ、
国民の半分以上が死んでしまうという
非常事態となりました。
崇神天皇は、その名の通り、神祭りを
大切にされているので、朝から晩まで祈り
を捧げていました。
するとある時、崇神天皇は、「その土地の大物主から、私を祀れば、国は鎮まると言われる」夢を見ました。
その夢の通りにしてみると、疫病は収まり、
作物は育ち、国は元通りになりました。
そこで、崇神天皇は、神所(神様がまつられている土地)や神戸という神様に特別に奉仕する人などを定めました。このように、
神様にまつわる人や土地のルールを定めた
わけですが、これが今の神社制度の始まり
だとも言われています。
次の11代目、垂仁天皇の時代には、先代の
崇神天皇が神祭りを大切にした影響もあり、
アマテラスを祀るために、もっと良い場所
を探させる事にも注力しました。
各地を転々とし、伊勢の国に辿り着いた時
に、「伊勢の国は美しい。ここにいたい。」
という声が聞こえたので、その言葉通り、
伊勢に社を構えることにしました。
そこで初めて、アマテラスは地上に天下り
されたということになります。
次の12代目、景行天皇の時代に話は進みます。この時代には、大和には従わないぞ
という反対勢力の熊襲という今の九州南部
の勢力がいました。そこで、景行天皇は、
息子のヤマトタケルに熊襲を制圧するよう
お願いをしました。
ヤマトタケルは、見事に制圧して帰って
きました。すると、西側は問題無くなった
ので、東側も制圧してほしいということ
で、ヤマトタケルは、関東、東北を制圧
します。
しかし、東北を制圧した後の帰り道で、
山の神の祟りにあうことで、息絶えること
になってしまいました。
後に天皇になると思われていたヤマトタケル
は、白い大きな鳥となって、天界へと
羽ばたいていきました。
次は、ヤマトタケルの子孫である14代目
仲哀天皇の時代へと移ります。
仲哀天皇の妻である神功皇后の身体に
突然、アマテラスが乗り移りました。
それは、新羅(今の朝鮮半島)を目指しなさい
ということを伝えるためでした。
その言葉を疑った仲哀天皇は、呪いにより
死んでしまいましたので、神功皇后自らが
新羅を攻めに行くことを決意しました。
神様の力が味方した神功皇后は、一気に
新羅を制圧することができました。
そして、16代目、仁徳天皇の時代は、まさに
国民ファーストと呼べる政治でした。
仁徳天皇は、高台から街を見下ろした時に、
煙が上がっていない様子を見て、国民は
ご飯を炊けていないんだと気づきました。
それで、国民への課税と労役を全て廃止
して、自らも極貧生活を送ることに
しました。その甲斐あってか、国民は
食べるものに苦労しなくなりました。
また、街から煙が出ている様子を見た
仁徳天皇は、非常に喜んだそうです。
このことから仁徳天皇は、聖帝(ひじり
のみかど)と徳の高い天皇と後々まで
言い伝えられるようになりました。
この後も血脈は受け継がれていき、最終的
には、33代推古天皇まで受け継がれると
いうところで、古事記は終了!となって
います。
実際には、もっと細かい描写などもあり、
人によって解釈が異なる部分がある可能性
もありますが、そういったところは、
専門家に任せたり、自身で興味がある方は
深掘りしていっても良いと思います。
ここまで、お付き合い頂き、ありがとう
ございました!
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