フリーランスに限らず注意すべきこと(社会保険編)

前回の事前準備と年金編から、かなり時間が空いてしまいましたが、ようやく書き切ることができました・・・

前回の記事はこちら


ということで、今回は「社会保険」編です。

社会保険と言われるとかなり大きな区分けになってイメージしづらいかもしれません。僕自身、社会保険と言われても何を指すのかパッと思いつきません。

『日本の社会保険制度はしっかりしている』というのは聞いたことがあるのですが、その内容についてよく分かってないのは損だなぁということで、ちゃんと調べた上でまとめていきたいと思います。

社会保険とは?

社会保険とは、病気やケガ、失業などの万が一のリスクに備えるための公的保険制度です。

社会保険には以下の5つがあります。

  • 医療保険

  • 年金保険

  • 介護保険

  • 雇用保険

  • 労災保険

この5つについて、それぞれまとめていきます。


医療保険

「医療保険」とあると分かりにくいですが、基本的には一番なじみのある保険の「健康保険」のことを指していると考えてよさそうです。

医療保険には「被用者保険」「国民健康保険」「後期高齢者医療制度」の3つがあり、ざっくり説明だと
「被用者保険」:企業に属している人が入っている保険
「国民健康保険」:企業に属していない人が入っている保険
「後期高齢者医療制度」:後期高齢者になると入る保険
のような形ですね。

下記ページの説明と図が分かりやすいので、詳しく知りたい方はぜひチェックしてみてください。


被用者保険と国民健康保険の違い

働いている世代で考えると、被用者保険と国民健康保険の違いが気になるところです。

一番大きな違いは、被用者保険の場合、保険料を企業が半分払ってくれるというところじゃないでしょうか。
もちろん残りの半分は自分で払わないと行けませんが、国民健康保険は全額自分で払う必要があります。

あとは、被用者保険には傷病手当金や出産手当金などが設定されていることがほとんどですが、国民健康保険にはそういった手当金は原則ありません。

ただし、コロナ禍などで療養せざるを得ず、働くことが出来なくなった場合に、国民健康保険でも傷病手当金を出す自治体も多いようです。

例として、渋谷区と大阪市のリンクを貼りましたが、国民健康保険だから傷病手当金の対象外だ・・・と思っていた方は自身の自治体のホームページなどを確認してみるとよいかもです。
該当ページがあれば、「自治体名 傷病手当金」で検索すれば引っかかるはずです。


国民健康保険にも種類がある

ここまで「国民健康保険」という言葉を使ってきましたが、実は国民健康保険は以下の2種類があります。

  • 市区町村国民健康保険

  • 国民健康保険組合

詳細は厚生労働省の「国民健康保険制度の概要」というドキュメントに書かれているので、ここでは割愛しますが、簡単に書くと、

市区町村の方は、その地区に住んでいたら誰でも入れる国民健康保険で、組合の方は、その地区に住んでいて、なおかつ同業種で働いている人が入れる国民健康保険になります。

保険料や給付内容に違いがあるかもしれませんので、働いている場合は市区町村の国民健康保険に入る前に、組合の方の内容も確認してみるとよさそうです。


年金保険

20歳になったら払い始める「国民年金」のイメージが強いですが、これは全員が加入する年金ですね。

国民年金の保険料は誰でも同じで、2021年度だと16,610円になります。

会社員だと給与明細を見ても「国民年金」の項目はなく、次に説明する「厚生年金」の項目しかありません。
これは、国民年金の保険料を払っていないとか、国民年金が厚生年金に切り替わっているとかではなく、厚生年金として国民年金分もまとめて支払っている形になります。

専業主ふの方も国民年金の保険料を払っていない気がしているかもしれませんが、配偶者の扶養家族になっている場合は配偶者が払っている形になっているので、心配しなくても大丈夫です。

あと、学生向けには学生納付特例制度、収入が減少したり失業した場合に面諸制度や納付猶予制度があったりします。
(詳細はリンク先をご確認ください)

国民年金の保険料を払っていたら、65歳以上になったらもらえる「老齢基礎年金」のためと思いがちですが、他にも病気やケガで障害が残った場合にもらえる「障害基礎年金」と本人が死亡した場合に妻や子供に支給される「遺族基礎年金」があります。


年金保険の被保険者は3種類に分かれていて、ざっくり説明だと、
 第1号被保険者:フリーランスや自営業
 第2号被保険者:会社員や公務員
 第3号被保険者:扶養家族
の3つに分かれます。
国民年金は1~3号で共通です。

また、日本の公的年金はよく「2階建て」と言われているらしいのですが、その1階にあたるのが先ほどの国民年金、2階にあたるのが「厚生年金」とのこと。

厚生年金は、第2号被保険者だけの制度で、保険料は18.3%です。
何の18.3%なのかは日本年金機構のページに詳しく書かれていますが、ざっくり給与や賞与に対しての18.3%と思っておけばよさそうですね。

ただ、この18.3%の半分を会社が負担してくれます!
厚生年金、なんてステキな制度なんだ・・・

ここまでで説明した、国民年金と厚生年金、この2つが公的年金と呼ばれているものです。

公的年金があるのであれば、私的年金というものもあります。
第1号被保険者だけど、1階部分の年金だけでは心配・・・という方は私的年金で3階部分を作ることができます!
(3階部分を作れるのは、第1号被保険者だけというわけではありませんが)

その代表格が「iDeCo」と呼ばれているものなのですが、これについての説明はまた別の記事で。

ちょっとややこしいかもしれませんが、厚労省のページにある図を見ると、年金の仕組みが分かりやすいかもしれません。


介護保険

40歳から払う必要がある保険で、その名の通り、要介護状態などになった時に介護サービスを安く受けられますよ(多くの場合は1割負担)、というものです。

保険料の支払いは、医療保険とまとめて支払うことになるので、40歳になったら急に医療保険の料金が上がったなぁと感じるかもしれません。
年金がもらえる65歳になると、年金から天引きされた状態で年金を受け取ることになります。

実際の保険料がいくらになるかは、加入している医療保険によって異なるので、知りたい方は自身がかにゅうしている医療保険のWebページなどで調べてみてください。

僕が現在加入しているところだと、1.8%でした。

介護保険は、会社員とフリーランスとの大きな違いはないので、特に気にすることはないかもしれませんが、40歳になって支払が発生した時にびっくりしないようにだけしておくとよいかもです。


雇用保険

雇用保険と言われても何のことかピンとこないかもしれませんが、一番分かりやすい例だと、いわゆる失業保険と言われているものの原資として払っているものになります。

正確には、

失業や育児・介護などによる休業で収入が減った際に、労働者の生活を支えるために設けられた強制保険制度

https://www.obc.co.jp/360/list/post154

ですが、対象者の条件があり、

(1) 31日以上引き続き雇用されることが見込まれること
(2) 1週間の所定労働時間が20時間以上であること

https://www.obc.co.jp/360/list/post154

となっています。
アルバイトでも条件を満たせば対象となります。(学生は除く)

雇用保険は複数加入することはできません。
例えば、メインは会社Aで働いていて、会社Bで副業していて、どちらの会社でも上記の条件を満たしている場合、基本的にメインで働いている会社Aで雇用保険に加入して、会社Bでは加入しない形になります。
(健康保険や年金保険は会社Aと会社Bの給与に合わせて按分されます)

保険料は業種によって変わりますが、0.9%~1.2%になります。
厚生労働省:令和3年度の雇用保険料率について

失業保険以外にも「教育訓練給付金」や「育児休業給付金」「介護休業給付金」などがあり、失業した時だけでなく、在職中でも支給される給付金もありますので、気になるものがある場合は詳細を調べてみてください。


労災保険

「労災保険」だとピンとこないかもしれませんが、いわゆる「労災」と呼ばれているものです。

業務中や通勤途中に、怪我をしたり病気になったりした時に給付金が支払われます。
(通勤経路を会社に確認されるのは、交通費の計算だけでなく、労災保険の対象となる経路を決めるためでもあるわけですね)

これは、一人でも雇用が発生している会社は加入する義務があり、他の社会保険と違い、会社が全額負担する保険になります。

労災として認められるかどうかは、労働基準監査の確認結果によります。
なので、なんでもかんでも労災になるわけではありません。
労災認定されなかった場合は、治療などは自己負担になります。

詳しくはこちらを見てみてください。


というわけで

社会保険について説明してきましたが、会社員の方がかなり手厚い内容となっています。

フリーランスも一応のメリットとして「社会保険の保険料は全額控除できる」というのがあります。どうせ払わないといけないものなので、控除の対象にするのを忘れないようにしましょう!


次はiDeCoやNISAについてまとめる予定です。
なるべく早めに公開できるように頑張ります・・・

ではでは!

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