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日記 2024/7/25 理由

自分は何のために演劇をしているんだろう
どんな目標のために演劇をしているんだろう
質問として聞かれたときにおいそれと答えることが出来ない。

昼間、初めましての方と話す機会があった。知り合い伝てで紹介され、普段はすっとばす自己紹介をする。「いわゆる小劇場と呼ばれる界隈で俳優をやってます」活動して6年にもなると知り合いのほとんどは近しい団体や共演者ばかりになる。表現を生業にしてなくて、観に行く習慣もなくて、学校やバイト先で一緒になったわけでもない、となるとそんな知り合いはほとんどいない。自分が常識にしていることを今一度言葉にして説明する。仕事でのありきたりな悩みや活動では稼げないこと。自分は今は安定した暮らしが出来ているが、東京に帰ったらまたどうするのかわからない。お金がなくていいと思っていたのに、お金があることの安心感を知ってしまうと、その安心を失うことに抵抗がある。周りを見回すと知り合いの多くは都内に実家がある。そのアドバンテージがたまに羨ましくなってしまう。隣の芝生が青いだけで、一人暮らしの身軽さも昔の私からしたら相当に羨ましいことなのだが。「れなさんは今後どうなりたいなどの目標はありますか?」と聞かれた。どうなりたいんだろう。今みたいに自分の出来ることを活かしてそれだけで生活できるようになりたい。それは確かに目標ではあるけれど、一方でそんなこと実現可能なのだろうか?と思う。何かを犠牲にした結果なんじゃないかとか、自分のしたい活動でそれが可能なのか、想像がつかない。小劇場が大好きだけれど、小劇場だけで生活することはできない。それが今の私の常識である。

お話した方はとても親切で、私のたどたどしい説明に耳を傾けてくれた。私が今どういう状況にいるかを話すことが何かの役に立つならいくらでも話したい。なぜ演劇をしているのか、うまく説明できないけれど、説明できないからずっと続けているような気もしてきた。続けた先に何があるのかこの目で見てみたい。それが今の自分の理由なんだろう。

夜になって映画美学校の募集ガイダンスを視聴した。京都に来てからの自分の変化が面白い。もっと変わっていく自分が見てみたい。6年間、ずっと舞台に立ち続けてきて私は経験値と比例して、ある意味中身が絞りかすのようになってきている。パンが発酵するみたいに、自分を膨らませたい。発酵欲。学校に通いたい。学費やらなんやらまかなえるように金銭的余裕をどう生み出すか、今一番の悩み事である。

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