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日記 4/2 飛ぶおしり

今日は3年ぶりに小学校の同級生に会った。
ことごとく人間関係を継続できず3年経つとまるごと周囲の人が入れ替わってしまう自分にとって彼女は稀有な存在で、15年以上関係が続いているのは彼女くらい。毎日のように遊んでいた小学生時代とは違い、一旦私が地方に移住したこともあって、関係は年単位で途切れ途切れだけど連絡不精な私に唯一いまもLINEをくれる幼なじみである。人前で上手く振る舞えないコンプレックスがある自分を鑑みてみると、3年ぶりの再会に自分のコミュニケーションが耐えうる自信は正直なかったけど、会ってみたら会話が途切れることもなく沈黙を恐れることもなくあっという間に4時間が経って「じゃ」と恙なく解散した。

どもどものろのろとどちらかというと人をイラつかせる方向でコミュニケーションに焦りが滲み出る自分が今日は不思議なくらい落ち着いて話せたのが変だった。いつも人と出かけると緊張して食べ物をぼろぼろ口からこぼしたり、座り方がおかしくて腰を痛めたり、どもって何も伝わらなかったりするけれど、そういう普段の自分とは別人のように彼女には挨拶をし近況を述べ食事ができて変だった。

ずっと私が行きたかった三燈舎というカレー屋でお腹がいっぱいになった後にキャンプ用品店に行った。彼女はクレジットカードが止まったらしく私から8000円を借りて新しいリュックサックを購入し、背負っていたリュックサックを新たなリュックサックに何でもない顔で収納していた。リュックサックを購入したあとに喫茶店にも入ったので彼女のケーキセットも私が一時的に払うことになった。彼女が話していた昔話のほとんどを私は覚えていなかったけど、時折鮮明に十何年ぶりかに立ち現れる記憶もあった。東日本大地震のときに一緒にいたのは彼女だったし、私が書いた恥ずかしい手紙をこの世で最も多く所有しているのも彼女。それを今日思い出して、思い出せたのが楽しかった。彼女は私を見て「もう何年も変わらないね」と言っていた。正直それを聞いて私は、もう語る術がないくらい自分の中身が変わった実感あるけどなと思ったけれど、確かに彼女といるときの私は標準として何年も変わらないのかもしれない。会話の内容を私はどんどん忘れてしまうからそれはもう書かないでそのままにしておくけど「昔から伶奈は内容じゃなくてその周りのことをやりたがるよね」と言われたのには納得したし、納得したわりには忘れそうだからここに書いとく。

そういえば喫茶店の机に空を飛んでる桃が描いてあるタイルが貼ってあって、私が「空を飛んでる桃だ!」と言うと彼女は「おしりでしょ」と言っていた。お尻が飛んでたらかわいいけど、でもやっぱり私は桃だと思う。写真で見ても桃だし。次はパーコー麺を食べる約束をした。

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