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何かを始める時は「最悪を想定」した方がうまくいく

長女が2歳のときに突然立つことも歩くこともできなくなった。

きっかけは不明で、保育園でママがお迎えに行って帰ろうとした時に急に「痛い」と言い出したので、その日は仕方がないからベビーカーと抱っこで連れて帰ったと聞いた。

LINEで連絡を受けた当初は、単に歩くのが嫌でゴネたのではないかと楽観視していたが、僕が仕事から帰ってからも家でハイハイや膝立ち歩きをする。気を紛らせて立たせようとすると、ギャンギャン泣きだす。

「あ、これ本当に痛いんだわ。」

ぶつけたわけじゃない、前後に高熱を出してもいない、股関節ではなくて膝下が痛い。年齢と症状に併せてググるが出てくる病状が厳しいものばかり。
脊髄炎、脳神経疾患、腫瘍、、、。
この時点で僕は「最悪を想定」した。

病院で診断した結果

翌日、大きな病院で足のレントゲンとエコーの検査をしたが、骨折や脱臼、腫瘍などもなく、膝に水もたまっていない。原因不明である。
安心どころかこうなると一段と怖い。

前日調べた中でも最悪のシナリオの「脳神経の疾患」を疑った。
医者からは「頭部をぶつけていない2歳幼児に対しては、被爆の観点から脳のCT検査は積極的に推奨できない」と言われたものの、被爆のリスクと最悪事態を早期発見するベネフィットを天秤にかけて、やはり僕はどうしても確認しておきたかった。

こうしてnoteに書くことで2歳児への虐待?といった批判を受けるかもしれないが「脳神経系の疾患」の有無は、親としてはどうしてもこのタイミングで知っておきたかった。結局、脳に異常が見つからず経過観察となったが、この時にCTで確認した判断は間違ってなかったと今でも思っている。

その後一週間、全く変化がなく歩けなかったが、両手を持ってゆっくりと立ちあがらせた時に生まれたての小鹿のようにヒョロヒョロと歩きだした。もう妻共に感動である。

たくさん心配して、朝起きるたびに夢だったら良いのにと思ったり、他人からしたら大袈裟かもしれないが「最悪を想定」した将来のことまで考えていたので、この時は安心感も合わさった分、長女が初めて歩きだした時よりも感動が大きかった。

のちに医者は「足を着いたときに一瞬足に痛みがはしり、そのトラウマで歩けなくなったとみるのが一番自然な見解」と論じていたが、それは歩けるようになったからこそ理由づけられるものであり、原因究明には全く意味のない見解である。

たしかに「痛い」と言う患者を前にした最中に医者の立場で「トラウマのような精神論」を結論づけることは、悪魔の証明と同じ理屈で難しいのだろう。だからこそ思うが、患者側は「最悪な事態(深刻な事態)」を自ら調べ、そして想定し手遅れにならいように積極的に医者に働きかけることが必要だと思う。自分の身や、家族のことを医者に完全に一存してしまい、もしも取り返しがつかなくなってしまっては後悔しきれない。

いいシナリオばかりを思い描く人達

これを読んでいる人からすると信じられないかもしれないが、僕の周囲や過去の部下には
「起業します!何で食っていくかは資格をとってから考えます!」
「新しいベンチャー企業で最初は月間10万の給与ですが数年後には年収1000万も夢じゃないのでここに人生かけます!」
という人たちが実際に存在している。
そういった人たちを助長するかのように自己啓発系の商材では無責任に「嫌ならすぐに会社を辞めろ!」と煽っているものもよく目にする。

こういうのを真に受けてすぐに行動して後悔する人達を見ていると「きっと良いシナリオしか思い描いていないんだろうな」と思う。
実際になんとかなる人もいるかもしれないが、僕はなんともならない人をたくさん見てきた。

自分にとって、周りの人にとってメリットになる挑戦は大いにすべきだと思う。「どうせ周りの人に反対されるから」「どうせ自分には無理だから」と、消極的になるのはよくないというのも同意できる。
しかし、最悪を想定しないでする挑戦はただのギャンブルである。

「会社を辞める」のは失敗したら致命的な状況に陥る可能性がある。そして家族がいれば家族の人生も大きく変わる。
一方で「絶対に失敗しない選択肢」はありえない。だから今の自分の環境に不満があるなら、どこかで思いきって飛び出さなければいけない。

じゃあどうすればいいのか?
まずは粛々と「地盤を固める作業」である。やりたいことを始めるために、最低限の準備が必要である。準備しすぎるといつまで経っても始められない。だから準備は最低限がいい。「何が最低限の準備」なのかは人によって異なるとは思うが、僕は「2年間、無収入になっても今の生活を維持できるだけの貯金」 だと思う。

僕は40代の管理職である。
うちの会社はコロナで大ダメージを受けて未だに業績回復には程遠い。
もし「早期退職制度で退職金に24ヶ月分上乗せされる」のであれば今の会社を僕はおそらく辞める。退職金は横流しで資産運用にまわすが、2年間の上乗せ分を2年間の生活費に充てることで、新事業であっても軌道にのせるにはそれなりの時間があり、余裕をもって新しい世界へのチャレンジができる気がするのだ。

「最悪を想定」した株式投資

ここまで散々「最悪を想定した」防御リテラシーの話をしておいて、僕はnoteで公開している通り株式投資を積極的に行っている。

月末の口座公開は「子ども口座」分だけに留めているが、メインの夫婦それぞれの口座を含めた家族の総資産は1日に平均的に70〜80万円変動するほどに種銭が膨れあがっている。
我が家では資産の大半を株式投資に回している状況だ。

これをみると持論とかなり矛盾して見えるかもしれないがそうではない。僕はインカムゲイン(配当金)にしか興味がない。正確に言うとリーマンショック後に「最悪を想定」するようになって方向転換した。

僕の株の選定基準は

①累進配当方針 
②配当性向40%未満 
③配当利回り3.5%以上 
④成長性(堅実にゆるやかに増収増益)

この4つである。
仮に5%の配当利回りの株を買って、株価が半分になっても10年もてば総額の配当金で投資額の50%補填(5%✕10年)できるから±0である(税金非考慮)。
20年持って株価が同じなら総額の配当金で100% (5%✕20年)である。つまり資産2倍である。

配当性向が40%未満であれば増配余地が十分にあるし、累進配当方針なら企業は積極的に増配する。また成長性があれば長期保有も安全だ。

先の計算では10年後、20年後も配当金が変わらないと想定して計算したものであるが、①〜④に当てはまる株であれば年々「増配」が期待できるので放置しておくだけで10年で配当金総額含めた資産が投資額の2倍になることはさほど珍しいことではない。
増配した配当金を手にしたら再度①〜④に該当する株に投資(配当再投資)。雪だるま方式で配当金を積み上げる。これが僕にとっては一番再現性が高く「良いシナリオ」を実現できた方法である。株に絶対はないが、僕は外部環境に影響されにくい比較的安全な投資法を採用している。

「最悪を想定する」ことと「チャレンジする」こと

「何が最も最悪か」を把握することで、それを避ける為にやるべきことの優先順位をつけられる。これを考えておかないと、その都度「正しい選択」をしたと思っていても、既に取り返しがつかない中での「正しさ」であってドツボにはまってしまう。最悪は何かを想定しておけば、病気であっても、転職であっても、株であっても実際にトラブルが起きたときに、「最悪にはならない方」を選択することができる。

だからチャレンジをするな、ではない。
チャレンジする時に最悪を想定しといた方が比較的成功する確率があがると言いたいのだ。

失敗をしない人ばかりの社会より、失敗をしまくってもチャレンジする人が多い社会のほうが素敵であることは間違いない。
最悪を想定した上で、自分が評価されることを怖がらずに市場に出すこと。
人生において本当に大事なのはこれだと思う。


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