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オコリンボウのジジイに‘’圧倒的真顔‘’で睨みつけられた親子を救ったのは…満を持した…アレだった

先々週の土曜日。
長女の保育園の時からの友達家族、
総勢14人(大人6人、子ども8人)の大所帯で
意気揚々いきようようと近隣の川に遊びに行った。

暑い、とにかく暑い。
もはや真夏である。

現地に10時に到着したところ、
川中そして川沿いは清涼感せいりょうかんを求めた老若男女ですでにあふれかえっていた。

ボクら‘’仲良し大人グループ‘’は、
高架下こうかした日陰ひかげに陣取って、
足だけを水につけながら子ども達のワイキャイする姿をながめ見し、

ときに互いのキャラをイジり倒し、
ときに集団の同調圧力に屈し、
ときに突っ込み不在のボケにバカ笑いをし、

それはもう騒々そうぞうしい日常を忘れさせてくれるほどに、満面笑顔な時間をエンジョイしていた。

そんな最中さなかだった。

穏やかな休日の一コマを切り裂く一撃が
ズドンと堕ちた。

地響きに似た怒鳴り声が
ボクら陣営の‘’後方‘’からものすごい勢いで飛んできたのだ。

「おい!自転車はすぐに上がらんか!!」

誰かが怒っている。
なにやらブチ切れている。
図太い貫禄のある重低音ヴォイス。
顔を見ずともわかる。

声の主はきっと長老男性であろう。

その怒号どごうで一瞬にして周囲はピリつき、
ボクら陣営のみならず、そこら中にいた周囲が皆一様みないちように声のする方に目を向けた。

頭髪量や白髪具合、そして風貌ふうぼうからして70歳後半であろうか。
鬼の形相ぎょうそうで仁王立ちし、15m幅の川を挟んだ対岸ににらみをきかせている。
何かを思い詰めたかのような‘’圧倒的真顔‘’。
常軌じょうきを逸した長老特有のたたずまい。

ジジイが標的した視線の先。

その対岸に目を向けると、
30代のパパと、小学校低学年の少年が自転車でゆっくりと進行していた。

パパはママチャリ、
少年はピカピカのマウンテンバイク。
パパが先導し、それに金魚のフンのように付いていく少年。

まさしく休日親子のほのぼのとした光景であった。

しかし、怒号の一撃がちた瞬間。
その穏やかな空気は一変した。

二人は恐れおののき、
ペダルぎを止めて自転車に乗ったまま地面に足をつき、パッとこちら側の岸を見た。

ジジイが仁王立ちしている。
それも圧倒的真顔で。

親子は
一瞬、はて?何が起こったのだろう?
なんだか怖いなあ、という感覚だったであろう。見るからに、頭の上にクエスチョンマークが100個くらい出ていた。

実際、怒りに満ちて‘’圧倒的真顔‘’のジジイが
15mも離れた対岸から自分たちをにらみつけてくれば、理由の如何いかんに関わらず誰でも恐怖するはずだ。

ジジイは、中途半端に鼻下にかけてたマスクを右手で軽やかにはずした。
いよいよ戦闘態勢に入ったのだ。

ジジイの近くにいたボクは、
あらわになったジジイの顔をじっと見てみた。

あれれ?

不意に鼻から、白い鼻毛が出ていることを発見した。
ボクの距離と角度からはよく見える。

完全に出ている。

“圧倒的真顔で怒っていながらの鼻毛”
さすがにこれは、そうとう貫禄かんろくがない。

マヌケである。

しばらくすると、なにかムズムズしたのだろうか。自らの鼻の穴付近を触りまくり、毛がふれる感触を何往復もして確かめ始めた。
そして鼻毛が出てることに確信をもったジジイは、親指と人差し指を駆使くしし、自らの鼻毛をブチッっと抜いた。

鏡を見ることも無く自分の鼻毛を抜く事ができる高い技術力を堂々と若造に見せつけ、先輩かぜをビュービュー吹かせたのだ。

それにしてもこの記事。
先ほどから何度も何度もジジイの描写びょうしゃを繰り返しているだけで、話が一向に進もうとしない。たいへん申し訳ない。

「ここは自転車乗り入れ禁止区域!即刻、ここから立ち去らんか!」

鼻毛を処理したジジイが自信満々に
目一杯の肺活量を駆使してガラガラ声で叫んだ。

鼻毛処理の先輩かぜとは一転。

その罵声には人生の先輩としての風格も、
品性のかけらもなく、
さすがにこれには川の中でワイキャイと水遊びをしていた子どもたちまでもが、

鬼が現れたと
驚き、そして身構え、
ジジイの方に目をやった。

その常軌じょうきいっし具合からようやく状況を理解した自転車パパ。
それでもまったく状況がみ込めずにキョトンとする少年。

おそらく
パパは‘’乗り入れ禁止‘’だと知らなかった。
少年は世に‘’自転車通行禁止区域‘’たるものがあることを知らなかった。

少年が深くかぶるヘルメットの様相が、ルールを知っていながらもやぶるような“不良親子“ではないことをまさに証明していた。

買ってもらったばかりの真新しい自転車に乗って、パパと子でウキウキとサイクリングをエンジョイしていた休日。

ただただ、それだけである。

しかし、不運にも 度重たびかさなるジジイの怒号によって、大多数から目を向けられ注目を浴びた親子。

どう立ち回ればいいのか分からずパニックにおちいりワナワナと困惑するパパ。そんなパパを悲しそうに見つめる少年。

あぁ、これは…。

ボクの脳裏のうりに、あの日の遠い記憶がよみがえってきた。

遠い日の記憶、銭湯での出来事

ボクは幼い頃、父ちゃんから厳しくしつけられた。
他人の家庭のことはよく分からないが、
それでも日本中の父ちゃんを並べたときに
上位10%には確実に入ってくるレベルであろう厳しい父ちゃんであった。

挨拶、礼儀・マナーができなければ、
家に帰ってから何時間も説教される。
当時は時代的な流れもあって、コツンやパチンが飛んでくることなんて日常茶飯事にちじょうさはんじ

他人にイヤな思いをさせることが、
ナニを差し置いても重罪である。
アホでもいい。礼節だけはちゃんとしろ!
そんな‘’マナー警察‘’のもとで少年期のボクは成長していった。

そう。
父ちゃんは、正義感の強いスーパーマン。
父ちゃんは、 杓子定規しゃくしじょうぎのマジメ人間。

幼い頃のボクは、疑いようもなくそう評していた。

そんなある日のことだった。

小学1年の時、
初めて銭湯に家族で行った。
向かう車中において、すでに父ちゃんの‘’マナー警察‘’の仕事ぶりは炸裂さくれつしていた。
風呂場で騒ぐな、走り回るな、
少しでも他人様に迷惑をかけることがあったら即刻帰る。

散々、マナーを叩き込まれたことで、
萎縮いしゅくしてしまったボクと姉ちゃんは、銭湯に到着してから一言もコトバを発しなかった。

そしてお行儀よく
母ちゃんと姉ちゃんは女湯へ。
父ちゃんとボクは男湯へと分かれ風呂場に突入した。

女性諸君にはいささか想像が難しいかもしれないが、‘’銭湯‘’とは、

全裸のオトコ達が互いの陰茎をチラ見し合い、そしてオトコとしての地位を争う過酷な戦場である。

銭湯という戦場において、
顔面偏差値、年齢や学歴、金融資産や運動神経、ましてや会社の役職や人脈と言ったモノは、何の価値も成さない。

そこでの勝敗は‘’陰茎のサイズ‘’で決まる。
サイズこそがオトコの価値を雄弁ゆうべんに物語るのだ。

貧乏ニートでも一瞬にして群れの頂点に立つ。そんな一発逆転のアメリカン・ドリームを掴める場。それが銭湯なのだ。 
(※本当か冗談かの判断は各自、願います。)

銭湯内では
タオルで股間を隠す敗者と、
タオルを股間にあてがわずドシドシと歩く勝者とに
2パターンに分かれるが、当時の父ちゃんは明確に前者だった。

父ちゃんは、タオルでしっかりと股間を隠しながら洗い場まで行き、
身体と頭髪をきれいに洗浄した後、
またしてもしっかりとタオルで股間を隠しながら浴槽へと向かった。

ボクも同様に父ちゃんを真似るように、一丁前にしっかりと股間をタオルで隠し、金魚のフンのように親父の後について浴槽へと向かった。

すると、そこには先客がいて、
常連と思われる60歳くらいの長老が優雅に湯船に浸かっていた。

ハゲ頭にタオルを乗せ
陰茎を丸出しにし、
向かうところ敵無しという表情で群れの長を気取った様相であった。

父ちゃんが浴槽に入ったその時だった。

‘’タオルを湯船につけるな!マナーだろ!‘’

風呂中に‘’群れの長‘’の怒号が響きわたった。

父ちゃんは、身体が湯船にかるまでタオルで股間を隠し、完全にかってからタオルを湯船から取り出したのだ。

一瞬ではあったが、タオルが湯に浸かった。
これが気にくわなかったのだろう。
群れの長は、父ちゃんを叱りつけた。

‘’あぁ。すみません‘’

あ。
父ちゃんが怒られて謝った。
あんなにマナーに厳しい父ちゃんが、マナー違反で怒られた。

少年だったボクに、その光景はなんとも残酷だった。なぜか分からないけども
何か得体えたいの知れない感情に襲われた感覚を今でもハッキリと覚えている。

父ちゃんでもあんな罵声ばせいを浴びるんだ。

その後、親子の会話はなかった。
ほどなくして無言のまま風呂を上がり、帰りの車中も3人は盛り上がる中、父ちゃんだけは無言だった。

あのとき父ちゃんはナニを思ったのだろう。
それを考えると今でも心が窮屈きゅうくつになる。

もしかしたら、そのときのトラウマかもしれない。

ボクは今でも
感情的になって人前で大声で怒るヒトや短気なヒトは、問答無用もんどうむようで苦手である。

というより、人との摩擦というか険悪な空気というか、とにかく、あれが死ぬ程苦手なのだ。

‥………う〜ん、ここまでで4000字。

この後に控える川での意外な結末、不意にボクに注目が集まってしまったクダリもクソ長い。
これに人前で怒る‘’正義マン‘’に対する教訓を入れた全編で

結局7500字になりましたので、

一旦ここで切ります涙

続きは次週。

なげーよ、バカ。

ジジイの鼻毛のくだりの細かくてしつこい描写がいらねぇんだよ。

ごめんなさい。
でも、これすべてノンフィクションです。

それでは約3年ぶりに田舎に帰ります。
ボクに厳格だった父ちゃんは、いまや孫に度を超えて優しすぎるのだ。

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