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同じテーマの中から他のエリアと学び、自分の地域の取り組みを磨く ‐チャレコミギャザリング2023秋レポート(和歌山県田辺市編)

みなさんこんにちは。チャレコミ事務局の瀬沼です。
現在チャレコミでは半年に1度の研修会であるギャザリングが開催されています。
コロナ前までは東京に集まり、研修を行っていましたが、コロナ禍でのオンライン移行を経て、今年からそれぞれの会員団体のエリアに訪問しながらお互いの取り組みを学び合う形式に変化しています。

今回は和歌山県田辺市で開催された「和歌山での高卒人材採用の事業展開戦略を考える」をテーマにしたフィールドワークの様子から各地域の学び合いの様子をお届けします。

和歌山県田辺市での開催目的

今回ホストを担当したのは株式会社TODAY
和歌山県の南紀エリアを中心に高校生の居場所づくりや大学生のインターンシップ事業などを展開しています。

そんな中で「これまで採用できていた高卒者が全然採用できない」と田辺市内の企業は本格的な人手不足への焦りを感じている。そのために何か自社としてできる打ち手を探したい。ということでチャレコミとしても最近話題に上がることの多い「高校生」をテーマに他地域の取り組みから事業戦略を考えたい、と手を挙げてくれました。

特に企業が高校生の採用に苦戦している理由として、以下の3つがあげられるそう。

 ①これまで高卒就職していた高校が進学率を上げている(和歌山市内に和歌山大学があるだけなので大学=県外になります。)
 ②工場・建設業の待遇改善(週休2日、残業なし)を進めており人手が必要となっている
 ③高卒就職率が高い工業高校への求人票は、県内・近畿圏から1000件以上。そのうち100件程度しかマッチングしない。高校生の目には先輩がいるから..という理由だけで継続採用していない企業は目に止まらないため採用が難しい。

弊社では大学生のインターンシップ、1週間の仕事体験、高校生の1dayインターンを行なっていますが、どれも採用に即効性のあるものではないと思います。即効性があり、地域で高卒人材を育成していく仕組みづくりを行いたいと考えています。

どのようなフィールドワークを行ったのか?をお伝えする前にまずは参加者の声とホストとして受け入れたTODAY山田さんからの声をご紹介させてください。

参加者の声

今回がはじめてのギャザリングで、似たような課題に向き合う団体の人たちと直接お話でき、とても気づきの多い時間を過ごす事ができました。こうした横断した繋がりは新しい発見や柔軟な思考を産むのでとてもいい機会なんだと実感しています。また、今回紀伊田辺という場を訪れる事ができたことも、とても良かったです。オンラインや文書で話を聞き読むのとはやはり大きく違ったし、その現場をどうしていくといいのか、ということを考えるのも臨場感を感じながら考えられました。全国で課題に向き合い、本気で変えていこうとしている人たちが集まる機会はこれからもあるといいなと思います。また、現地訪問の大切さを感じました。ギャザリング受け入れ、いろいろな地域で出来るといいなと思いました。(入社2年目・コーディネート団体スタッフの方より)

地理的環境や高校生を取り巻く環境など宮古と似ている部分が多く、親近感を持ってお話を聞かせてもらいました。 今回の経験を踏まえ、宮古でも高校生の居場所やキャリア支援を更に進めていきます。また情報交換できれば嬉しいです!いつかギャザリングを宮古市で開催したいと思う気持ちが強くなりました。(チャレコミ1年目・コーディネート団体代表の方より)

アスバシが取り組む愛知での事例を受けて、地元企業さんがどう考えるかという場までご一緒させてもらいました。後工務店さん、前向きでとてもいいな&伸びるだろう(会社もそうかもですが、経営者として)と感じました。私も岡山で工務店の高卒採用&人材育成や新たな展開も伴走支援していますので、また意見交換しましょう。(チャレコミ10年以上・コーディネート団体代表の方より)

ホストとしての学び

1)今回の受け入れについては、自分自身が一番興味関心の高い「若手(高卒)人材の育成方法/アプレンティスシップの活用」というテーマにしました。事前にアスバシの毛受さん・小柳さんからオンラインで情報提供いただいており、学びの場を2回持った上で、現地に来ていただくことで田辺という地域に合ったアプレンティスシップを考えていただくことができました。アプレンティスシップの理解が深まった上に、自地域のアクションにも繋げられたことが大きな実りです。意見交換会にも市役所・民間企業に来ていただきましたし、皆さんにアドバイスもたくさんいただいたので共に取り組んでいく未来が見えました。

2)チャレコミ最古参とチャレコミ新人が共通のテーマに沿って学び合うことができました。
チャレコミの先駆者たちは熱量・ビジョンが高く、若手・新人のメンバーからすると憧れの存在をすごく近くに感じました。フラットな関係性で話ができる皆さんとの時間が貴重でした。また宮古市や八戸市・アスクネットさんの現場に行きたいと思いました。

3)教育界全体(全国)の大きな部分はアスバシさんにお任せして、地域で同様の挑戦を生み出していくことができればうねりにつながると感じました。日々の会話からキャリアデザインやインターンシップなど常に来てもらえる場所(トウザン荘)があるのはTODAYの強みではあるので大事に育てていこうと思います。エリア内で少人数の若手人材の変化は影響力が高いので地道に真摯に向き合っていきます。

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チャレコミは現在40団体以上が会員になっていますが、長期実践型インターンシップの取り組みが中心だったところから、今回のように高校生といった新しいテーマで各地域が様々な取り組みを展開しています。
一方で、新しい取り組みの土台となっているのはチャレコミの「地域×若者×挑戦」の思いと、それを支えるためのノウハウとネットワーク。

団体が多くなったからこそ、同じテーマ・関心を持つ団体同士が活動の現場に行くことで、学び、高めあう機会になるのだと感じました。

改めて当日のタイムラインもご覧ください。

タイムライン

2023年9月22日(金)10:30〜13:00 フィールドワーク

早めに到着した参加者の方と一緒にフィールドワーク

 田辺市街地(闘鶏神社、駅前商店街の街並みや成り立ちを説明)

12:00 昼食

丼が名物の宝来寿司にて昼食。ここから合流する人も増えました。

13:00〜14:30 オリエンテーション

TODAYが運営する「しゃべってもいい高校生の自習室 トウザン荘」に移動。オリエンテーションなどを行いました。

・アイスブレイク&参加者の自己紹介
・田辺の情報共有
・TODAYは何をしようとしているのか、課題感の共有
 ・アプレンティスシップに興味を持ったきっかけ
 ・意見交換会のくる企業紹介、学校紹介など

15:00〜17:00 アプレンティスシップ意見交換会

今回の目的の一つだった地元の皆さんを招いたアプレンティスシップに関する意見交換会を実施。地元企業4社・市役所の方など地域の関係者の方々にお集まりいただきました。

事前にチラシを作成し、地元の経営者や市役所の方々などにご案内いただきました
アプレンティスシップについてプレゼンするアスバシ代表の毛受さん

・アスバシ毛受さんからの話題提供
 ‐愛知での高校生インターンの取り組みについて
 ‐イギリスでのアプレンティスシップ制度について
・質疑応答
・グループディスカッション
  ①アプレンティスシップのことを詳しく知りたい、考えたい
  ②若者にUターンしてもらうまちづくりについて
  ③ユースセンターのあり方について
・全体共有

18:00~ 懇親会

地元の食材を使った美味しい食事も堪能しました♪

2023年9月23日(土)10:00-13:00 振り返り

翌日は再びトウザン荘に集まって、今回の学びを自分のエリアにどう持って帰るか落とし込んでいきました。

・アイスブレイク&体操
・昨日の学びの言語化
・自分のエリアだとしたらどんな取り組みができる?田辺をケースに考えてみよう!

13:00- 喫茶ゴリラにて昼食
15:00 解散(商店街散策)

17:00- 後工務店の実践型インターンシップ報告会@上富田

最後はオプションのオプションで夏休みのインターンシップで隣町の上富田町に来ていた学生たちの成果報告会に参加させていただきました。
地域の方もたくさん集まっていただき、インターン生たちが取り組んできた軌跡を存分に感じることができるとても素敵な報告会でした。

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チャレコミでは一緒に地域に挑戦の生態系をつくる仲間を募集しています。
ご関心を持っていただいた方は以下のホームページからお問い合わせください。


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