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何のために挑戦するのか

私は、外資の医療機器メーカーで16年間勤務しておりました。
自分で言うのもなんなのですが、それなりの重要なポジションで
それなりに重要な案件を任されており、
そこそこのお給料もいただいておりました。

会社には貢献できている自負はありましたが、
社会に貢献できているのかどうか、と悩むことが
増えてきました。

その思いがだんだん、だんだん大きくなり
また、お世話になり育ててくれた、この業界に何か貢献したいと思い
2020年2月に新しい旅立ちをスタートさせました。
(その直後に、新型コロナウイルスショックが始まりました。大誤算です)

数年後、どのようになっているのか分かりません。
うまくいってても、うまくいってなかったとしても
なぜ、挑戦したのかを書くことはないだろうなぁ~と思ったので
ここで書き記しておきます。

お読みいただいて、何か思われることがありましたらコメントください。*****************************************************************************

「聞こえの課題」を、ゼロにする。

聞こえに関わる課題について考えてみると、
それは身体機能的なものだけでなく、
あらゆるところに要因があると思うのです。

適切な補聴器は選べるようになっているのか、
周りのサポートは適切になされているのか、
医療はベストなサポートができているのか、
社内の制度は整っているのか…。

そのすべてを解決しなければいけないし、
ミクロな視点、マクロな視点、両方からの
アプローチが必要です。

私たちは、これらすべてを
「聞こえの課題」と呼ぶことにしました。
そして、この課題をひとつずつ解決し、
最終的にゼロにすることを目標に活動をはじめました。


すべての課題に、まず、気づくこと。

「聞こえ」に関わることは、目に見えないもの。
課題も見えにくいことがあります。

場合によっては、それがまだ、
課題とすら思われていないことも多いのです。
だからこそ、顕在化されていない課題すらも、
私たちは、気づけるようにしたいと思います。

言語化されていないけれど、
ストレスや何かの行動を制限する原因となっているような課題。
将来的に顕在化してくる、課題の種となるようなこと。

そういうもの、すべて含めて「聞こえの課題」を捉えていく。
それも、私たちが大切にすること。


必要としている人に、必要なものを、
適切に届けること。

補聴器によって生活の質を改善できるのに、使っていない人がいる。
補聴器を検討しはじめたのはいいけど、
どう選んでいいのかわからず途方にくれている人がいる。

まず、課題解決としてアプローチするのは、補聴器に関すること。
本当に必要なものが、本当に必要としている人に届いていない現状を、
変えなくてはいけないと思いました。

たとえば、
正しい情報がユーザーに伝われば、心理的なバリアは減らせる。
正しい検査を行い適切な器具を提供できれば、外してしまうバリアは減らせる。
正しい流通構造にしてお求めやすい価格にできれば、経済的なバリアは減らせる。

行いたいのは、エンドユーザーの目線から
仕組みを見つめ直し、不健全なところは正していくこと。

理想の販売店とは、何か。
そのあり方を、問うことからはじめたいと思います。
自分たちが、販売店の1プレイヤーになり、理想のお店をつくり、
販売店の内側から業界を変えていきます。

本人だけの課題から、周り全ての課題に。

聴覚の課題において「周り」は、本当に大切です。

家族、友人、学校の先生、医師、同僚など「周りの人」。
家庭、学校、職場、病院、公共施設など「周りの場所」。

気づかなくて、見過ごされてしまっていること。
何かしたいと思っているのに、何もできないでいること。
何を、どうサポートすればいいのか、
戸惑ってしまうこと。

聴覚障害のある人と、その周りの人や場所。
その間にはいって「聞こえの課題」を解決していく。
誰よりも細やかな気付きで、ひとつずつ紐解いていくように、
課題と向き合っていきたいと思います。


福祉ではなく、ビジネスだからできること。

ひとつひとつの課題に、きちんと対応していくのは大事。
でも、それだけでは、だめだと思うのです。

早さ、と、ダイナミクスをもって動かなければ、
今後、急速に増えていく、「聞こえの課題」に対応できないから。

誰よりも早く、誰よりも正しく応えていくためには、
公共的なアプローチでもなく、NPOでもなく、ビジネスがいいと思いました。

ビジネスだから、医療と福祉とも、柔軟に連携をとっていくことができる。
ビジネスだから、理想論に走りすぎず、社内と対話しながら広げることができる。

ビジネスとして、社会課題に立ち向かうことが、私たちのベスト。
そう、強く信じて、私たちは船出をしています。


「聞こえの課題」に関わるプロを、増やす

「聞こえの課題」に対して、社会はまだまだ発展途上。
だから、関わっている人たちのレベルもまちまちです。

しかし、だからこそ。
いま、きちんとプロを育てなければと思うのです。

自分自身で「考えて」成長していける人材。
「聞こえの課題」を抱えている人の自立を
360度の視点をもってサポートしていける人材。
そんなプロをきちんと育てていければと考えています。

仕組みを変えていくこと。人を育てていくこと。
2つができれば、「いま」は未来に向かって、
いい方向に確実に変わっていくと思うのです。


「聞こえの課題」がある人を、
社会を牽引する人に。

聞こえについての課題が、
毎日の生活や自己実現のバリアになっていること。
そのひとつひとつを、ていねいに外していくこと。

この仕事に人生を捧げたいと思ったのは、
障害のある、なしに関わらず、
人の可能性を信じているから。

社会に取り残されている、と自分も諦めかけている人も、
社会を牽引する人になるポテンシャルがあるはずだから。
「聞こえの課題」をもった社長がつぎつぎ生まれる、
未来をつくれるはずだと思うのです。

本人を変え、周りの人を変え、周りの環境を変えていくことで、
最終的には「障害」をいう概念自体をなくしていく。
そんな未来をつくっていくことに、私たちの活動が
つながっていると信じています。

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これは、一緒に挑戦し始めた共同経営者と考えたものです。
お読みいただき、ありがとうございました。

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