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聞こえ方のグラデーション

グラデーションとは?

写真・絵画などの濃淡の段階的な推移。階調。ぼかし。濃淡法。
(大辞林より)

一般的には、色の濃淡や別の色への変異していく様を表現したものを
グラデーションといいますよね。

では、聞こえ方のグラデーションって何でしょう?

耳が悪い方のことを聴覚障害者っと表現したりします。
聴覚障害者って聞くと、コミュニケーション方法は
手話を使ってらっしゃると、多くの方は思い浮かべるようです。

もちろん手話を使われてコミュニケーションをされる方も
いらっしゃいますので、まったく間違いではありません。

とはいっても聴覚障害者の中で手話でコミュニケーションが
できる方は限られています。
以前何かの資料で、聴覚障害者の中の2割くらいしかできない、とのことでした。

聴覚障害者の多くの方は、手話を使わず(というより、手話を使える方が少ないのが現状)音声でコミュニケーションをとってます。
耳で聞いて理解している、ということです。

耳が聞こえないといっても全く聞こえないわけでもなく
”小さな音が聞こえない” であったり、
”他にじゃまする音があるので聞こえない” というのが実際のところです。
つまり、聞こえにも程度分類、濃淡があるということです。

難聴の程度

このような表を見たことありますか?

左側のグラフのようなものは、オージオグラムといって聴力測定の結果を
表しているものです。

オージオグラムは、縦軸に音の大きさ、横軸に音の種類で示されています。
音の大きさを表現するときの単位は、dB(デシベル)で用い、
音の種類を表現するときの単位は、Hz(ヘルツ)を用います。

音の種類については、次回以降の記事で紹介します。
ここでは縦軸の音の大きさ、つまり聴力レベルで
聞こえ方のグラデーションがあることをご紹介します。

聴力レベルは、軽度難聴、中等度難聴、高度難聴、重度難聴の
4つの分類されています。(難聴の程度分類 をご参照ください)

聴力レベルの違いで区切られた4つの分類で、不便に感じる程度も
異なります。

軽度難聴:小さな声や騒音下での会話の聞き間違いや聞き取り困難を自覚する。会議などでの聞き取り改善目的では、補聴器の適応となることもある。

中等度難聴:普通の大きさの声の会話の聞き間違いや聞き取り困難を自覚する。補聴器の良い適応となる。

高度難聴:非常に大きい声か補聴器を用いないと会話が聞こえない。しかし、聞こえても聞き取りには限界がある。

重度難聴:補聴器でも、聞き取れないことが多い。人工内耳の装用が考慮される。

難聴の程度が違うと不便に感じる程度が異なります。
補聴器などの機器を適切に使えば改善できる方もいれば、それ以上に周りの方の配慮が必要になる方もいらっしゃいます。
ちなみに普段の会話の時の声の大きさは、大体55~60dBと言われています。

耳が悪い方だけが努力してもうまくいかない時は、まわりの方がその方に
あわせて適切なサポートができるのが理想です。

適切なサポートするためには、聴力低下には程度分類があって、
それぞれでどれくらい困っているのか、
どの部分に配慮する必要があるのか、などを知っておく必要があります。

耳のきこえに困っていないし、身の回りにも聴覚障害の方がいないし
自分には関係ないなぁ~と思っている方も多いと思います。

それは、ごく自然なことですし、関係ないと思っていることを
責める気は毛頭ありません。

でも、高齢者といわれる65歳以上になると難聴有病率が急増すると
いう研究報告も出ております。(こちらをご参照ください
知らないより知っておいた方がいいのは間違いないので、
ぜひ、知っておいてください。
そして、もし周りに聞こえに困っていそうな方がおられたら、
どのようなサポートが必要なのかを、ちょっと聞いてみてあげてください。

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