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『ぼくは川のように話す』

本屋さんでなんとなく手に取ってみて、
あぁこりゃいい!
って思えるのって、まぁある時はあって、
この絵本もそうして購入に至りました。


著者であり詩人でもあり吃音のあるジョーダン・スコットが、自らの実体験を表したもの。
そして、それを受けてのシドニー・スミスの絵が、ほんっと素晴らしい。
何も知らずにパラパラとめくり少し文章をかいつまんで、
あぁ多分そういうことなんだろう、と思ったけれど、
それよりも絵に引き込まれて。
特にこのページ。


4ページ使っていて、本当に、水面の揺らぎ、光の反射、柔らかさ。
どれをとってもすごくいい、とてもいい。語彙力ない。
けれど、ほんといい。
正直、文章の字体をもう少し考えれんかったかなぁ、とは思う。
表紙の字体は内容ともリンクしていいのだけれど、
そこがどこか絵も、文章も、ちょい殺してしまってるなぁ、とも思ったり。
けれど、それ以上に絵が素晴らしい。
吃音の方の悩みや苦しみを、父と川に行く前の絵では濁りぼやけで心情をよく表せてるし、ラストから3ページ目2ページ目あたりなんかは、心に川があり、その流れがあることによって心情が落ち着いている様子というかな、それが感じ取れて。
本当にね、自然を見て、自分の悩みを重ね合わせると、なんとなく解決したりね。
主人公の彼の場合は、父の一言があったからこそなんだろうけれど。
どうしようもなく海を見たくなったり、山の中へ行きたくなったり。
そういう時は、自然の中で癒し、その流れを取り入れる時なんだろうって思います。
兎にも角にも、この絵本、いいです。おすすめです。
スミスの『お花をあげる』も良書で、大好きな絵本です。短編映画のような絵本で、絵本の可能性を広げてくれています。

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