携帯電話契約時の本人確認に関する悪質な記事空之まめ空之まめ2024年6月19日 16:59PDF魚拓



携帯電話契約時の本人確認について、マイナンバーカードの読み取りが義務化となるというような内容の記事がSNSで話題となっていました。元になっている記事を読みましたが、とてもわかりにくい書き方です。見出しなどから、すぐにでもマイナンバーカードがないと契約できなくなると思わせる書き方でしたが、別の記事を読むとそうではないことがわかりました。

TBSテレビの記事

SNSでは、下記の記事が拡散されていました。
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1236374?display=1
携帯契約の本人確認、マイナンバーカードの読み取り義務化へ 運転免許証などの券面確認は「廃止」

TBSテレビ 2024年6月18日(火) 09:36



政府は携帯電話や電話転送サービスを「対面」で契約する際、事業者に対し、マイナンバーカードなどに搭載されているICチップの読み取りを本人確認方法として義務付けることを決定しました。



運転免許証などの本人確認書類の券面偽造による携帯電話の不正契約が相次いでいることなどを受けた措置で、政府は今後、ICチップの読み取りアプリの開発を検討するとしています。



インターネットなどを通じた「非対面」での契約の際には、▼顔写真のない健康保険証などの本人確認書類や、▼運転免許証の画像を送信する方法は廃止し、原則としてマイナンバーカードに一本化するということです。

警察庁によりますと、今年1月から4月までの間、全国のSNSを使った投資詐欺の認知件数は2508件、被害額はおよそ334億3000万円に上っています。

政府はこうした対応によって、携帯電話を用いた特殊詐欺などの犯罪を減らしたい考えです。
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1236374?display=1
見出しと内容が一致していなくて、一度読んだだけでは意味がよくわかりませんでした。

まず、「携帯契約の本人確認、マイナンバーカードの読み取り義務化へ」という見出しがミスリードだと思います。

本文には、対面の場合は「マイナンバーカードなどに搭載されているICチップの読み取りを本人確認方法として義務付けることを決定しました」と書かれており、マイナンバーカードだけとは書いていません。

見出しは「マイナンバーカードの読み取り義務化」ではなく、「ICチップの読み取り義務化」とするべきではないのでしょうか。



ITmedia NEWS

一方、ITmedia NEWSの記事は、とても丁寧に書かれています。以下、一部引用です。
ICチップが組み込まれた身分証には、マイナンバーカードの他に運転免許証や在留カードなどがある。デジタル庁に、マイナンバーカード以外でIC読み取りに対応する身分証を聞いたところ「“等”の部分については現状では明文化されていないため、デジタル庁からは回答できない。マイナンバーカードについてはデジタル庁の所管なので、今朝の河野太郎デジタル大臣の記者会見などを通して案内した」と答えた。



デジタル庁では携帯電話契約時のICチップ読み取りの際に必要になる専用アプリの開発を検討するという。
https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2406/18/news137.html
マイナンバーカード「など」の部分について、ちゃんとデジタル庁に確認しています。

明文化されていないという回答だったようですが、運転免許証やパスポートにもICチップが入っているので、使える可能性があります。

TBSの記事には、それについて全く触れていないのが悪質です。

上記の記事には、元になっている資料や大臣会見動画もきちんと示されています。

国民を詐欺から守るための総合対策
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/hanzai/kettei/240618/honbun.pdf
https://youtu.be/xIkZB8ftbZg
原則一本化、それからICチップの読み取り義務化のための省令改正を制度所管省庁であります警察庁、総務省と連携をしながら、現場の意見を聞きながら、できるだけ早期に省令改正をやりたいと思っております。
https://youtu.be/xIkZB8ftbZg
参考:携帯電話不正利用防止法
https://www.soumu.go.jp/main_content/000693214.pdf

TBSの記事を読んだだけだと、マイナ保険証と同じように、すぐにでもマイナンバーカードが必要になると思ってしまう人がいるかもしれません(下記参照)。6月いっぱいはnoteを書く時間があまり取れないのですが、TBSの記事があまりに悪質だったので、これも書かずにはいられませんでした
https://note.com/bunura/n/n137004ad29e0
ITmediaの記事は編集記者の方が書いているのだと思いますが、インボイスと電気料金値上げの関係について書いた方も、とても丁寧な記事でした。

私もそのような仕事を心がけたいと思いつつ、本業の執筆に戻ります!
https://note.com/bunura/n/n7401921d3917

携帯電話契約時の本人確認に関する悪質な記事





空之まめ

2024年6月19日 16:59



 デジタル庁は6月18日、携帯電話契約時の本人確認について、オンラインなどの非対面の場合はマイナンバーカードのICチップを使った方法に原則一本化すると発表した。対面契約の場合も、マイナンバーカードなどのICチップ読み取りでの本人確認を義務化する。



携帯電話契約時の本人確認にICチップの読み取りを義務化

 首相官邸では同日、犯罪対策閣僚会議を実施。国民を詐欺から守る対策として身分証のICチップを活用した施策を盛り込んだ資料「国民を詐欺から守るための総合対策」を公開した。それによると、対面での本人確認には「マイナンバーカード等のICチップ情報の読み取りを犯罪収益移転防止法及び携帯電話不正利用防止法の本人確認において義務付ける」(原文ママ)と記載している。





「国民を詐欺から守るための総合対策」から引用

 ICチップが組み込まれた身分証には、マイナンバーカードの他に運転免許証や在留カードなどがある。デジタル庁に、マイナンバーカード以外でIC読み取りに対応する身分証を聞いたところ「“等”の部分については現状では明文化されていないため、デジタル庁からは回答できない。マイナンバーカードについてはデジタル庁の所管なので、今朝の河野太郎デジタル大臣の記者会見などを通して案内した」と答えた。

 デジタル庁では携帯電話契約時のICチップ読み取りの際に必要になる専用アプリの開発を検討するという。



 携帯電話契約時の本人確認を巡っては、身分証を偽造して携帯電話の所有者になりすまし、機種変更やSIMの紛失、MNPなどを理由に携帯電話のSIMカードを再発行することで、被害者のSIMカードを乗っ取ってしまう「SIMスワップ」「SIMハイジャック」が問題視されていた。東京都の都議会議員や大阪府八尾市の市議会議員も被害に遭っており、デジタル庁はICチップ読み取りによる本人確認を推奨していた。

https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2406/18/news137.html
携帯契約の本人確認、“オンライン”はマイナカードのICチップ読み取りに一本化 対面もマイナカード“など”のIC読み取りが義務化

2024年06月18日 13時55分 公開

https://www.kantei.go.jp/jp/singi/hanzai/kettei/240618/honbun.pdf

https://www.soumu.go.jp/main_content/000693214.pdf