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皮膚病の漢方薬っていろいろあるのです

前回のお話しおさらい


皮膚病のいろいろについての漢方的考え方 
というテーマで前回お話し、note で発信しました。

「うちに病あれば必ず外に表れる」

前回のポッドキャスト(ラジオ収録)で間違えて話していたので
訂正です~ (^^;

✖内臓は皮膚の鏡✖ ではなくて
 正しくは 〇皮膚は内臓の鏡〇 です(^^♪

皮膚トラブルが起こったらば
体の中では皮膚のトラブルをおこすような異常が起こっている 
ということを、知る良いきっかけにしていただきたいです。


皮膚に発疹、蕁麻疹、等できると、できたところだけ気になりますし

単なる局部的な病変だと思いがち

でも、これは、全身的な状態が外に表れたものなのです。

食生活、生活リズム、ストレスが大きすぎないかなど、 見直すきっかけにしてくださいね。

漢方で考える皮膚病の原因となるものは


前回のおさらいになりますが
漢方では皮膚病の原因となるものは大きく3つと考えます。

①外からの邪として(風邪、熱邪、湿邪、燥邪、寒邪)

②内傷七情(怒、喜、思、憂、悲、恐、驚、 行き過ぎた感情が五臓に悪く作用)

③生活、食事の乱れ


これらを見直し、改善することで、皮膚の突発的なトラブルが改善されて、健康な皮膚に戻る人もいらっしゃいますが

なかなか、食生活や環境って変えられませんよね。
ままの生活を続けて、不適切な処置をして長引かせてしまうケースも実際は多いです。

そうなったら、漢方薬の力を借りて、早いうちに皮膚と内臓が正常になるようにすることをおすすめします。患った長さだけ、治るのにも時間がかかってしまいますから。

ということで、前回のお話しを踏まえていくつか代表的な漢方薬の紹介をします。

漢方薬は厚生労働省が漢方製剤に対して効能効果を認定した、『一般用漢方製剤承認基準』というものがありますので、形式ばっていますが、それも交えて記します。(タイプ、症状の記載)

◆黄連解毒湯 (黄芩、黄連、黄柏、山梔子)

タイプ: 比較的体力のあるのぼせ 顔が赤い いらいらする傾向のある人 症状: 鼻血、高血圧、不眠、ノイローゼ、胃炎、二日酔い、血の道症(女性の月経にまつわる)、めまい、動悸、湿疹、皮膚炎、かゆみのある皮膚病(搔痒病)

使われている生薬4つが すべて冷やす生薬からなる漢方薬で、炎症やかゆみをとる目的の漢方薬です。

漢方では、イライラ、怒り など 熱ととらえます。ですので、皮膚の炎症、かゆみ だけでなく イライラ、怒りっぽい のぼせ 等にも効果があるのです。


黄連、黄芩という生薬は、体の上、中 (上焦、中焦といいます)の熱を取る生薬で、胸のモヤモヤ、つかえ感を取ることもできます。

漢方では体を上焦、中焦、下焦3つに分けて考えています。
上焦(胸: 心・肺)  中焦( 腹部の上: 脾胃、 )
下焦(下腹部: 肝、腎、膀胱、腸) 

◆消風散  (石膏、知母、甘草、荊芥、防風、牛蒡子、蒼朮、蝉退、苦参、木通、当帰、地黄、胡麻)

タイプ:体力が中くらい 分泌物多く、かゆみ強く慢性的な皮膚病(湿疹、蕁麻疹、水虫、あせも、かゆみのある皮膚病)
症状:分泌物が多く、かゆみの強い慢性の皮膚病(湿疹、蕁麻疹、水虫、あせも、皮膚搔痒病

13種類の生薬が入っていて、皮膚を正常にするための効能を一緒に配合しています。

熱を冷まして炎症を取るための生薬・・・・石膏(硫酸カルシウム)、知母、苦参、牛蒡子 

痒みを止めるための生薬・・・・・・・・・防風、荊芥、蝉退、牛蒡子

滲出物、分泌物を抑える生薬・・・・蒼朮、木通 

血を補い、養う生薬・・・・・・地黄、当帰、胡麻

分泌物が出ていると血の水分不足になるので、 血を補い乾燥防ぐ生薬をしっかり使っています。 

生薬の内容、効能を知ると、消風散は分泌物多く、痒みを伴い、炎症のある皮膚疾患 に有効なのだということがわかりますね。  


次は、女性の皮膚炎によく出る漢方薬です。

◆温清飲(黄芩、黄連、黄柏、山梔子 当帰、川きゅう、芍薬、地黄 )

タイプ:体力中程度 皮膚の色つや悪く のぼせる
月経不順、困難、血の道症 更年期障害、神経症 などあるもの
症状:比較的乾燥した皮膚の炎症、皮膚の乾燥

乾燥タイプの皮膚炎には、肌を正常にするため
熱を取り炎症を静める 黄連解毒湯  と  血を補う 四物湯 を合わせた漢方薬である温清飲がよく出されます。

炎症と血虚が同時に起こっている状態に効く漢方薬が温性飲です。

熱を冷ます漢方薬(黄連解毒湯)は長期に飲むと冷やしすぎてしまうので

長期の治療が必要な場合は四物湯(血を養い、体の栄養分を補う)を併せ持つ、温清飲が安心です。


他にも、その方の体質と、皮膚病になった原因、症状によって、皮膚病を治す漢方薬はあります。またの機会にご紹介できたらと思います。

お肌の痒み、って本当に辛いですよね。
私も子供のころ、アトピー性皮膚炎だったことがありましたので
分かります。
掻いてはいけないと言われても、掻きむしって、血が出たり・・・
冬はしもやけがひどくなって、やはり掻きむしっていました・・・

これは『血』の問題だったなあと今はわかります。

肌のトラブルのある方、体質と原因を知って、早くわずらわし
さから解放されてほしいです。

東京杉並区にある「漢方ラボ チャカラティーズ」では
カウンセリングをしてその方に合った、漢方薬、薬膳茶、健康食品 をおすすめしています。
お気軽にご相談ください。

このnoteの内容はポッドキャストでラジオ配信しています。
こちらも良かったら聴いてくださいね。











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