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北朝鮮のコロナ対策(?)#56

みなさん、新型コロナウイルスによる感染症の流行が始まった当初のことを覚えていますでしょうか?

早いもので、あれからおおよそ5年。満を持してこのタイミングで、私とダンナが夫婦そろって陽性になったことをご報告します😷

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は, 2019年12月初旬に, 中国の武漢市で第1例目の感染者が報告されてから, わずか数カ月ほどの間にパンデミックと言われる世界的な流行となった。わが国においては, 2020年1月15日に最初の感染者が確認された後, 5月12日までに, 46都道府県において合計15,854人の感染者, 668人の死亡者が確認されている。

NIID国立感染研究所HPより

現在も根絶には程遠いとはいえ、もっと世の中がコロナまみれの時期はあったはず。よく5年もすり抜けてきたなと、我が家のことながら感心してしまいます。

小さい子どもがいる家庭では、特に母親が感染すると大変ですね。
ベタっとくっついてきて、チューすらしてくる幼児(長女)から離れることができず、体調が悪くてもずっと引きこもっていると暴動が起きそうなので、近所の散歩ぐらいはしなくてはなりません。

オペナースの経歴を持つ私は感染症対策には自信があったはずなのですが、親子間ではほぼゼロ対策に甘んじています😅

我が家のwithコロナ(死語?)はさておき、今回は北朝鮮当局のコロナ対策について紹介していきたいと思います。

コロナパンデミックの初期〜2022年4月までの推移について、北朝鮮は「金正恩の指導下により効果的な疫病政策でたった一人のウィルスの患者も出てない」と吹聴しつつ、外部との交流を完全に遮断してきました。

↑この文章を書きながら笑いそうになったのですが、フェイクニュースやネタではありません。これを国家として大マジメに発信できる恐ろしさよ…

その後、2022年4月に韓国の対北朝鮮ビラに接触した18歳の軍人と5歳の子どもが初めてコロナに感染したと公表しました。
(そんなわけあるかーい😑)

北朝鮮当局は一貫して感染者数や死亡者数を公表していません。統計が存在しないのはコロナに限ったことではありませんが…

驚くべきは、世界がコロナ感染者数を減らすべく大規模なイベントを減らす方向へ舵を切る中、北朝鮮は2022年4月に数万人を動員した軍事パレードの開催に踏み切ったことです。

北朝鮮が内情を明かさなくとも、そこで生まれ育った人は想像がつくと思います。

国の指揮下で行われる軍事パレードのような一大イベントに、どれだけの時間と労力が必要なのか…
軍人たちはテレビに映る数秒間のために、行進の練習を何万回、何十万回しているのか…
そういった生産性のかけらもない行事にかまけている間に、どれだけの命が失われただろうか…
ということを。

さらに深刻なのは、パンデミックを言い訳に北朝鮮当局は以前から目障りだった「ジャンマダン(市場)」の運営を禁じたことです。何度か過去の記事に書いてきましたが、ジャンマダンはまさに国民の生命線でした。

それに加えて、中国との国境を封鎖し、国境警備隊に現場で即座の射殺を許可したとのことです。その厳重さは「アリでさえ国境を越えられない」と言われるほど…

当然、飢え死にする人が大量に増えているとの報告もあります。

さて、コロナウィルスに対する北朝鮮の対応を見てみましょう。

国営の労働新聞は、症状が軽い人たちについて、ショウガやハニーサックル(スイカズラ)の茶、ヤナギの葉の飲み物を推奨している。

国営メディアはまた、朝晩に塩水でうがいをしているというカップルを取材した。さらに、”消毒液”を作るために”数千トンもの塩”が平壌に送られてきたと報じた。

BBC NEWSより

私が北朝鮮に住んでいた約20年前から、風邪をひいた時は”塩水でうがい”が一般的でした。

そして、サウナで汗を流す、走って汗を流す、オンドル(北朝鮮の床は煉炭で温かいです)で厚い布団を被って汗を流す、辛いものを食べて汗を流す…

とにもかくにも汗を流すことが推奨されていました。
“汗を流すと体調がよくなる”という信仰があるのは間違いありません。そして、ニンニクを食べると免疫が強くなるといった迷信も根強く残っています。

朝鮮中央テレビでもこういう内容が入った映画も流れていました。

私が北朝鮮を離れてから短くない歳月が過ぎましたが、ウィルスの種類に関係なく、北朝鮮の医療にはほとんど進歩が見られていないようです。

国営テレビはまた、イブプロフェンなどの鎮痛剤や、アモキシシリンといった抗生物質の使用を推奨している。

BBC NEWSより

鎮痛剤・抗生物質の使用を推奨してはいますが、国内生産がないため中国に頼るしかありません。中国との国境は封鎖されているので、結局のところ薬は手に入らないと思いますが…

軽症者は基本線として症状が治まるまで待つしかないとはいえ、鎮痛剤が使えないとなると、かなり辛い療養期間(使ってても辛いのに😥)を送ることになりそうです。
重症者はまず助からないでしょう💧

当時、韓国がアメリカのコロナワクチンを提供する意思を伝えたのにも関わらず、北朝鮮当局は断っています。

そして、コロナ対策にいくら注力しても足りない時期であった2020年以降、ほぼ人力で中国との国境に500km近くのフェンスが設置され、その付近に監視所が計6820カ所設置されたと国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチは発表しました。

呆れます…常に私の想像を超えた愚かな行動をする北朝鮮政府には言葉を失います。

しかし、私はこのような北朝鮮の過剰な対応は、ますます政権維持が厳しくなっていることの裏返しではないかと考えています。物理的なもので統制しないと国民の動きをコントロールできないでしょう。

今回の記事を書いてみて、私の中の総括は

“昨今の新型コロナウイルスによるパンデミックにおいて、北朝鮮では国家による特別な対策はなされなかった”

というものです。残念至極😑

“北朝鮮”とブラウザの検索窓に入力したら、胸がもどかしくなるような記事ではなく、もっと前向きで希望が持てるニュースを見られる日が1日でも早く訪れるように願います。

書きたいことはまだまだたくさんありますが、今日はこのあたりで。

ではまた👋





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