花について語りましょう! #25
私が日本に来てから長い年月が経ちました。
「アラサーとアラフォーの境目はどこにあるのだろう」と呟く今日この頃です。そんなことはさておき、年齢を重ねると、人は趣味や嗜好が変わってくるものですよね。
昔はそれほど好きでなかった、あんこの入っている和菓子がとても美味しく感じたり、あまり興味のなかったお花にも関心が出てきて、スーパーの一角で売っている500円程度の花をちょこっと購入して、キッチンに飾ったりするようになりました。サイズ感が絶妙にいいのです。
そんなわけで(?)今日は北朝鮮の花に関する内容です。
そうそう、私の誕生日と結婚記念日には、夫がいつも忘れずに花束をプレゼントしてくれます。(私は記念日に無頓着でほぼ忘れています😅)
いつも気遣いができる、優しくていい旦那です☺️
1.桜
日本を代表する花といえば、やはり桜でしょうか。
淡いピンクや白の花びらは、春が来て、新たな門出を祝う季節が訪れたことを教えてくれます。
私が大好きな花の一つです。
北朝鮮で暮らしていた時、家の近くの山奥に一本の古い桜の木がありました。
かつて北朝鮮では、桜の木は”日本による侵略の遺物である”として伐採されてしまった経緯があるので、普段見かけることはないのですが、その木はなぜか生き残っていました。
おそらく、人目につかない場所にあるので難を免れたのでしょう。
その桜の木を発見した時、母は少女のように大喜びしていました。
当時は何がそんなに嬉しいのかわからずポカンとしていた私ですが、今になって、故郷である日本の大切な思い出だったのだろうと振り返っています。(父と母は日本の生まれです)
それから母は毎年、春が近づくと山に行き、まだ小さい蕾の桜の枝を採ってきて家に飾るようになりました。
今は私にとっても、桜の花が故郷の大切な思い出の一つになっています。
2.木蘭
北朝鮮には国を象徴する国花があります。木蘭(オオバオオヤマレンゲ)という花です。
国花に選ばれた理由は、金日成(キムイルソン)の母親が好きだったという説が有力なようです。
しかし、国花である木蘭について国民はあまり知りません。
北朝鮮で暮らす誰もが知っていなければならない、絶対的に重要な花が他に存在するからです。
3.金日成花と金正日花
それは金日成花と金正日(キムジョンイル)花であります。
金日成花はラン科の花で、1965年4月にインドネシアを親善訪問した金日成にスカルノ大統領が金日成花と名付けて捧げた花であります。
また、金正日花は日本の植物学者がベゴニア科の新種に金正日花と名付けたといいます。
北朝鮮ではこれらの花を「不滅の花」とし、金一家崇拝の象徴として扱っています。
これらの花を綺麗に咲かせることが金一家への忠誠心の証とみなされており、花の管理を怠った人々は厳しい処罰の対象になります。
この花を作り、金一家の名付けをした植物学者らに物申したいです。
自分が作り出した新種の花を有名にしたい気持ちはわかりますが、その花がどのよう扱われるのか想像したことはあるのでしょうか。
北朝鮮では長い間、この花を綺麗に咲かせるためだけに人々がどれだけの犠牲を払い、時に罪を咎められたのか。そのことを認識してください。
美しい花には何の罪もないのに愚かなネーミングのせいで、4月(4月15日は金日成の誕生日)と2月(2月16日は金正日の誕生日)になると、この花を咲かせるために苦労していた時の苦々しい気持ちを思い出すのです…
4.ジンダルレ
北朝鮮の花といえばツツジ(ジンダルレ)も有名です。
金正日の母が好きだったという説もありますが、私は(日本の桜のように)春になると山のあちこちに咲いていて、庶民に親しまれているからだと思っています。
5.ケナリ
また、ジンダルレと同じように庶民に親しまれている花といえばケナリ(チョウセンレンギョウ)もあります。
ジンダルレとケナリはとても似ています。
これらの花は芳香も見た目の華やかさもなく素朴ですが、春になると北朝鮮のいたるところに咲いています。
ピンクと黄色の可愛らしい花びらが散りはじめると、小さな緑の葉が出てきます。緑の葉だけになった頃には春が去り、暑い夏が訪れます。
他にもいくつかありますが、北朝鮮での花の話はここまでにします。
もうすぐ春ですね。
今年もまた、北朝鮮中でジンダルレとケナリが綺麗に咲くでしょう。
北朝鮮にいる人々がジンダルレとケナリを見てほっこりできるような、心の平和と幸せが1日でも早く訪れますように🙏
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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