あまり知られていない北朝鮮のペット事情🐕🐈⬛ #39
今回は北朝鮮でのペット事情について書いていきますよ😻
この記事を書こうと思ったきっかけは、つい先日、近所のホームセンター(カ○ンズ)で保護猫の譲渡会をやっていたことです。とても可愛い猫ちゃんたちが勢揃い、目が青い子がいれば、毛が白い子もいて、うっとり見惚れてしまいました。
今はすっかり猫好きになった私ですが、もともとは完全な犬派。猫にはさして興味がありませんでした。猫派だった夫が”あの自分勝手で気ままな感じがたまらない”と語るのを、”私は犬が好き”と流していたぐらいです。
しかし、看護学校での勉強に集中すべく、シェアハウスから都内の広大な霊園近くのアパートに引っ越したことで、私の(猫に関する)運命は大きく変わることになります。
※看護学校へ入学した経緯などについては以下の記事をご参照ください
霊園の近くを選んだ理由は、私が”怪談好き”だからということではなく(苦手でも好きでもない)、家賃が魅力的だったことに尽きるのですが、そこが偶然にも桜と猫の名所だったのです。
おそらく、お墓が密集しているスポットをあえて散歩コースにする人は少数派かと思われます。
しかし、私が住んでいたのは花見の名所。桜が映えるように設計された景観は開けた明るい雰囲気で、ちょっと霊園の外に出れば小洒落たカフェやブティックが軒を連ねていたりするのです。
春になれば、満開の桜並木を家族連れやカップル、犬を散歩中の人などなどが通り過ぎていきます。
当然、見渡せばお墓だらけなのですが、その脇にニャンと、目を細めてちょこんと座り、日向ぼっこしている猫たちにも出会うことができるのです。
…か、かわいすぎる。
というわけで、今は猫も犬も両方とも大好きになりました❤️
いつも通り前置きが長くなっておりますが、いよいよ本題だワン🐶
もともと私が犬好きになったのは、北朝鮮で暮らしていたときに飼っていたからです。
マルチーズと狆(ちん)のハーフの女の子で、名前は「ミミ」でした。白くて長いフワッとした毛並みとクリクリとしたまん丸の目がとても可愛らしかったです。
ミミが我が家にやってきたきっかけは知り合いの紹介でした。シンガポールから来ていた貿易船の船長の愛犬だったらしいのですが、船から逃げて行方不明になってしまったと聞いています。
その後、船がシンガポールへ戻ってしまった後に発見されたミミ。港で働く人がこっそり連れて帰ることになりました。
しかし、北朝鮮の慢性的な食料不足は今も昔も変わりません。結局、育てることができず、売りに出すことになったそうです。
当時は2000年頃。北朝鮮は「苦難の行軍」といわれる、餓死者が数えきれないほど多く出た時代でした。ペットとして犬を飼う人はとても少なく、マルチーズや狆(ちん)といった外来の犬種は特に地方ではとりわけ珍しかったようです。
しかし、平壌にいるお金持ちの知り合いが血統の良い可愛いワンちゃんを飼っていて、遊びに行った際に少し羨ましいと思った時もありました。平壌ではさほど珍しいことでもないようでした。
今もそうだと思いますが、北朝鮮では平壌と地方との差はとても大きいです。
母はおもしろ半分で私を連れてミミを見にいきました。
ミミを見た瞬間、その可愛らしさに一目惚れした私は、何日間も母におねだりをすることになります。(ごく自然な成り行きなので反省はしていません)
粘り強い交渉の結果、ミミは家族の一員になることが決まったのでした。100ドルほど払ったと記憶しています。ピンと来ない方がいらっしゃるかもしれませんが、北朝鮮ではかなりの大金です。
北朝鮮で犬の飼育をする場合、当然のごとく餌は売ってないので、人間の食事を少し分けてあげていました。
ミミは好き嫌いが多く、魚や肉がないとご飯を食べなかったのを覚えています。うちの子たちみたい😂
北朝鮮における世間一般の常識を踏まえると、犬に白米をあげるなど考えられないことでした(特に田舎では)。なので、家の外ではその話をしないように両親からきつ〜く注意を受けたものです。
散歩などは家の庭で遊ばせたり、夕方に近くの公園に連れていったりしました。
ミミが体調を崩した時は?
獣医を育てる大学はありますが、動物病院という発想はありません。
テレビでは、“資本主義の国では街に飢えている人が多いのに、お金持ちは犬に洋服を着せて良い病院に行かせる”などと「資本主義の象徴的な悪い例」として、よく批判的に描かれていました。
では、大学を出た獣医は何をしているのか。
当然のように(?)国のために働きます。個人の動物病院など許されないのです。獣医は主に畑を耕す牛を診たり、国営の豚、うさぎ、鴨などの牧場で働いたりすることになります。
では、一般家庭で動物が病気にかかったときは…
基本的には自然治癒を待つのが基本で、どうしてもという場合は、人間と同じ薬を飲ませるしかありませんでした。
また、避妊手術についても同様です。
北朝鮮では、“生理が来たら交尾をさせて産ませる”が一般的でした。避妊という発想はありません。
うちに迎えてからしばらくすると、ミミにも生理が来ました。母は、可愛い雄の犬を飼っている家を探し、交尾することになりました。子供が生まれたら一匹あげるという約束です。
それからしばらくして、ミミはとても可愛い子を5匹も産んでくれました。その噂がどこから広まったのか今でも不思議なのですが、たくさんの人が犬を譲ってほしいと詰めかけてきました。
私たちが知らない間に、地方でも血統が良い犬をペットにすることが大流行になっていたようです。
なんと、1匹を500ドルで売ってくれという人も現れました。(当時、私の家族の1ヶ月の生活費は100ドルほど)譲渡のルートがルートなので、たいていは知り合いが引き取っていったように記憶しています。
それから半年に一度、ミミは子供を産み、両親は欲しがる人に売りました。今思うと完全にブリーダーですね。全くの想定外でしたが、ミミはとてもよく稼いでくれました。
そんなミミは、家に来てから7〜8年ほどで亡くなりました。悲しくて悲しくて、“こんなに泣いてもまだ涙が出るのか”と思うぐらい、泣きはらしたのを覚えています。
彼女が眠る場所は、家の前に生えていた柿の木の下になりました。柿の木を見るとミミの可愛い姿を今でも思い出します。
ミミは私たちの大切な家族で、たくさんの想い出(と少なくないお金😎)をくれました。
ありがとう、ミミ。
今回は犬についてだけ書いていますが、猫を飼っている家も多いですよ。知り合いの中でも結構いました。
日本と違うのは野良猫と野良犬がいないこと。
その理由は…
捕まって食料にされてしまうからです💀
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