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料理(2)シーフード・ピラフ

 ピラフと焼き飯が違う物だと知ったのはいつ頃だったろうか?

 私の生まれ故郷:大阪と、24歳でメジャーデビューと共に引っ越してから40年弱住んだ東京では色々と違うことが多い。例えば、カレーライスとライスカレーの違いを知った時は、少し「ほう」と驚いたっけ。

 大阪では家で食べるのがカレーライスで、デパートの上の方の階にあるレストランで食べるのがライスカレーだ。

 カレーライスは、牛肉が薄切りタイプでジャガイモが入っていて、ご飯に既に半分ルーがかかって、一つのお皿で出てくる。

 ライスカレーは、牛肉が角切りタイプでジャガイモは入っていないルーがアラジンの魔法のランプを半分にしたような金属の容器で、ご飯とは別々に出てくる。

 でも東京では反対らしい。家で食べるのがライスカレーで、レストランで食べるのがカレーライスなんだって。

 子供の頃の私は、ピラフと焼き飯の違いはそれみたいなものだと思っていた。家で食べるのが焼き飯、お店で食べるのがピラフ。

 大人は何で二つ違う呼び名を使うんだろう?めんどくさいな~と思ってた。

 でも、中学の家庭科でピラフを作る授業があった時に、この二つは違う物なのだと学んだ。遅い、かなぁ?

 ピラフとは、まず米を研いだ後で少しバターや油で炒めて、そこからスープや具を入れて炊き込む西洋の炊き込みご飯で、焼き飯は炊き上がったご飯を油で炒める物:チャーハンだということ。

 我が家では、焼き飯(チャーハン)とは、最初から作ろうと思って作る料理ではなかった。

 白ごはんが残っていてもったいないから、卵やハムやネギなどあり合わせのモノを入れて炒めて簡単に昼食や夜食として頂く物だった。

 でも、ピラフというとなんだか少し作るのがちょっとだけ大変そうで(全然そうではないのだが)、小エビが入っていて、少し「よそ行き」感のあるものだった。それは単に、我が家ではほとんどピラフは作らなかったからだろう。

 チャーハンもピラフも私は大好きだし、母は料理は何でもとても上手だったので母のチャーハンは絶品だった。

 高校生ぐらいになって、自分のお小遣いでたまに喫茶店などでコーヒーを飲んだり、カレーライスやスパゲティーを食べる余裕ができる年齢になった頃には、ピラフという名で喫茶店で出しているもののほとんどが焼き飯であることも学んだ。

 私が夏休みの間だけアルバイトしていた喫茶店でもピラフと言いながら焼き飯だった。

 そんなことで、私にとってピラフはとても曖昧な食べ物で、なんだか少し遠い存在の食べ物だ。

 ピラフというと思い出す人がいる。その人は、私が大学生の頃にアルバイトしていた、大阪:堺筋本町の「オーバーシーズ」というお店によく来ていたインド女性だ。

 オーバーシーズは、私がアルバイトを辞めた後に少し離れたところに引っ越ししながらも、今でもあるお店で、マスターの寺井さんはジャズピアニストでもある。伝説的な名ピアニスト:トミー・フラナガンの大ファンというか、ほぼ神のような感じで崇拝していらっしゃって、お店の名前も、そのフラナガン氏のアルバムタイトルから拝借したとのことだった。

 ライブもやっていたお店だったが、私は完全にウェイトレスとして働いていたので、寺井さんは私の歌を聞いたことはない。あれから40年ほど経つ今も、多分、ないだろう。

 有名な帝人ビルのお向かいにあったそのお店は、ビルのオーナーさんが多分外国の方で、3階建てだったと思うけど、一階分が普通の建物の2階分あった。だから実質6階建てぐらいの高さ。

 説明が下手だけど、いわゆる、一つの部屋の奥に階段があって、2階部分があるということだ。その分天井が高く、南国によくある感じで、天井には大きな扇風機が回っていた。

 一階がオーバーシーズで、2階と3階は、タイシルクや真珠などの貿易?をしていた事務所で、その事務所には東南アジア系の方が常に出入りしていた。

 西洋の人が日本人・中国人・韓国人を見分けられないように、我々もなかなか東南アジア諸国の人たちを、国別で見分けられない。

 私はそれなりに英語が話せたので、その事務所の関係の方や、見た目ではっきりと外国人とわかるお客様が来店された時は「眞実ちゃん、行ってきて」と、もう一人のアルバイトのウェイトレスの子に接客をまかされていた。

 そこには、エキゾチックな美人がよく来ていた。

 いつも同じ男性と二人で仕事の休憩がてら?来店していて、全く同じものをオーダーするのですぐ覚えた。

「ホットとレモンティー、ハムなしのピラフください」と。一緒に来られていた男性の分も一緒に彼女がオーダー。男性はあまり日本語が上手じゃなかった。

 いつしか彼女と話をする様になり、神戸在住のインド女性だということがわかった。私に一番最初に英語を教えてくれたシーラ・ケマニー先生と、その次に教えてくれたシーラの妹のアルナ・ケマニー先生も神戸在住のインド女性なので、話をしてみたら、なんと知っていると仰った。

 共通の知り合いの存在もあり、週に2~3回来店していたその女性とは少し馴染みになった。判で押したように、という表現がぴったりで、同じものをオーダーする彼女。

 宗教の関係でハムは食べられないとのこと。

 魅力的な女性だったな。

 彼女はきっと、ピラフと焼き飯は違うものだということをご存知だったと思うし、自分がオーダーして食しているものはピラフじゃなく焼き飯だということに気付いていたと思う。だけど、その焼き飯をきっと好きだったんだろうな。オーバーシーズのシェフが作るピラフ、おいしかったしね。

 寺井さん、インド女性、一緒に来てた男性、シーラ&アルナ、シェフ、みんな元気にしてて欲しい。


 というわけで、ピラフ、作ってみたよ。

 私は炊飯器で作るので、めっちゃ楽ちん。

 炊飯器さん、ありがとう。



 材料や調味料などは大体の目安なので、色々、好みで調整してね。

【材料】

米:2合

冷凍シーフードミックス:200gくらい、お好みで

マッシュルーム水煮:缶詰:50g

玉ねぎ:4分の1

人参:3分の1

ピーマン:1個

バター:炒め用:小さじ1ぐらい

    仕上げ用:小さじ1ぐらい

水:250cc

顆粒コンソメ:大さじ1

鶏がらスープ:大さじ2分の1

みりん:大さじ2

塩コショー:少々


【準備】

米:無洗米だとしても普通に研いで、ざるにあげておく

マッシュルームの水煮:ホールタイプの場合は薄く切る、キッチンペーパー等で水気を切る

玉ねぎ:みじん切り

人参:みじん切り

ピーマン:みじん切り

【作り方】

1:フライパンにバターを溶かして、生米をそのままザッと炒める

2:炒めた米を炊飯器に入れて、水を入れる

3:コンソメ、みりん、鶏がらスープを入れて、軽く混ぜる

4:玉ねぎ、人参、マッシュルーム、凍ったままのシーフードを入れて、ざっと混ぜる(この時点で、普通に白米を炊く時ほどの水分はありません。心配しないで)

5:後はお使いの炊飯器を「炊き込み」モードでスイッチオン(炊き上がる間、とてもいい匂い、しあわせの匂いがするので楽しんでください)

6:炊き上がったら、仕上げにピーマンとバターを混ぜて出来上がり

7:味見して薄すぎたら塩コショーで味を整えて


(ピーマンが苦手な人は、玉ねぎや人参と一緒に入れちゃってもいい。そうすると色は薄くなっちゃいますが、ジャリジャリした食感がないので気にせず食べれます)

炊飯器のスイッチをオフって、自然に温度が下がっても美味しくいただけますよ。

味変に、きゃらぶきを添えました。調理しなくていいので、炊けるのを待ってる間、別のことできます。

楽ちんクッキング!

楽しんでね。


 


 

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