どこにいる?
大学を卒業してからというもの、家族や友人から「どこにいる?」と聞かれることが増えた。思えば、大学生になってからは、休みの度にどこかへ行っていた。どこに行くかはその時の気分次第。
僕自身、「ここどこ?」と思う瞬間もある。ある時はニューヨークの路地をあてもなく歩き、またある時は行き先のわからないミャンマーの電車に乗っている。ヒッチハイクで愛媛の山奥にたどりついた時だって。
いまこの瞬間、僕がどこにいるかなんて、僕にしかわからない。その日の気分によって行きたい場所なんて変わるから。いまの僕は、未来の僕がどこにいるかなんて、わかりっこない。
友達から「どこにいるの?」とメッセージがくると、なんだか嬉しい。レアポケモンになった気分だ。
僕は幼少期からどこかへ行ってしまう子供だった。何かに誘われるように、気付けばどこかに向かっている。僕の家族も同じ。気付けばどこかに行っている。一緒にどこかへ行くこともあれば、それぞれ別の国や地域にいることだってある。
「予定は未定」
母親の口癖だ。むしろ、予定を立てても意味がない。予定通りに行動できないから。
ちょうど先日、大学の先輩から連絡があった。
「どこにいる?」
僕はここにいるよ。(青山テルマ風)
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