見出し画像

みんな同じ人間なんだ。(同窓会でのお話)

先日久しぶりに大学のプチ同窓会があった。
唯一仲の良い友達が参加すると言ったので、流されて私も参加することにしたが、大学の同窓会なんて卒業式ぶりだった。
約3年ぶりに会う人たちとの飲み会はとても緊張した。なんせ私は飲み会が苦手であんまり参加しない上、参加メンバーは皆、私とは違う世界にいるキラキラした人たちばかりだったから。
友達に「絶対そばにいてね、離れないでね」なんてお願いして、上手くその場をやり過ごそうと思っていた。

久しぶりに会う人たちは、相変わらずみんな明るくて元気で陽気で、私みたいな陰キャ根暗がこの場に居て良いのか、やっぱり参加すべきじゃなかったか、などと考えているうちに会が始まった。

最初はみんなの近況報告から始まり、どこ住んどるの、仕事何しよるん、といった他愛もない会話で、私もみんなに合わせてうんうんと頷き話を聞いていた。
ある人は誰もが知る有名企業に勤め、ある人は海外で仕事をし、ある人はキャリアアップのために最近転職したらしい。
やっぱりこの人たちは私と住む世界が違うんだなと再認識したその時だった。
「わたし、◯◯(私の名前)の話聞きたい〜!」と、隣のテーブルから爆イケ女子が私の向かいにやってきたのだ。
私の話なんて聞きたいわけないやろ、と些か勘ぐるも束の間、私は爆イケ女子たち4〜5人から質問攻めを受けていた。初めのうちは戸惑いしかなかったが、質問に答えていくうち、お酒の力もあってか私の緊張はどんどん解れていった。

そして話はみんなの悩み相談へ。
その頃には席替えが沢山行われていて、いつの間にか唯一の友達は他のテーブルに移動していたが、その時の私にとっては無問題だった。
4〜5人で順に、こんな時どうしたらいいと?この前こんなことあって無理なんやけど、などといった困り事を話していった、もちろん私を含め。

みんなの悩みは全てがといっていいほど私の悩みと一緒で、心の底から共感する内容ばかりだった。
わかるわかるー、そうよね、めっちゃ同じなんやけど、という言葉たちを繰り返し続けているうちにお店の時間がきてお開きになった。

帰路について、それまで大勢でわいわいしていた喧騒から離れ1人になり、もう少し話したかったな、時間足りんかったな、と思っている自分に驚愕した。

電車の中で、今回の会で話したことを反芻しながら思ったことは、結局人間はみんな同じ人間だということ。
この会に参加する前は、みんな異世界の人たちで私とは相容れない人たちだと思っていた。
しかし、深く話をしてみると、みんな同じことを考え、同じ悩みを持ち、同じことで葛藤していた。
この人たちはいつも明るくてキラキラしていて、悩みなんてないだろう、あったとしても私からしたら贅沢でちっぽけな悩みなんだろう、と思っていた自分は馬鹿だった。

どれだけ性格が違っても、どれだけ生きる境遇が違っても、結局みんな同じ人間。根本的な部分は全く同じで、違うのは表面的な部分だけ。
自分より優れていると感じた人と自分を比べては自分を卑下していたが、それは何の意味もなかった。
こんなに優れていると思った相手でも自分と共通する部分があるんだとどこかホッとした自分がいた。
そしてそんな裏の部分を微塵も感じさせない振る舞いに尊敬すると同時に、自分もこんなことでへこたれていてはいけないと思った。

たかが同窓会、されど同窓会。
いつでもどこでも開催されているであろう同窓会で、こんなことを考えさせられるとは思わなかった。
食わず嫌いでこれまで全く参加してこなかったが、参加してみたら意外と楽しいじゃん。
新たな発見に、新たな出会いに、乾杯。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?