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花束みたいな恋をした

動揺した。

数え切れないほど、色んな映画を観てきたけど、こんなに動揺したのは初めて。

せっかく買った午後ティーをひと口も飲めなかったほど。

お手洗いのペーパーナフキンを大量に掴み取ってしまったほど。

それは多分、私が絹ちゃんと麦くんが出会った21歳って年齢だから。大学生から社会人になるその狭間にいるから。

坂元さんが紡ぐ台詞一つひとつがどストレートに心に刺さった。ボディーブロー受けまくった。

個人的に、絹ちゃんと麦くん 優しいな って思った。

人は時間が重なれば、必ず変化する。

当たり前。

だから恋愛は“終わりの始まり“

当たり前。

変わっていくペースが違うだけ。

変化の中で生じる隙間に目を瞑り、どうにか受け入れようと努力する。それだけで十分、2人には愛がある。

別れを切り出すシーン。

「ちょっとどこか寄っていこうか」

この台詞の架純ちゃんの演技、凄まじかった。

たった一言の台詞で、こんなに心動かされるとは。お芝居って凄い。

そのあとの、言いかけた言葉を言えずに飲み込む演技にも、はっとさせられた。

あれはアドリブなのか台本なのか。

話を人生に戻す。

重なるって行為は難しい。人間と人間なんだから、そう簡単には重なり合えない。

だから、奇跡だよ。

絹ちゃんと麦くんが重なったのは、奇跡なんだよ。

変化してきた・これからも変化していく中で、その一点で重なり合えたんだから。

だから、すれ違いも変化。

美しい変化。

喧嘩も無言も別れ話も変化。

どこまでも優しく、愛に溢れた変化の物語。


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