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マッチングアプリから考える女性の労働環境

前回の記事でマッチングアプリに対する偏見…否、個人的見解について書いたが今回はその続きになる。

で、また愚痴…否、個人的意見である。
心配御無用。愚……「個人的な意見」は最初だけなのでしばしのお付き合いを。

Tinder というマッチングアプリは無料で使えるので、見聞を広めるため利用している。このアプリでは、プロフィール写真を左右にスワイプして、この人とはマッチングしたいとか、この人はちょっと微妙とか選択していく。

そこで女性がプロフィールによく書いているのは「都合のいい関係は求めてません」のような男性諸氏に対する注意である。
要はインターネットであることを良いことに卑猥な誘いをする男性陣が多いことが示される。なんとも嘆かわしい。男性はもう少しマナーを身につけるべきだ。

だが待て、しかし。

マッチングアプリはお互いが「良いな」と思わない限りマッチングしない。
つまり、いいと思って選んだ男性…たぶん容姿端麗な男性だろうけど、そのマッチングしたお相手が、実はあんまり褒められた性格ではなかったわけである。

純朴かつ生真面目、礼節の塊である紳士な私は見向きもされず…いきなり関係を迫る容姿端麗な男性の方がそれでも選ばれるマッチングアプリ…!
なんとも世知辛い話である…私にも一寸のチャンスを!

さておき。

マッチングアプリや婚活の話題でよく目にするのは、「女性側の理想が高い」という話だ

文系大学院生の私には耳が痛い話だが、例えばこんな記事。
プレジデントオンライン, 2020/12/20,
「「年収500万円の星野源似」を"普通の男"と考える婚活女性の悩ましさ」
https://president.jp/articles/-/41569?page=1

年収に限らず、
デートで男性が「奢る」べきとか。
男性は女性に高いプレゼントをするべきとか。
女性は化粧とかにお金かかってるからいいんだ、とか。
恋愛とお金の話は切っても切り離せない論争テーマであり、女性は男性に求め過ぎだ!男性は甲斐性なさすぎだ!みたいな話題は繰り返し行われて答えは永遠に出ない。

では、どうして日本の女性は高い年収の男性を求めるのか?

意外とこの話は行われていないので、考察していこうと思う。
仮説なので、立証するためのデータが足りていないことには目をつぶって頂きたい。

大きな原因の一つは、「女性の労働環境が整ってない」ことだろう。

女性の労働環境が整ってないから、男性への条件が高くなるってどゆこと?
順番に説明しよう。

まず、男女では「収入」に開きがある。
これは厚生労働省「平成30年賃金構造基本統計調査」から明らかになっている。
29歳までは差は殆どないものの、30歳を超えた辺りから差は大きく開く。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2018/index.html

この収入差には、恐らく雇用の「継続期待度」が関わっているのではないだろうか
会社側からすれば、結婚して子育てを機に会社を辞めるかもしれない女性よりも、その可能性が低い男性を昇進させて、継続勤務させたほうが効率が良い。

結果、女性は職場での立場が上昇せず、男女の収入には差が現れる。
収入に差がある以上、自力での生活が困難な女性は「相応の収入」を持った男性を求めるわけだ。

では、どうやったら解決するのか。こんな社会を変えるためには何が必要か?
その答えの一つは、「女性の労働環境改善」であろう。

ヒントは「結婚して子育てを機に会社を辞めるかもしれない女性」である。
経営者にとって、これが頭の片隅にあるから、女性は管理職などの立場になる機会が減り、収入も頭打ちになるわけだ。
だから、結婚しても、子供が生まれても、仕事を辞めないようにすれば良い社会になればよい。具体的には、育休や産休を簡単に取れるようにしたり、その間はテレワークで仕事に関わるなど方法が考えられる。

そうやって女性が「辞める人々」という発想が経営陣から無くなるとどうだろう。
男女ともに昇進する機会が増え、収入格差は緩やかになっていくのではないだろうか。

大事なことは、無闇に女性を管理職などに登用しろと言っているのではない。「職場に潜んでいる男女格差を解消すべき」という主張であるところだ。

で、ようやく話は頭に戻る。
男女の収入に格差が少なくなれば、女性は男性側だけに高い収入を求めることも少なくなるだろう。

実際には「甲斐性」みたいな文化的要素がネックになって、それでも男性に高い条件を突きつけるかもしれない。しかし、「文化」とは社会に根ざして生まれてくるものなのだから、社会が変われば文化も変わるかもしれない。

そうした先に、マッチングアプリは機能を発揮するだろう。
つまり、「出会う機会のない人を繋げる道具」として。

そしてそうなった先には、私にもきっと素敵な出会いが………!!!

…たぶん無い。

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