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【小売】データ分析を成功させるために必要な5つのこと

仕事柄、コロナ禍で大変な思いをされている小売企業経営者の方々とお話する機会があります。そこでよくこんなことを聞かれます。
「データ分析を成功させるための最善策は何ですか?」
「最初に何から始めることが一番良い結果を生み出しますか?」
そういったご質問にお答えしつつ、数ある指標の中から何故Flow Solutionsが「来店客数」と「購買率」に焦点を当てているのかについてお伝えできたらいいなと思います。


私が「データ分析を成功させるために必要なこと」として強調したいのは、次の5つです。

1. 店舗の評価指標を活用することに対して経営者レベルのスポンサーシップ/オーナーシップがあること

2. 店舗レベルのデータ利用者が、データからの洞察に基づいて行動をおこし変化するための権限を与えられていること

3. 実態を理解し改善する指標として「来店客数」「購買率」に集中すること

4. 来店客数と購買率に関する考察を、会社組織全体で共有すること

5.  「購買率の最適化」は、単発の企画ではなく継続的なプロセスとして捉えること

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もう少し詳しくご説明しましょう。

1. 店舗の評価指標を活用することに対して経営者レベルのスポンサーシップ/オーナーシップがあること


これは例えば、新設されたソリューション担当部署がDX推進を任され舵取りしようとしても、経営者レベルが真に理解していないと、プロジェクトは中断されてしまうことがあります。経営者の強いコミットが重要です。

2. 店舗レベルのデータ利用者が、データからの洞察に基づいて行動をおこし、変化するための権限を与えられていること

従来の小売業界では、本部からの指示を待つ受動的な動きが多い中、店舗レベルの現場スタッフがリアルな店舗状況に迅速に対応することで、データを元にした意思決定スピードを速くすることができます。

3. 実態を理解/改善する指標として「来客数」と「購買率」に集中すること

商品の「売上」だけでは見えない、来客から顧客への転換を表す指標として「来店客数」「購買率」を追っていくことは、店舗価値を高めます。

4. 来客数と購買率に関する考察を、会社組織全体で共有すること

店舗の実態を、組織の一部しか理解していないのではインパクトに欠けます。組織全体が同じ指標を用いて理解することで、本部・店舗ともに「データ考察に基づいた行動」、つまりデータドリブンな経営へと繋げることができます。

5.  「購買率の最適化」は、単発の企画でなく継続的なプロセスとして捉えること

「一度試してみる」だけでは、プロジェクトに取り組んだ苦労だけがフォーカスされ終わりでしょう。新しい見方・方法が企業文化として社内に浸透するまで行うべきです。

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「データ」は資産でありスタートライン


経営学の権威であるピーター・ドラッカーは「測定できないものは管理できない」と述べています。だから私はさらにこう述べますー「測定できないものは管理できないし、測定できないものは改善できない」と。

小売業において、この考え方は特に重要だと思います。

たとえばアパレルでは、入店したお客様のうち購入に至るのはわずか数%と言われています。その購買率1%の改善が、平均5〜10%の売上向上につながります。

購買率の改善は非常に高いROIを示します。言い換えると、来店客数を精緻に計測するシステムへの投資は、決して高い買い物ではないのです。

昨今人気のある顧客体験やロイヤリティ・プログラム、SNSやモバイルアプリなどを使った取り組みを、企業が優先したい理由も理解できます、その方が派手で分かりやすいですよね。

しかし、リアル店舗において、来店客数と購買率を把握することは、店内施策やマーケティング施策について非常に多くの考察が得られるという点で極めて重要です。これは決して無視することはできない事実だと思います。

以上のように、リアル店舗のビジネスの基盤となる来店客数と購買率は極めて重要な指標です。よって、これらを精緻に計測するシステムを導入する必要性が生じます。

この基盤を整えてからでも、他のデジタル施策の改善を行うことは決して遅くはありません。

「測定できないものは、改善できない」ーーーこの言葉だけでも、まずは覚えておいていただければと思います。

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