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「紙の本を憎んでいた」に衝撃を受けた

「紙の本を憎んでいた」と語る言葉に衝撃を受けました。
一方で、当然だよなとも思います。

『ハンチバック』で芥川賞を受賞した市川沙央さんのコメントです。

紙の本を読めないことは特別なことなのか

彼女は重度障害者として、当たり前のように紙の本を持ってめくる動作が難しいことを訴えます。

電子書籍であれば、他の手段で本をめくることができるのですよね。
紙の本の良さはもちろんあります。私も好きです。

しかし、電子書籍にもたくさんの良さがあります。電子書籍にすることで本を楽しめる人が増えるのも事実です。
読書バリアフリーが進まないことへの解決策にすごく貢献するはず。

今、チャコウェブではウェブアクセシビリティを推進しており、アクセシブルなホームページを当たり前にすることをビジョンにしています。
改めて、彼女の言葉の重みと、感じてきた苦しみについて考えました。

https://www.chaco-web.com/accessibility-templates.html

私たちが発信しているものは、大多数の人に届けばいいのか?

「紙の本しか出さない作家と出版社に、電子書籍を出してほしいと訴えたが無視された」

市川沙央さんの経験は、果たして書籍だけの問題なのでしょうか?

答えは「No」だと思っています。
特性や障害のある人にはあらゆる場面で情報にアクセスすることすら難しいのが現実。

クライアントにウェブアクセシビリティについて説明すると、「あ、そういうのはいいから」とはっきり断る方もおられます。

届ける相手だという認識がないのかもしれません。

この反応がある度に悲しくなりますが、認知を広げる伸びしろもあるんだろうなと思います。

大多数の人に届けばそれでいいのでしょうか?私たちが作っているものは、もっと使える人が増える見込みがあるのでは?と考えています。

テクノロジーと障害は相性が良い

「テクノロジーと障害は相性が良い」とポジティブおっちーのメントレ塾Voicyで聞いたことがあります。落合さんは視覚障害のある方です。

「確かに!」
と思っちゃいますね。

スマホにも標準でアクセシビリティ機能が付いていますし、紙媒体とは違って読み上げてくれたり拡大してくれたりします。

アクセシビリティとは障害者のための対応ではない

ここまで書くと、アクセシビリティとは障害者のための対応と考えたくなりますが、違います。

「アクセシビリティとは、みんなが使えること」です。

障害がある人のための特別対応ではなく、「みんな」というのがポイントです。

  • 電車内で揺れがあるなどの不安定な環境でもフォームを送信できる

  • 慌ただしくウェブで情報収集をしている人が、読み間違えるのを防ぐ

  • 手の怪我で一時的にマウスが使えない

このような人にも対応するという意味です。

W3C創設者のティム・バーナーズ=リーさんが熱く語っています。
(私はこの記事が好きで何度も読み返しています)

そもそもホームページは、アクセシブルな対応に親和性の高い媒体です。
工夫すれば、もっと情報にアクセスできる人が増え、機会が増える。

ホームページは有望な存在だと思っています。

今回は市川さんの言葉に感化され、アクセシビリティへの理解が進めばいいなと思ったので、思わず書いてしまいました。


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