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二女誕生までの一日

もうそろそろだ。

5月27日
5時
妻の陣痛が10分おきに訪れた。

6時
病院到着、陣痛室へ
モニター検診、まだまだとのこと

7時
子宮口広げるためには四つん這いがいいとのことで30分ほど同じ体制のままキープ

時折分娩室から聞こえる声。
怯える私をよそに、
「頑張ってるねぇー」
どっしりと構える妻が頼もしい。

8時
おしるしと見られる破水が発生。

実家にいる時より、痛みが増している様子。
もうそろそろかな。

私は横にいるだけで何もできない。
こんな無力感はなかなかない。
横でカメラのバッテリーが切れないか準備するだけ。

昨日はこれから生まれる命にちょっと不安になっていた。

だけど、今は違う。

社会情勢、私の仕事、んー先行き見えない状況なんてどうでもいい。

なんかワクワクしてきた。

9時
陣痛がいよいよ頂点を迎え、
どっしり構えていた妻も声をあげ、きつそうな様子。

こっからがあっという間だった。

自分にも何かできないか、

そんな一心で、助産師さんに、

「何かできることはありますか?」

と尋ねる

テニスボールをお尻にあてて、陣痛が来たタイミングで上にぐいっと押し上げる、それがとても楽になるらしい、片方の手は腰に添えて。

15分、

10分に1回だった陣痛が、

5分、

3分に1回へと縮まっていく。

刻一刻と迫る誕生の合図。

9時25分
子宮口が9センチ近くになり、分娩室へ

9時35分
助産師さんの指示のもと、ナースコールを押し、全助産師がかけつける

GoProを構える私。

「大きく吸ってー、もったいないから息を止めるよー」

「はい、いきんでー」

んーとリキむ妻。

「はい、パパ、頭を支えるよ!!」

と、手を添えられて、手を頭に。

「うん、もう出てきてるからねー。」

との声に、

「はさまってますねー」

と妻、

「余裕があるねー」

とみなさんビックリな様子。

9時40分
無事、出産。

「んまーーーーーーーーーーんまーーーーーー」

と大声をあげる。

母子ともに健康な様子。

私は、へその緒を切る儀式へ。

「撮ろうか?(GoProを手にする)」

と妻の一言、これにも

「えーーー!!」

とびっくりな一同。

ジョキジョキジョキ

へその緒

これがしっかり感触があって固い。

チョキン

妻の胎盤と切り離された。赤ちゃんは、専用のベッドへ行って診断を受ける。体重、身長、骨格等々、体の細部まで調べる。

健康な様子。

本当に良かった。

妻は胎盤を出す儀式へ。

これもすんなり終わる。

いやぁ、妻の安産にもう一人欲しくなる私。
(今は考えられないけど、いつか欲しくなるのかな?)

本当に本当にありがとう。
このご時世に産まれてきたことに不安を感じていた私とは対象的に、どっしりかまえて産んでくれた妻、力強く産まれてくる赤ちゃん、に私はもう感謝感謝感謝です。こんなに不甲斐ない思いをしながら、尊い命をこれからしっかり育てるため、この地でどうやって生きていくか明るい将来しか想像がつかない無敵スターモードな私です。今晩は、長女と実家にて小宴を。たくさん飲ませてください。

今晩、寝てくれるかなー。

大丈夫かなー。

コロナウイルスの影響もあり、面会が禁止。
5日後の退院まで、長女と妻がはなればなれ。

妻がいない初めてな今晩。

あー小宴に用意した久保田(日本酒)を飲みはじめ、キーボードがうつろうつろな今です。

病棟で一人で療養する妻へ。

「本当にありがとう、4人家族のスタートを切りました。これからもっともっと楽しくなるね。パパ、がんばるよー。ひとまず療養してね、5日後また宴会しましょう!ありがとうありがとうありがとう。」

名前どうしようかなー。


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