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ナンプラーとヌクマムの違い

食べられる人と食べられない人がいる。
タイやベトナムでは日本の醤油に相当するほどの国民的な調味料の魚醤。

ベトナムのヌクマムから派生してナンプラーができたという話がありヌクマムの方が歴史が古く、日本での知名度はタイのナンプラーの方が優勢に思いますが、最近ではスーパーなのどの陳列棚によく並んで置いてあるのでどっちも知ってる人が増えてきているかもしれません。

そして基本的には鰯を塩漬けにして発酵させたもので、私の様に何でも美味しく食べられる人間には同じものとしか思えません。

しかし、ナンプラーとヌクマムは全くの別物と感じている人がいる様です。

受け付けるか、受付ないか

タイ料理とベトナム料理どちらも東南アジア独特の魅力がある料理。

「エスニック料理が少し苦手だな」

そう感じている人にはギリギリの選択肢がふえるかもしれません。

私の周りにタイ料理は食べられるけどベトナム料理は食べられないという人がいます。
料理の種類以前に店の扉を開いた瞬間から苦手意識が始まるようです。

しかも、複数人います。

何が違うかを聴き取りして私なりの結論
魚醤が違うんじゃないかと感じるようになりました。

生産国が違うこと以外にどんな違いがあるのでしょうか?

風味や味の違い

店に入った瞬間から苦手意識が起こるということは、匂いの違いが大きそうです。

私はどちらでも美味しくいただけるのでその差がわかりませんが、一般的にはヌクマムの方が風味が豊かだと言われています。

味に関してはナンプラーの方が塩味や甘味が強いそうです。

熟成期間の違い

ナンプラーの熟成期間は長く1年から1年半が一般的で、ヌクマムは半年から1年で出荷するのがほとんどです。

ついでに言えば主に淡水魚を原料にしているので差があるけれど、カンボジアのトゥック・トレイは約半年の発酵期間でとても短いのでお茶の種類に例えると、

トゥック・トレイは緑茶
ヌクマムは烏龍茶
ナンプラーは紅茶

といった区分けができそうです。
お茶も熟成期間の違いでそれぞれ風味が違うので魚醤も人によっては大きな差を感じるかもしれません。

成分の違い

ナンプラーは熟成を終えて搾り出された物に砂糖を加えて完成します。
それに対してヌクマムは、絞ったものがそのまま完成品となります。

成分の違いが味の違いに影響してナンプラーは甘く感じたり逆にしょっぱく感じたりする様です。
そして、アミノ酸含有量が大きく違います。
それを測る基準として窒素の含有率を見ると

ナンプラーは10°N~20°N
ヌクマムは30°N~40°N

ヌクマムの方がかなり濃い成分となっています。

ナンプラーとヌクマム

ナンプラーとヌクマムの違いをいくつか見て、食べれるかどうかの最も重要な要素は風味だと感じます。

ナンプラーは魚の風味が控えめで、砂糖を加えてあるので味も少し整えられています。
ヌクマムは素材そのものでアミノ酸の量も多いことから魚の風味が強く、濃いことがわかります。

苦手な人はこの魚感の強弱で食べられたり食べられなかったりするのではないでしょうか。

つけだれ用の高級品は上質なのでもしかすると大丈夫かもしれませんが、炒め物など火を通す時の調味料用は2級品や3級品なので少し臭気があるようです。

特に敏感な人はそれを感じ取ってしまうのかもしれません。

使い方

私のように鈍感な舌の持ち主ならどちらでも構わないけど、好き嫌いがある人や味覚に敏感な人には使い分けた方がいいかもしれません。

癖の少ない方がいい人やエスニックがちょっと苦手と感じる人にはナンプラーを使い
魚の風味を楽しみたい人はヌクマムを使った方がいいかもしれません。

入れ替えて使う場合、あまり大きな差ではないと思いますが、敏感な人は砂糖や塩の量を調節した方が良さそうです。

例えると、チーズの本場ではより上級者がより風味の強いものを好み、慣れない人は風味の少ないものを好むのと同じかもしれません。

ナンプラーは広さ、ヌクマムは深さが魅力だと感じました。


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