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記事一覧
『魔の山』 トーマス・マン 望月市恵訳 岩波文庫
トーマス・マンの『魔の山』、本の紹介を読むとたいてい「教養小説」とか「成長小説」と書いてあります。『魔の山』というタイトルと「教養小説」「成長小説」という分類。何のこっちゃ?という感じですが・・・
読んでわかりました。この小説全体がめくるめく「知の世界」であり、主人公の成長を通して「人としていかに生きるべきか」を探求するものだということが。
ハンス・カストルプは23歳。いささか軽薄なこの青年を
『のねずみチュウチュウおくさんのおはなし』 ベアトリクス・ポター 石井桃子訳 福音館書店
ポターの有名な絵本『ピーターラビット』シリーズの1冊です。
これを買ったのは、息子が2歳のかわいい盛りのころだったと思います。
息子小学校1年生のときに今の家に引っ越してきたのですが(マンションです)、隣の家にきわめて神経質なおばさまが住んでおりまして、私と息子は「となりの のねずみチュウチュウおくさん」と呼ばわっておりましたよ。悪いね、私ら親子。
さて、きれい好きなのねずみチュウチュウおくさ
『サロメ』 オスカー・ワイルド 福田恒存訳 岩波文庫
5回目の今日はオスカー・ワイルドの『サロメ』です。
18歳、高校3年生の時に読み、耽美的な世界に強く惹かれた作品です。
「ヨカナーン、お前の口に口づけするよ」
そう迫るサロメ。拒み続けるヨカナーン。
口づけをしたいがために権力を行使し、ヨカナーンの首を取ってしまうという恐ろしさです。
その妖しくおぞましく美しい世界を、福田恒存氏の名訳によって日本語で堪能できるありがたさよ。
私が人生で初めて「
詩集『二十億光年の孤独』 谷川俊太郎
タイトルからして変化させちゃってます。すみません。
4日目の今日は、15歳・中学3年生の時に教科書で読み、激しく感動した『二十億光年の孤独』です。
現代詩の巨匠・谷川俊太郎氏の18歳の時の作品だそうですね。
もう本当に天才。
本が新しいのは、15歳の時に買ったのをなくしたのか?見当たらずに買い直したからです。
この中に詩集『二十億光年の孤独』が収録されています。
どれも全部好きだけど、特に「ああ
『はつ恋』ツルゲーネフ作 神西清(じんざい きよし)訳 新潮社
3冊目はツルゲーネフの『はつ恋』(神西 清訳(じんざい きよし)・新潮文庫)です。今日もまた年代物の表紙ですよ(* ´艸`)
札幌の中学校1年生のとき、市内で一番大きな富貴堂書店という書店で買いました。
何しろ大昔のことです。ウォークマンもテレビゲームもありませんでした。あのころは書店がレジャーランドで、本を読むのが娯楽でしたよ。
しかしミーハーな中学1年生だった私には、文学の香り高き名訳はいさ
谷崎潤一郎訳 『源氏物語』
初日の昨日が『平家物語』だったので、今日は『源氏物語』で行きたいと思います。
小学校6年生のとき「どこがおもしろいのかさっぱりわからん」と思っていた『源氏物語』、今は亡き母が20歳過ぎたときに「あなたもこのくらいのものは読まなきゃダメ」と言って買い与えてくれました。全10巻から成る、谷崎潤一郎訳の『源氏物語』です。
この本も、何度も通読していますが、明確な面白さがあるかというとそうではない。
『平家物語』長野嘗一訳・ポプラ社
小学校6年生の時に買ってもらい、おそらく人生で一番多く読み返している本です。
なぜかというと「読むたびに面白いから!!」
訳者の長野先生の平家物語愛がびしばしと伝わってきます。
子供たちにどうにかしてこの面白さを伝えたくてたまらない感じ。
大人になってから歌舞伎を見るようになりましたが、繰り返しこの本を読んでいたためか、平家物語をモチーフとした「平家物」にはわくわくしました。
初めて見た歌舞