アメとムチをうまく使って行動を変える
アメがもらえるから、行動する。
ムチで打たれるから、行動する。
私たちの行動は「アメとムチ」のような、行動した後で得られるものによりコントロールされています。
収入が増えたので、その後、より一層仕事を頑張れたり
初めて行くご飯屋さんが美味しかったので、数日後にまた行ってみたり
話しかけたら嫌な反応をされたので、話しかけ方を工夫するようになったり
特定の時間に混む道路は、その時間帯は避けて通るようになったり
そういう目で日常を見てみると、自分のあらゆる行動が「アメとムチ」の影響を受けていることが分かります。
行動分析学を自分に応用できるようになれば「アメとムチ」のつけ方を工夫して、行動を意識的にコントロールできるようになります。
基本的な考え方
「アメとムチ」
行動分析学では、
自分にとって良いもの悪いものという主観的な評価ではなく、
行動の頻度に影響を与えるものと定義されています。
知らないうちに、行動した結果の影響を受けている
お客様からのご相談を受けた時に、まずどの行動の頻度を減らすか(または増やすか)、ターゲットとなる行動を決めます。
その後、既に成立している行動の仕組みを分析しますが、行動した後得られているものに関して、大抵の場合本人は無自覚です。
得られているものがその人が生活するうえで必要不可欠なものだったとしたら、そこを無視して別の行動に変えてしまうと、後々もっとやっかいな行動が自然発生するということもあります。
その行動をとることで、どんな結果が得られているのかしっかりと分析し、慎重に評価する必要があります。
行動後の結果を操作して、行動変容をねらう
行動後、得られているものについて当たりをつけることができたら、今ある行動の仕組みを変えていきます。
具体的には、その結果が得られないようにしたり、違う結果が得られるようにしたりします。
「ペナルティ」や「ご褒美」という表現をしましたが、一般的な「罰則」や「ご褒美」にこだわる必要はありません。
行動の頻度に影響を与えるものであれば何でも良いです。何がヒットするかは個性があります。
行動後の結果を操作するのは難しい
行動の頻度を変えるとき、行動の前の環境か、行動後の結果を操作しますが、私がまず操作するのは環境です。
長期的に見たときに効き目が薄れていくことや、今ある仕組みで得られているものよりも魅力的なものを用意するのが難しい場合が多いなど、理由はいくつかあります。
考慮しなければならないことが多いので、考えるのが大変です…。
操作するとしても、行動の前の環境を変えることとセットで行うことが多いです。
行動後の結果の操作は奥が深く、他にもまだまだ語れることがあるのでまた日を改めてお話したいと思います。
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