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5年やってきたクレープ店から完全撤退します。

こんばんは、NagiCrepeの渚です。
今回は、少し重大な発表。

クレープ屋の事業を、終わりにしようと思います。


今までの経緯ざっくり

今まで、19歳の大学2年生時にキッチンカー「茶茶クレープ」で起業してから5年間強(間は空いたりしながらも)クレープ屋さんをやってきました。

色々浮気もしながらですが、なんだかんだ「クレープ」という商材がとても扱いやすく魅力的だったので、毎度クレープ屋さんの経営に戻っていました。

今までの経歴としては、大学2年生から
キッチンカーの「茶茶クレープ」で1年弱
→シェアキッチン「茶茶カフェ」(これはクレープではないけど)で1年半
→事業譲渡し就職
→独立し大崎にてクレープ店舗「おおさきっちん」を1年弱
→移転してリニューアル、桜上水で現在のクレープ店舗「NagiCrepe」を開業
で、今に至ります。

副業とかアルバイトとかは色々やってきましたが、「自分の事業」「自分のブランド」としてちゃんと育ててきたのは、シェアキッチンを除けば全てワンオペのクレープ店です。

・・・まあ、そんなここで長く語るのはやめます。過去の栄光(?)ですね。

クレープ事業から撤退するに至った経緯

以下では、今回クレープ業から完全撤退することにした理由や経緯を書いていこうと思います。


1.事業への熱量と覚悟が足りなかった

これは、言葉のとおりです。

元々実は、クレープが好きという訳ではなく「商材として優秀」という理由でキッチンカーを始めているので、クレープに対してのリスペクトやこだわりは、並の人レベルです。クレープやり始めてから、自分の作るクレープだけは好きですが。
(もちろん、食べてくれた人には喜んでほしいので、美味しいクレープは提供してます)

そしてNagiCrepeで扱っている”乳・卵・小麦不使用クレープ”に関しても、初めは「何かいいコンセプトが欲しいな~」から「ヴィーガンとかグルテンフリーのクレープってあんまりないな」となり「最近注目されているし、継続的にニーズがあるはず」とことで始めました。

もちろん、その他色々と意義はありますが、堂々と、「これが実現したい!」という大きな課題感やビジョンはなく。お客様にとってはどんな理由でも商品価値は同じかもしれないし嘘ではないので、お客様にとっては何でもいいかもしれないですが。

でも私としては、お客様にコンセプトや理由を聞かれて話すたびに罪悪感…というより、違和感を覚えるのです。
そんなちょっぴりの違和感が、日々積もっていきました。

何より、なにか辛いことがあったり気分が乗らないときに、目指すべき世界観や、”私自身が”この事業を行う意義を見出せず、毎回立ち上がれなくなりそうになります。

でも、どの事業もそうでしょうが、自分自身で選んで、色んな人を巻き込んでやっていることなので、無理のない範囲で続けてきました。それも、そろそろ限界かなというのが本音です。

特に飲食は、覚悟とか熱量がないと、結構しんどい業界だと思います。。。簡単に開業できてしまうので、そのギャップがきついですよね。(他の業界をよく知らないので、偏見です)


2.経営と自営業の葛藤

これは、「株式会社強美(NagiCrepeのために立てた法人)」の経営と「井島渚」個人としての自営業の区別が付けられなかった、という問題です。

前回のおおさきっちんは、完全に「自営業」でした。
自分自身の夢だった店舗開業というのを実現し、本当に自己実現のために、楽しく営業していました。今から、その当時のYoutubeとかを見返すと、とてもわくわくしていていいなと、自分でも思います。

そしておおさきっちんから撤退し次の事業を考えるときに、「次は自己実現としての自営業ではなく、事業を経営したい」と思ったのです。

とりあえず形から入ろうと思い、株式会社強美を立ち上げました。(食を通じて”強くて美しく生きれる人を増やしたい”という由来です)
その後、NagiCrepeを立ち上げました。やはり普通のクレープ店だと自己満足がメインになるしつまらないと思ったので、今回はコンセプトとターゲットをある程度作って開業しました。

また店頭販売だけでなく、卸や通販、無人販売等、販路も拡大しました。

ただ、自営業者から経営者になる一番(だと思っている)大事な要素である「人に頼む、人を使う」ということがなかなかできませんでした。(挑戦しましたが何度か挫折しました)

理由は、色々言ってますが正直なところ一番は
自分自身だけで自由に物事を決定してすぐに実行したり辞めたりでき、責任も自分自身だけで取れる
というのが心地よかったし、それを手放したくなかった、手放せなかったのだと思います。
要は、自営業の感覚が抜けていない感じですね。

誰かを雇ってしまうと、営業時間を簡単に変えたりできないし、自分自身の決定を実行するのが他の人になったときに、その決定自体をするのがとても重くなります。(新メニューひとつ取っても)

あと、ちょっと自意識過剰かもしれないですが、私自身が1人での運営に長けてしまっているし、自分のお店ということで責任感も誰よりももっているので、私が店を離れるときに誰かに任せられる(他の人がワンオペに耐えられる)イメージがわかなかったというのもあります。
かといって、複数人で立つほど売上が上げられているわけでもなく。

まあ、もしかしたら「撤退」という選択肢を、一番負担が少ない形で取れる状態を保っていたかった、というあまりよくない理由も正直ある気がします。


3.インプットが少ないことによる自分自身の停滞

これはおおさきっちんのときも少し感じていましたが、今回、桜上水という少し都心から離れた立地で開業したことでもっと顕著に感じるようになりました。

営業時間が少ないとはいえ週4日6時間、仕込みや片付け、買い出し、製造、その他作業も入れると週5日10時間とかになります。
その時間は、ネットで何か情報を仕入れることはできても、イベントに参加したり人に会ったりすることはできません。

人に会う・話す、という点だけだと、毎日何十人のお客様と話すのですが、ほとんどアウトプットとしての会話です。
商品を説明したり、自分自身について話したり、お店について話したり…。
たまにお客様からお話を聞くこともありますが、ほぼ「近所のお店やできごと」「クレープや開業についての相談」でした。

それ自体に不満はない(むしろ相談とか嬉しい)ですし、アウトプットすることで色々と気づくこともあります。
でも、それって私自身の「内製」でしかないな、と。今持っている自分自身を磨く、みたいな。

でも、それにしては、私自身が今持っているものが、少なすぎる!!未熟すぎる!!!

「”中の下”から”中の上”」には行けるけど、「”中の上”から”上の下”」の壁は越えられない、みたいな(?)

めちゃめちゃじれったいし、かといって、営業で体力も気力も使っていて少しの時間でイベントに行こうという気にもなれず。

気合不足と言われれば、その通りです。ただ私も、健康体だしバイタリティがあるとは言われますが、割と普通の人で体力バカ/気力バカではないので…

やっぱり色々コストとかリスクとか考えちゃって、時間があると少し休みたいってなっちゃうんですよね。

そんな風に、どうしてもネットニュースで情報をつかんでいるくらいしかできない自分が、誇りに思えなくなってしまいそうでした。


4.「好きなことを仕事に」することについて

少し前の記事で、「やりたいことを仕事にするということの違和感」を書きました。

その記事で書いた点ももちろんありますが、それはどちらかというと事業目線というか。事業をやる正当性とかその方面で書きました。
今回の件は、自分自身の人生として見たときに、

好きなこと(お菓子作り)でお金を稼ぐことで、
”好きなこと”⇒”仕事としてはまだ楽なほうの作業”
になってしまったのが一番つらく、それに気付いたときに、悲しくなってしまいました。

もちろん、贅沢な悩みだと思います。
”楽なほうの作業”で、稼げているので。

でも、その代償として、その”好きなこととしてのお菓子作り”は消えてしまった気がします。

もしかしたら、私自身が「お菓子を作ること」が好きなのではなく、「自分の好きな人たちに向けて」お菓子を作って喜んでもらうことが好きだったんだろうなぁって。

もちろん、不特定多数の方に喜んでもらうのもやりがいだらけだし、お客様の笑顔はとても励みになっています。
でも、食という分野で、自分が表に立っている故にですが、お客様の笑顔で癒されたり励みになったりする大きさ以上に、お客さんの反応に一喜一憂したり、何があっても笑顔で接客したり、天候等によるロスや売上不調への不安等で、気力(メンタルのHP的な)が減っていくことが多くなっていました。

本当に情けない話ですが、多分、事業や仕事に対して「好きなこともしたい」「お金も稼いで事業として成立させたい」「お客様にも価値を提供したい」等、手段と目的がごちゃごちゃになってしまっていたのかなと、痛感しています。

5.飲食業界に課題をあまり感じていなかった

飲食業界は、誰の生活にも密接に関わっている業界だし、分かりやすくて楽しい業界だと思います。

ただ、少しですが色んな人と話したり、少ないながらも経験を重ねていくうちに、
「日本の飲食で、私が事業をやる意味は…」
という風に思ってしまう自分がいました。

というのも、よく「飲食業界を変える!」と謳っているところがありますが、私はそういう「変えたい」と思えるところは、日本の飲食に対してはほぼ、ありません。

とても素敵な業界だし、特に日本は本当に素晴らしいと思います。どこで食べても基本めちゃめちゃ美味しい!

もちろん過酷な労働をしている現実もあるかもしれないですが、それって意外と、本人たちも好きでやっていたり(給料面に不満はあるかもですが)する気がします。違ったらごめんなさい。
少なくとも私はそうだし、個人でわざわざ飲食をやっている人たちって結構そうだと思います。

そして、それも含めて日本の良いところかなと。

日本が遅れていると言われている、ヴィーガンとかグルテンフリーとかハラルとかそのあたりは、コストと日本人のニーズが合わないからまだ浸透していない(最近はニーズが伸びてきているので大企業も始めつつありますし)と思うので、今は情熱のある人が、熱を込めてやるのがベストなのでは、と思います。
ヘルシーとか流行りだから、で参入すると、いざヘルシー売りで販売するのって結構ハードル高いと思います。

なので、当クレープ事業みたいなものは、しっかり課題感を持って突き進める方がやるべきだなと…。クレープ店をやっていながら、情けないことを言ってごめんなさい。

あ、もちろん個人の見解なので、誰かにこの考えを押し付けたいとかは全くないです。
単純に私が甘く見ていた、というだけなので。


6.ちょっと、別のことを

今まで本業としてはずっと1人、ということは、自分の上にも下にも人がいない状況でやってきました。

副業で関わる方等で経営者としてとても尊敬する方々はいますが、私がこの能力のまま今の方向へ進んでいっても、近づけないかな、と思っています。

ありがたいことに、今も私の周りには尊敬できる方々が何人かいて、クレープ店を本業として経営しながらも、その方々から色々と吸収できるように極力携わらせていただいています。(ありがたい…)

まだ即戦力とは程遠い存在の私ですが、どこかしらでちゃんと、学んでいきたいと思っています。

その中で、何か課題感を見つけたり、達成したいビジョンができたら、また自分で事業を立ち上げて進んでいきたいです。


事業を始めたことに後悔はありません

かなり自分勝手な生き方をしている気がします。
それもそれで、自分の好きなところですが。

やはり経営者としてまだまだ未熟だなと思いました。

成長して、いつか、今までこんな自分を応援してくれた人に、恩の倍返しができるように頑張ります。

ただ、事業を始めたこと、また閉めることに対して後悔しているということはないです。

もちろん、今のお店を無くすのはもったいないと思うこともありますが、このままダラダラ続けて、貴重な時間をちゃんとした覚悟の無いものに捧げてしまう方が、自分自身の時間もったいないと思うし、気にかけてくれる方々の時間ももったいないなと思っています。

自分勝手+言い訳がましいかもですが、結構、本音です。


今後について

今後は、まず一番は、焦らないように、と思っています。
自分自身の人生について、ちゃんと考えたいと思っています。
あまりこういうこと(人生、とか)を発信するのはうさん臭くて好きではないのですが、すぐに軽はずみに行動してしまう自分への戒めとして。。。

ただ焦らないと言いつつも、信頼できる方に相談したり、様々な人と会ったりして、常に動いていたいと思います。

誰でも彼でも会いたいというわけではないですが
…できる限り、フットワーク軽く、いきたいです。

ということで引っ越しもしようかなと。
もう、大学生からしたら引っ越し10回近くなりそう。何やっているんだってね笑

まあ間取り見ているの好きなので、もう趣味かもしれない…
お手伝いしてくれる家族や友人、保証人引き受けてくれる親に、毎回本当に感謝です。これも恩返ししなければ。



ということで!!もうすぐ6,000字になってしまうので、そろそろお開きにします。

もしここまで読んでくれた方がいらっしゃったら、本当にありがとうございます。
ぜひ、今後も見守っていただけたら嬉しいです!

ではでは!!!!!!!

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