自営業の親の元に生まれた娘だからこそ伝えたい、ビジネスの本質
私のビジネスの一番最初の先輩は父でした。
父は会社員としてキャリアを始め、家族経営の会社に勤めた後独立して個人で事業を立ち上げました。
個人でビジネスを行うとは何なのか、父を見ながら、また会話しながら学んだことが非常にたくさんあります。
机上の空論ではなく、生々しいビジネスの実態を見てきたからこそ身に沁みて理解しています。
今日は父から学んだ「個人でビジネスをする」ということの本質を3つ書いていきます。
これから個人でビジネスをやりたいと考えている方には、必ず読んでいただきたいです。
①事業の調子が良い時、悪い時の落差が激しい
個人でビジネスをやる上で必ず覚悟しておかなければならないことは、「安定した収入」が基本的に望めないと言うことです。
毎月決まったお金が手元に入ってくる、という安心感が欲しい人は会社員やアルバイトをした方が絶対にいいです。
私自身も、その浮き沈みを身をもって体験しています。
父のビジネスが調子が良かった時は、
・食べたいものは何でも食べれたし(毎週高級焼肉に行ってました)
・服もショッピングモールではなく百貨店で買ってもらえたり
・留学、資格試験にお金を出してもらえたり
など、とにかくお金をじゃぶじゃぶ使ってもらえてました。
ただ良い時というのはずっとは続きません。
結局、父は金銭トラブルがきっかけで、会社を廃業せざるを得なくなり破産することになりました。
その過程で家に訴状が届いたり鬱病っぽくなりかけたり離婚騒ぎになったりと…とにかくいろんなことがありました。
またどこかで書きます。
で、個人事業主なので年金もほぼもらえません。
もうすぐ60歳になろうとしていますが、老後のためにも、また新しく事業を立ち上げようとしています。
自分の面倒を見るために、死ぬまで働かなくてはいけません。
あくまで一例ですが、このように還暦を前にして一文無しになることもあります。
(それによって私含めた家族もそれなりに苦労します)
個人事業というのはどこまでもリスクと隣り合わせです。
リスクを取るからこそ、うまく行った時のリターンが大きいのです。
逆にうまく行かなかった時、会社と違って誰も助けてはくれません。
起業塾やWEBマーケティングやらの怪しい講師は(自分にとって不利なので)絶対に言いませんが、
個人でビジネスをやるということは、常に戦い続けなければいけないということです。
特に専業は。
だからこそ、リスクヘッジのため、私も会社に所属しながら副業としてコンサルをしています。
むしろ個人事業のリスクを身をもって体感してるからこそ、
会社ってめちゃくちゃありがたいシステムだな…と思ってます。
個人事業主だからすごいとか、会社員だからすごくないとかそんなことは全くないです。
どちらも等しく価値があります。
どう生きたいかによって、選ぶ手段が違うだけのことです。
②自営業と会社員はお金に対する考えが全く違う
会社員の思考と自営業の思考の、一番違う部分が「お金に対する考え方」です。
会社員として雇われている立場だと、どれくらい働いたら自分の収入がいくらになるか、大体予想できます。
毎月入ってくるお金(収入)が一定なので、手元のお金を増やすにはまず出ていくお金(支出)を見直さないと行けません。
ゆえに、サラリーマンの家庭は、支出にフォーカスすることが多く、節約思考になりやすい傾向があります。
個人事業の経営者は、収入は自分の働き次第で増えたり減ったりします。
なので、毎月どれくらい儲かるか、がほぼ見えないです。
とすると、毎月必要なお金はいくらか?が先にあって、それを実現できるようあらゆる手段を尽くして稼がなければなりません。
また、支出を抑えたからといって、必ずしも収入が増えるとも限りません。
結局手元に残るお金を増やすには、収入を増やす以外ないのです。
ゆえに、自営業の家庭は、収入にフォーカスしやすく、支出に目が行きづらいです。
(なのでお金の管理がガバガバになりがちなのが、自営業の家庭あるあるです。)
③経営者は孤独である
父はよく言っていました。
「自分に友達はいない」
確かに父を見ているとそれは本当にそうだなと思います。
まず私の家庭は3人子どもがいて、中学受験もしましたし、私立の中高、大学にも通っています。まあめちゃくちゃ教育費にお金がかかってます。
大体、手取りで月100-150万円くらいないとやっていけないくらいのレベルでした。
そのお金を1人で稼ぐというのは本当に大変です。
父は馴れ合いが目的の飲み会には全く行っていませんでしたし、
仕事で出会う人は、お客さんか、協業する人かのどちらかであって、いずれも利害関係のある人しかいません。
究極、自分にとって得のある人かそれ以外しかないのであって
利害関係のない、友達ではありません。
また、事業によって家族を養わなければならない。という責任感を誰よりも感じていたのは父ですし、
それを同じ温度で分かち合える人はこの世のどこにもいないです。
事業がうまくいったら家族や従業員に還元し、
事業がうまく行かなかったら自分ひとりで全ての責任を取る。
それが経営者です。
経営者は孤独です。
孤独だからこそ、成功できるとも言えます。
とても冷たい言い方をするなら、仕事で友達とか仲間とか言ってる人は
ただの馴れ合いをしてるに過ぎません。
成功している経営者は、馴れ合いをしません。
よく起業女子界隈で、パーティーやお茶会とか交流の場はありますが、あれは営業の場であって、仲間作りと信じるような人はカモにされて終わりです。
孤独に耐えれなかったり、安定収入がないと嫌な人は会社員の方が絶対に幸せになれます。
最後に
私は身近でビジネスを学び、実践したからこそ、
ビジネスの生々しい実態を正直にお伝えします。
夢を見させることが役目ではなく、
「稼がせる」ことが役目だと思っているからです。
そしてこの「稼ぐ」ということは簡単ではありません。
自分1人で考え続けていても、答えが出ないことが多いです。
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