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メモ(Romance Stances/「恋愛」に対するスタンス)◆20230511

こちらの記事を大変興味深く読ませていただいた。

 aro-specは行動ではなく「恋愛的な惹かれ」に基づいて定義されており、aro-specだからといって「恋愛関係」を望まないとは限りません。
 恋愛に対して、ポジティブな人も嫌悪する人も無関心な人もいます。
 そして恋愛に対する態度や感情は、状況によって、時間によって変わる人もいるかもしれません。
 なので、恋愛関係を持っているからと言って、必ずしもaro-specではないと否定してはいけませんし、aro-specなら恋愛に否定的と決めつけるのもよくありません。また、aro-specだったらロマンティックなフィクションや描写を見たりすることを好まないとも限りません。

1)恋愛嫌悪/反発(Romance averse/repulsed)
➳ 恋愛感情の表現や、自分に恋愛感情が向けられることに対して、不快感を持つ人です。程度は人によります。
2)恋愛無関心(Romantic indifference)
➳ 恋愛や恋愛表現に対して、不快にならないけれど、特に熱狂的にもならない人です。
3)恋愛ポジティブ(Romantic positive)
➳ 恋愛や恋愛表現に対して快適だったり好意的に感じる人です。

上記記事より引用

 お恥ずかしながらこのような考え方を知らなかった…。自身が恋愛や恋愛表現に対してどのような印象を受けるか、感情を抱くかを説明するための「Romance Stances」というものらしい。

 Fロマ/Fセクが「現実世界において恋愛的/性的に惹かれる経験をしない」という理由から、Aロマ/Aセクのスペクトラムであるという定義をされることについて、あまり納得がいっていないというのは先日の記事でも言及したけれども、実はもう一つ理由がある。

 本当に「Fロマ/FセクはAロマ/Aセクのスペクトラム」という捉え方が正確であるのなら、Fの方はもっと恋愛というものにドライになるのではないか? と(自分が勝手に)考えていたところがあったのだ。

 繋がりのあるユーザーと相互に恋愛的な発信を楽しんでいる様子を眺めていると「皆恋愛の話が好きなんだなぁ…」と、別の世界を見ている気分になる。自分と似通った立場にある人を見つけると安心するよねという心境はもちろん理解できるし共感もするけれど…。

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どうでもいいけど、自分のことは「だいぶがっちりAro/Aceに寄ってるけどそんな人でもFロマFセクやってるよ」というサンプルケースとして見てほしいし、そのように扱ってほしい。価値観がいびつな自覚はあるけれど、それでもどうにかこうにか考えながら生きている人間もここにいます、っていう…。
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 それで、そう、「Romance Stances」という定義を知り、なるほど! という顔をしたのだった。
 周囲の方たちは恋愛という概念について嫌悪感を抱いていないように見えるけれど、じゃあ自分はなんなんだろう、とちょうど考えていたところだった。
 Aro/Ace(スペクトラム)というのはあくまで当人の「指向」の話であり、必ずしも恋愛的な話を好まないとかコンテンツを楽しまないということではないようだ。それでは自分はAro/Ace(スペクトラム)+恋愛嫌悪の人間なのか? とか…。

 (各々のセクシュアリティが関係あるないにかかわらず)つまり、「恋愛」に対して好意的な目を向けられる人は「Romantic positive」ということになるのかな。
 それならば、自分にマッチするスタンスは「Romance ambivalent(ロマンス・アンビバレント)」かもしれない。

 positive(好意的)やrepulsed(反発)には適合しない、恋愛概念に対して複雑だったり流動的な感情を抱く人を指し示すらしい。

 こちらもなかなか自分にぴったりくる定義だ。自分は基本的に恋愛に関連した概念から常に距離を置きたいタイプだけれど、パートナーである彼と居るときはロマンス的な好感を感じることができる。
 我ながら矛盾しているなあと思うし、『なぜそうなるのか』が解明できないままなのは気持ちが悪いので少しずつ勉強していきたいとは考えているが…。

 恋愛への姿勢がこうして言語化され、ラベリングとして用意されているということに安堵する。同じことで悩む人がいたのだなあと、その背景や歴史を想像してすこし嬉しくなる。



 恋愛(性愛)至上主義な世の中に身を置いていれば「それを望んでいないひと」が世界を嫌がったり恨んだりするのも仕方がないと思う。
 パートナーを作ったり結婚をしないことで人間の出来/不出来が判断されたり、性的な欲求を抱かなかったり性行為することを選ばない人間を見て「あなたは異常だ」と決めつけたりするのだから。
 なぜなのだろう? 人を恋愛的に愛することって、性行為ができることってそんなに偉いんだろうか。そして、それができない人たちはどう劣っているのだろう。世界から見てどう「損」をしているのだろう…。