目黒寄生虫館に寄付をした

入場料無料の博物館、目黒寄生虫館がコロナで困窮しているらしい。

私立博物館ながら入館料無料であり、展示も更新されるし、プチ企画展もやっている、素晴らしい博物館である。
職員の方々もみんないい人で、職員の皆さんの思いのつまったグッズはどれも素敵だ。

なんで私がそこまで知っているのか。

身バレしそうだが、実は私は学生時代に目黒寄生虫館で学芸員実習をさせていただいたのだ。

「寄生虫館で実習した」というと、「えええええ寄生虫!?なんで!?」なんてドン引きされることもあるのだが、心外である。

寄生虫館での学芸員実習は結構倍率が高く、試験と面接をパスした者のみ受け入れてもらえるのだ。

なお、私のような理系学生だけでなく、文系や美大生も受け入れており、実際私もアート系の学部の人とペアだった。

2週間の実習では、館内の様々な業務に携わらせていただいただけでなく、「近隣の小学校の砂場に寄生虫がいないか」という外での調査もした。
博物館は展示だけではなくて、そんな仕事もしてるんだぞ!!!
しかも区立とか県立博物館じゃないんだぞ!!私立だぞ!!

その砂場調査が、それこそ真夏の8月だったのだが、職員の方々がたくさんの暑さ対策をしてくださったのを覚えている。

展示企画、館内清掃、講演会、調査、研究、刊行物の作成、ショップ運営、そして私のような学生への指導等の対応。
学芸員さんたちの仕事は本当に多岐に渡るのだ。(※学芸員さん内で分担はしている。一人で全部やるわけではない)

博物館として尊敬できるのはもちろんのこと、人々もアットホームで、優しくて、実習したらますますファンになってしまった。
寄生虫館の皆さんのおかげで、私は、大変楽しく、貴重な経験とともに学芸員資格を取得できたのである。(もちろん実習だけではなく、試験もあるが)

ということで、そんな私の恩人とも言える館がピンチなのであれば黙って眺めているわけにはいかない。
私が天下の前澤社長であれば、一発で救えるのであろうが、そう潤っているわけではないので、少額ではあるが寄付をした。

どうかなくならないでほしい。

私が実習した時は、博物館は週休1日だったのだが、数年前から2日なっており、経営はコロナ前からキツキツだったのではと思う。(直接聞いたりはしていない。私の想像である。)

世の中デジタル化が進んでいるが、「はーい3Dデータ作ったから標本捨てていいよー」なんてことは起きない。
本物を肉眼で見ないとわからないことってたくさんある。

このような優れた館がなくならないよう、どうか多くの人が寄付に協力してくれるよう、祈るばかりである。


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