次々と明らかになる部活動の課題

 PEACHでは、「#大臣に部活動の課題を報告します」「#教師のバトン」の2つのハッシュタグを付け、部活動の課題をツイートする運動を8月末まで呼びかけています。
 それに呼応して投稿してくださった方のツイートから、以下の課題を抽出しました。どんどん追記していきたいと思います。最終的には、文部科学大臣に提出したいと思います。

<2022.9.25追記>
34以降のものも含め、表を貼り付けました。これで完成です。

1 法律(給特法)に違反している。
給特法では時間外勤務を命令することができないとされている。例外的に命令できるとされる4項目の中に部活動は含まれていない。

2 賃金が正当に支払われていない。
平日は無償労働前提、土日祝日は最低賃金以下。

3 部活に熱心な教員によるパワハラ。
他の部活の運営方法にまで口を出し、練習の日数や時間を増やそうとする。

4 他の業務に支障が出る。
授業・学級経営・校務分掌などに支障が出るほど、時間や労力を部活動に奪われている。

5 勝利至上主義に陥っている。
賞を取ったり勝ったりするために、ガイドラインを破り長時間練習をすることを促すような土壌がある。

6 時間外勤務が常態化している。
部活動指導の大半は勤務時間外に行われている。勤務時間内だけで成立する部活動はない。

7 事故が起きた時に顧問が責任を負わされる。
安全管理の知識・技能を持ち合わせていない顧問の部で事故が起きても、顧問が責任を負わされる。素人が顧問をする現行部活制度では、栃木の雪山雪崩事故のようなことが今後も起きてしまう。

8 顧問の独善的な運営が行われやすい。
一般的な価値観では理解し難いような言動を顧問がしたとしても、実態が表に出にくい。表に出たとしても、カリスマ的な顧問の場合、教職員や保護者もなぜか理解を示してしまうことがある。

9 部費が不正に流用されている。
顧問の飲食代(アルコールが含まれる場合もある)に部費が使われることは問題があるのではないか。

10 中学生への勧誘が行われている。
高校の部活動顧問が中学校を訪問し、中学生を勧誘することがあり。入試の公正さにも疑念を抱かせるような行為である。

11 事実上の全員参加となっている。
「部活動はやって当たり前」。学校・保護者・地域にそんな考え方が根付いている。部活動をすることが同調圧力になっている。

12 コロナ禍でも例外扱いにされる。
新型コロナウイルスの影響で休校等の措置が取られても、部活動だけはなぜか例外的に実施されているという報告が各地で上がっている。

13 熱中症対策が無視される。
WBGTの測定では運動不可となっていても、さまざまな理由をつけて部活動が行われている実態がある。

14 事実上の顧問強制が行われている。
本人の希望や経験の有無などは考慮されず、半ば無理やり顧問が押し付けられている。

15 教員人気の低下に拍車をかけている。
教員志望の学生が減ったのは教師の過酷な働き方が知れ渡ったためだが、その中でも部活の占める割合は大きい。

16 部費が高い。
保護者に経済的な負担をかけすぎている。高校の場合、月1万を優に超えるような部もある。

17 休日を奪われる。
ガイドラインでは、土日のどちらかは休みということになっているが、本来は土日は両方休みでなければならない。

18 顧問が自腹を切らされる。
自分のお金で部活動に関する書籍を購入したり、審判講習の費用を払ったりしなければならない。

19 学校の施設はそもそも部活用ではない。
学校の施設は教育課程内の教育活動に応じた基準で作られており、部活動のためには作られていない。そのため、事故が起きやすい。

20 誤審を非難される。
大きな大会になるほど、誤審の際に激しい非難が相手チームの顧問やコーチ等から浴びせられる。

21 部室はいじめの温床になりやすい。
 着替え等で部室を利用する際、教師の目が行き届かず文字通り「密室」となりやすいことから、いじめが発生する可能性がある。

22 経験のない部を割り当てられる。
 本を読むなどして教員なりに努力するものの、自信を持って指導できるまでには至らず、試合で誤審を繰り返してしまうこともある。

23 大会の審判をやらされる。
大会では、生徒の引率だけでなく、審判をやらされることも多い。引率なしで、審判のためだけに駆り出されることもある。審判は、明らかに教員の仕事ではない。

24 嫌々参加している生徒にも対応しなければならない。
全員部活制の学校では、生徒はどこかの部に所属しなければならないため、明らかにやる気のない生徒まで引き受けなければならない場合もある。

25 部活動がやりたくて教員になる者がいる。
 教員は教科の専門で免許状を受け、採用されている。部活動という課外活動に重点を置きすぎるのは、教員のあり方としてそもそも誤っている。

26 家族を犠牲にせざるをえない。
「部活未亡人」なる言葉が生まれたり、部活が原因で離婚に至ったりするケースもある。

27 教材研究・授業準備の時間が取れない。
教材研究・授業準備の時間が勤務時間内に確保できないのはもちろん、勤務時間外にやろうとしても、部活動で疲弊しているため最低限のことしかできない。そして、罪悪感を持ったまま授業に臨み、また部活に向かうという悪循環。

28 部活動の商業化がひどい。
特に高校の部活動には大人の利権が絡んでいる。部活動の教育的意義だけでなく、大人の都合で部活動が無理に存続させられている面もあるのではないか。(例えば甲子園大会)

29 「教育の場」でビールが売られている。
 甲子園大会ではビールが売られているが、教育の場でビールはおかしい。

30 部活動中心の学校運営が行われる。
 部活動に熱心な教員が発言力を持つ学校では、部活動が他の教育活動よりも優先される傾向がある。例えば、委員会活動に参加するために部活に遅れる部員がいると、委員会が非難されることもある。

31 ヤミ部活が横行している。
自主練習という名目で通常の練習を行ったり、外部団体の活動という名目で追加の練習を行ったりするなど、さまざまな抜け道を使ってヤミ部活が行われている。

32 初任者が顧問を断れない。
初任者は仮採用であり、身分保障が不十分である。したがって、顧問を断ると正式採用にならないのではないかという不安から、仕方なく顧問を引き受けざるをえない。

33 大会が教員採用試験と重なる場合がある。
部活動の大会が教員採用試験と重なると、講師が顧問をしている場合、選択を迫られる。人生を左右する重要な選択であるにもかかわらず、大会を優先してしまう講師もいる。

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